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帝国での買い物 1


 一夜明けて、帝国の見物を兼ねて買い物に出かけるのだが、夜は別行動となったカミュルイアンが戻ってこない。


 5人とも起きて身支度を整えて、自分達の寝室から出てロビーに集まっている。


 全員、今日は買い物になると思い、昨日の晩餐用の衣装でもなく、冒険者用の戦闘に適した服でもなく、街中を歩く為の服装になっている。


 アリアリーシャとアンジュリーンの2人なら、買い物ともなれば、それなりの物を用意しているとは思ったのっだが、それは、シュレイノリアにも当てはまっていた。


 普段は衣装のデザインとかには無頓着のように思えるのだが、2人の女子との付き合いも長くなってきたので、色々と感化されたのか、いつもの感じと違うものを着ていた。


 アリアリーシャとアンジュリーンは、旅の前にシュレイノリアに帝国に着いた時用に新しい服を買わせていたのだ。


 帝国に着いたら向こうでジューネスティーンに見せるために買わせた服を着ているの知っているので、ジューネスティーンがシュレイノリアに声を掛けるのを待っているのだが、それ以上に気になることがある為、2人はそれ以上考えることをやめている。


 シュレイノリアは、そんな中石板を収納魔法から出して何かを書き始めるので、気になって聞いてみた。


「何してるんだ?」


「新しい魔法」


「ふーん」


 聞いておいて、興味無さそうにジューネスティーンは答える。


 聞いておいて何だと言う顔をするシュレイノリアは、


「思いついた時に書いておく。朝のアイデアは、後で思い出せない時がある。だからこうやってアイデアをメモしておく」


「そうなんだ」


 シュレイノリアは少し不満そうにすると、石板に向かって、また、何かを書き始める。


 アリアリーシャが淹れてくれたお茶も飲み終えてしまって、どうしようかと思い、今日の予定をジューネスティーンは伝えた。


「今日は、帝国見物を兼ねて、買い物だな」


 目を輝かすのは、アンジュリーンとアリアリーシャである。


「帝国風の服を買うけど、その前に行く所がある。そちらに顔を出してからブティックに行こう」


 そう言うのだが1人戻ってきてないので、直ぐには出発できない。


 どうしようかと思って、窓の外を眺めていると、ドアの開く音が聞こえて、カミュルイアンがバツの悪そうな顔で部屋に入ってきた。


 気の弱いカミュルイアンなので、少し部屋に入るのを躊躇ったのかもしれない。


 カミュルイアンが入ってくると、最後の決定を下させたアンジュリーンが、待ってましたとばかりにカミュルイアンの前に行き、足を肩幅より少し広く開き、腕を組んで胸を張って聞く。


「ちゃんと、お相手ができた?」


 少し目を鋭くして聞いてきた。


 カミュルイアンは、下を向いて目の前のアンジュリーンを直視できないでいると、アンジュリーンは少しイラついたようにすると、さらに質問する。


「どうだったの?」


 そう言われて初めてカミュルイアンは頷く。


「2人とも満足してくれたの?」


「多分」


「ねえ。彼女達に恥かかせて無いでしょうね」


「うん」


「本当に?」


 そう言われて頷くカミュルイアンに、アンジュリーンはイラついてくる。


「あのねえ、あの人達からしたら私があんたの家族という位置づけなの、それはこれからも付き纏うのよ。だからどんなだったか聞かせて! 今後のこともあるから」


 アンジュリーンが強く言うと、逆切れとまではいかないが、カミュルイアンが開き直って答える。


「大丈夫だよ。2人には3回ずつ出したから」


 顔を赤くして言う。

 アンジュリーンもそれを聞いて顔を赤くすると、次の言葉が出てこない。


 リビングのソファーに座っていたジューネスティーンは、手すりに肘を立てて顎を置いていたのだが、カミュルイアンの2人に3回したという話で肘が滑って椅子からずり落ちそうになる。


 レィオーンパードを見ると、やはり椅子から滑り落ちそうになっていた。


 男2人が、お互いを見つけるように顔を向けると、今の発言が信じられないとお互いを見る。


 目が合うと、ジューネスティーンとレィオーンパードが、少し引き気味な顔で、信じられない様な顔をしているので、お互いに、カミュルイアンのスタミナに驚いているのが分かる。


 シュレイノリアは、男2人の態度を見るが、自分にはどうでもいい事だと会話をスルーしている。




 その中で話に食いついたのがアリアリーシャで、直ぐにアンジュリーンの横に行くと、興味津々にカミュルイアンに聞く。


「エルフのしきたりとかありますから、アンジュに詳しく話してあげなさい。それと刺激が強い話になりそうだから、私も同席します」


 お姉さんぽい言い方だが、目は鋭く、獲物を狙うハンターの目をしている。


 そしていつもの口調の語尾が伸びてない。


 ジューネスティーンとレィオーンパードは、信じられない事を聞いたと思い、2人のエルフとウサギの亜人の方に視線を向ける。


 そんな中、アンジュリーンとアリアリーシャは、カミュルイアンの手を引いて自分たちの寝室へ連れて行く。


 呆気に取られた顔をしたカミュルイアンは2人のなすがまま、引き摺られて2人の使っている部屋に入っていく。


 ただ、入口のドアは開けたままにして、“変な事はしません。話を聞くだけです”と、言うように他の3人にアピールしている。


 そのドアの方から、アリアリーシャが強い口調で何かカミュルイアンに言い寄っている様子で、それを嫌がるように拒否的な発言をしているカミュルイアンの声と、アンジュリーンがカミュルイアンを威圧するような声が聞こえていた。


 しばらくすると、部屋は静かになるのだが、アンリュリーンとアリアリーシャの奇声がしたと思うと、2人が少し高い声で何やら早口で話をすると、また静かになってから2人の奇声が聞こえてくる。


 ロビーからは話の内容までは分からなかったが、昨日の行為について女子2人に根掘り葉掘り聞かれている事だけは残された2人にも分かったようだ。


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