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帝国で初めての会食 〜席分け〜


 食堂に入るっと、猫の亜人のミューミラが、ジューネスティーンの前に来てくれると、笑顔を向けた。


「お話は伺っております。 お席は準備しておりますが、全員を一つのお席に付ける事が出来なかったので、3席ご用意させていただきました。 こちらへどうぞ」


 そう言って、ジューネスティーン達とユーリカリア達を席に案内を始めた。


 ジューネスティーンは、その後を付いていくのだが、その後ろ姿が、大いに気になったようだ。


 ミューミラのスカートのお尻の部分が、モコモコと動いていたので、中の尻尾が、左右に振られて、スカートが震えている事が気になったようだ。


(ああ、そう言えば、レオンも嬉しそうな時は、尻尾を振っていたよな。 ああ、ユーリカリアさん達は、帝都でも人気があるって言ってたから、それでなのか)


 それを見て、ジューネスティーンは、ユーリカリア達の人気の高さを実感したようだ。




 席に案内されるとユーリカリアが、ウィルリーンとシェルリーンの様子を見て、エルフ達だけでまとめようと思ったようだ。


「じゃあ、エルフ4人が一番奥のテーブルを使ってくれ」


 その提案に、アンジュリーンが慌て出した。


 ウィルリーンとシェルリーンにカミュルイアンが入って、3人で一席だと思っていたようだ。


 アンジュリーンとしたら、カミュルイアンを口説く2人のエルフと一緒に居るのは苦痛だと思ったのだ。


「え、私も一緒ですか? 私は、この2人が、カミューにチヤホヤするのを、横で見てなきゃいけないのですか?」


 アンジュリーンは、自分の思った通りの事を口に出した。


「え、不味いのか?」


 ユーリカリアは、エルフの都合もあるだろうから、アンジュリーンも一緒の方が良いと思って、気を遣ったようなのだが、アンジュリーンには、それが通じなかったので、何でなのと言った感じで聞き返したのだ。


 それを聞いたジューネスティーンが、ユーリカリアの提案の意味を説明するように話に入ってきた。


「お前、この世界のエルフについて、詳しい訳じゃ無いんだから、エルフの、しきたりとか、色々と、教えてもらったり、見ておけばいいだろ。 これから先、エルフの、しきたりを知らないでいると、困る事もあるかもしれないから、一緒に居て、教えてもらうべきじゃないか」


 アンジュリーンは、確かにその通りなのかもしれないが、カミュルイアンを狙っている2人を、見ていなければならないので、少し不満そうにしていた。


 アンジュリーンとカミュルイアンは、同時に転移してきた事と、転移者であることで、エルフのしきたりについて、ほとんど知る機会が無かったのだ。


 今まで、出会った事のあるエルフといたら、始まりの村のギルドマスターである老齢の女性エルフのエリスリーンだけだった。


 ただ、ギルドマスターという立場上、アンジュリーンにもカミュルイアンにも、時間を取ることもできなかった事もあり、エルフのしきたりについて聞く機会も無かったのだ。


 アンジュリーンは、これが丁度良い機会だとは理解はしているのだろうが、納得はしてないようだ。


「で、でも、私は、お二方のように、恋愛的な感情で、カミューを見ている訳じゃ無いから。 横でそれを見ているのは、ちょっと、きついものがあるわ」


 それを、聞いたウィルリーンが、エルフの男に対する、しきたりに疎い、アンジュリーンと、それに珍しく冒険者として活動している、カミュルイアンの事から、一つの結論を出す。


「あら、あなた方は、ひょっとして転移者だったのですか?」


 それについて、ジューネスティーンが答える。


「自分達は、全員、転移なので……、そう言えば、エルフの転移は、レアケースって事を聞きました。 南の王国で聞いた話だと、この2人が現れる前も後も、現れたエルフを知っている者は誰も居なかったみたいです」


 それを聞いてウィルリーンは、カミュルイアンが、なんで冒険者になったのか納得する。


「なる程、それで男性のエルフが、冒険者なんてやっているのですか。 なら、その辺も含めて2人にエルフの事をお話ししておきます」


 ここで、カミュルイアンとアンジュリーンの2人に、エルフのしきたりを、覚えさせる事ができるなら、今後、冒険者として、他のエルフと接触した時に役立つと思い、ジューネスティーンが代わりにお礼を言う。


「よろしくお願いします」


 ウィルリーン達に言うと、アンジュリーンに、諭すように話す。


「丁度いい機会だから、知らない事を色々と聞いておく事だ。 これから先、知らないで困る事も有るだろうから、色々と教えてもらっておけ」


 アンジュリーンは、ジューネスティーンの言葉に渋い顔をする。


 返事をする気になれず、渋々といった様子で肯き、奥のテーブルに向かう。


 エルフの4人が、席に着くのを確認すると、残りの8人にも席に着くように促す。


「じゃあ、早速、食事にしよう」


 そう言うと、ユーリカリアが、真ん中のテーブルに座るので、ジューネスティーンがユーリカリアの向かいに座ると、その横にシュレイノリアが当然のように座る。


 ユーリカリアの横には、カメレオン系リザードマンのフェイルカミラが座る。


 本来であれば、ユーリカリアとウィルリーンが並んで座るのだが、カミュルイアンの方に行ってしまった事と、フィルルカーシャがウサギ系亜人、ヴィラレットがチーター系亜人なので、ジューネスティーン達のメンバーの残りが、アリアリーシャがウサギ系亜人で、レィオーンパードがヒョウ系亜人という事で、同型の種族どおしになるように、リザードマンのフェイルカミラが、気を利かせてユーリカリアの横に座った。


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