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帝国での買い物 2


 カミュルイアンが、アンジュリーンとアリアリーシャの2人に、2人の使っている寝室に連れて行かれるのを、ジューネスティーンとレィオーンパードは、唖然として見送っていた。


 時々、アンジュリーンとアリアリーシャの、黄色い声が聞こえる中、ジューネスティーンは、レィオーンパードの顔を見ると、2人とも、可愛そうなものを見たような顔で、お互いを見ると、ジューネスティーンは、レィオーンパードに尋ねる。


「なあ、2人に3発って、全部で6発だよな」


「うん」


 レィオーンパードは、ジューネスティーンに、気のない返事を返した。


 そんなに体力が持つものなのか、本当に出来るのか、お互いに気になったようだ。


「なあ、それってどうなんだ?」


「後半は苦しいんじゃないの?」


「……、だな」


 お互いに納得するのだが、何だか遣りきれないというか、納得できないような面持ちである。


 自分が同じ事をさせられて、そこまで保つのかと考えると不安になる。


「にいちゃん。 俺、昨日は、カミューが羨ましいと思ったけど、今日は、エルフに生まれなくて、良かったように思える」


「ああ、1対10どころか、1対100の男女比って、1人で、それだけの女性を相手にするって事だよな」


 ジューネスティーンとレィオーンパードの表情は、先ほどより、暗い表情になったように見える。


「下手すると、……。 一晩に、最低でも5人を相手にしても100人だと、20日掛かるよ。 エルフの里では、夜のスケジュール表とかが、できているのかもしれない」


 そう言って、スケジュールで一杯になって、こなしてもこなしても、終わりが見えてこない仕事のように、休む暇なく働いているような気になったようだ。


 ゾーッとしながらレィオンパードは、ジューネスティーンを見た。


「にいちゃん。 それって、時間割とかになってそうだよ」


 レィオーンパードは、学校の時間割を思い出して、そこに今晩の相手の名前が書いてあるのをイメージしたようだ。


 夜になると、エルフの女性が、入れ替わりに入ってきて、おねだりされるのだろうが、その中には、自分の好みでないのもいるだろう。


 レィオーンパードは、最後の5人目がそうだったとしたら、自分に、そんな事が、できるのだろうかと気になるようだ。


 そんな不安そうにしているレィオーンパードに、ジューネスティーンは、自分の考えた事を、レィオーンパードに伝えようと考えたようだ。


「おい、レオン。 時間割は無いと思うぞ。 昨日は、カミューと2人のエルフが、同じ部屋に泊まったんだ。 そう考えると、女子同士は、何人一緒でも、構わないと思うぞ。 多分、エルフの里の男は、一度に数人と一緒にベットに入るかもしれない。 それに、その場合、1人に1回で済むかも分からないぞ。 ルイネレーヌさんの事を考えると、1回で満足しないのも中にはいるだろうから、その時は、搾り取るだけ搾り取られると思うぞ」


 レィオーンパードは、そんな事が出来るのかと考えたのだろう、ゾッとするような表情をしている。


 すると、レィオーンパードが、ガッカリした表情をした。


「毎日は、嬉しいかもしれないけど、そんなに多いのは……、あんまり考えたく無い」


 レィオーンパードの表情は、ルイネレーヌのような人が、何人も一緒にいた時の事を考えだしたのだ。


 その時の事を考えて凹んでいる。


「相手がルイネレーヌさんのような人だったら、1人でも毎日はきついかもしれないぞ」


「うん。 たまには休みたい日だってあるよね」


「ああ」


 2人は、黙ってしまう。


 すると、ジューネスティーンは、リビングに、もう1人、シュレイノリアが居ることに気がついた。


 ジューネスティーンは、その事に気がついて、自分の横にいるシュレイノリアを見る。




 2人の、夜の男の事情を話していた事を、シュレイノリアが聞いていたと思うと、ジューネスティーンは、その事の方が心配になる。


 ジューネスティーンは、とんでもない事をシュレイノリアに聞かせてしまったと思ったのだろう。


 まずい事を言ってしまったと思った様子で、隣にいるシュレイノリアを見る。


 2人の会話を、ジューネスティーンの横で聞いていた、シュレイノリアは、何のことなのだろうか分からないといった表情で、2人の会話をスルーしたようだ。


 シュレイノリアは、黙々と石板に向かって何かを書いている。


 そのシュレイノリアの様子を、見ていたジューネスティーンは、自分とレィオーンパードの会話について、シュレイノリアには、理解できてないと考えて、ホッとしていた。




 ジューネスティーンは、レィオーンパードとの会話で、エルフの男性事情について、思うところがあったようだ。


「何だか、エルフの男性が少ないのは、エルフの女性が強すぎるのかもしれないな」


 ボソリと言うと、遠い目をする。


 レィオーンパードも、ジューネスティーンと同じような思いを持ったようだ。


「俺、エルフに対する考え方がちょっと変わったよ」


「ああ、俺もだ」


 そう言って、2人はため息を漏らす。


 それを横でシュレイノリアが何の話をしているのかと、不思議そうに聞いていた。


 なお、開いた寝室の中からは、カミュルイアンが、何かを喋っているようには聞こえるのだが、何を話しているのかまでは聞き取れない。


 しかし、アンジュリーンとアリアリーシャの黄色い声と、カミュルイアンに、何か質問しているような声が、聞こえてくるので、かなり過激な話になっているように、ジューネスティーンとレィオーンパードには思えたようだ。


 ジューネスティーンは、アンジュリーンとアリアリーシャの2人が、気が済むまで、買い物に出るのは遅くなると思って諦めるのだが、それは長くは続かなかった。


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