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人気の高いユーリカリア達


 ジューネスティーンから、夕食の予定を聞くと、その中に、亜人と彼女という単語に、ルイセルは思い当たる顔があった。


 もし、それがルイセルの考えている人達なら、店としてもそれなりに対応して、今後は上客として店を使ってもらいたいと考えるので、料理についても最高の物を用意する必要があると考える。


「失礼ですが、ご一緒にお食事をなさる、お連れ様は女性の方ですか?」


 ルイセルは、全員が女性のパーティーなら、自分の考えている人達なのか気になっている。


「ええ、そうです。 あちらは、ドワーフ・エルフ・亜人だけのパーティーなんです」


 ジューネスティーンは、人属では無いので少し遠慮がちに言うのだが、ルイセルは、種族だけで誰なのか、ピンときた。


 帝国で有名な冒険者のパーティーで、人気もある人達である事、出来れば自分の店を贔屓にして欲しいと思っていた人たちではないのかと思う。


 ジュエルイアンから、ジューネスディーン達は、新人の冒険者と聞いていたので、まさか、その彼らの伝で、ユーリカリア達に、店を使ってもらえるとは思わなかったので、ルイセルは、目を輝かせた。


「と、言いますと、ドワーフのユーリカリアさんのパーティーですか?」


 ジューネスティーンは、目を輝かせて、覗き込むように見るルイセルに気圧されつつ返事をする。


「は、はい。 おっしゃる通りです」


 ルイセルは、笑顔になり、やっと彼女達に自分の店を使ってもらえる事に喜んだ。


「あの方達のパーティーに使っていただけるなんて光栄です」


 あまりの喜びように、ジューネスティーンは、対応に困るが、一応は答える。


「そうなのですか?」


 ジューネスティーンは、心配していた懸念が晴れるのだが、ルイセルの喜びように少し困ってしまっている。




 帝国では、亜人を下に見る。


 帝国の方針として、人属至上主義を取っており、大ツ・バール帝国では、この大陸で祐逸、亜人を奴隷にする事を認めている国である。


 そのため、亜人もだが、ドワーフもエルフも亜人同ように、下に見られている。


 帝都で活動している冒険者、彼女達、亜人とくれば、ユーリカリア達だと、誰もが想像できる。


 特に、ギルド支部のある、帝都の第9区画となれば、ギルドの影響も強いので、亜人に対する偏見も少ない。


 それは、この区画の開発の半分を任されていたジュエルイアンが、主要な商業施設には、亜人に対する偏見の少ない人々を選んでいる。


 ギルドに所属する冒険者には、人属以外の人種も居る事から、そのような配慮を行なっていたのだ。




 ジューネスティーンは、ルイセルがユーリカリアを知っていて、なおかつ、店を使う事でこれ程喜ばれるとは思ってなかったので、内心は助かったと思うのだが、その理由が気になっているとルイセルが彼女達の話を始める。


「ユーリカリアさん達は、帝国では有名なパーティーなんですよ。 女性ばかりのパーティーですが、パーティーとしても、Aランクをもらっていて、実力も有りますので、帝国の女子からは憧れられているんです。 それに新しくメンバーを入れるとしても、ベテランを入れるんじゃなくて、新人を入れて育ててくれるんですよ。 普通なら、新人をメンバーに入れても足手まといだとかで、嫌がられるんですけど、ユーリカリアさんは、一から、新人に冒険者としての、心構えから戦い方まで、じっくり教えてくれると言われてます。 それに、エルフのウィルリーンさんの魔法は、それは強い魔法だとかで、しかも、全ての属性の魔法を極めていると言われてます。 それは、国のお抱え魔導士にも引けを取らない、いえ、それ以上の魔法が使えるということです。 それに、一番若いチーター系亜人のヴィラレットさんだって、確か16歳だったはず、新人の方ですけど、剣の腕については、達人級の腕を持っているらしんです。 その才能を、ユーリカリアさんが気がついて、若いとか関係なく、自分のメンバーにして、ヴィラレットを断ったパーティーの人達から、悔しがられたということです。 それに、もう1人のエルフの、シェルリーンさんは、弓の達人だそうで、どんな状況からでも、獲物を仕留めると言われてます。 彼女の矢の標的にされたら、絶対に回避はできないと言われてます。 大ぴらには言えませんが、ユーリカリアさん達のパーティーには、隠れファンが凄いのですよ。 うちの亜人達も、きっと、喜ぶ事でしょう」


 ルイセルの、捲し立てるような早口の話に圧倒されて、中身が全て覚えられそうに無いと思いつつ、ジューネスティーンは、隣に居るリアミーシャを見た。


 顔はスマしているのだが、スカートのお尻の部分が、モゾモゾと動いている。


 特に動物系の亜人は、表情を抑えても尻尾は感情を隠せないのか、嬉しい事があると、振ってしまう習性があるようなので、リアミーシャも憧れのパーティーの人に会えると思い、喜んでいるように見える。


 アリアリーシャやレィオーンパードのようにパンツルックなら、ズボンの外に出た尻尾隠しの腰半分を隠すミニスカートのような物なら、薄手の生地なので確実に分かったと思われるが、膝下までのスカートなので、ウサギ系亜人の短めな尻尾で、厚手のスカートの中に隠れているのだが、今の話を聞いて、尻尾が動いているのがスカート越しにも分かった。


「そうでしたか。 それではよろしくお願いします」


 そう言って、話を切り上げて部屋に向かう。




 部屋は、4階の角部屋だった。


 そこまで階段を使って上がるのだが、リアミーシャが案内してくれた。


 前を歩いているリアミーシャのお尻の足の付け根辺りがモゾモゾとしているのを見て、ユーリカリア達に会える事がよほど嬉しいのだと感じる。


 部屋のドアを開けると、少し長めの通路になっており、角を曲がると、バスルームとトイレが別に有る。


 どちらもドアが開かれていたので、中を確認する。


 バスルームもかなり広めである。




 その先はリビングになっており、よく見るとリビングの左に一つと右に二つドアが有り、ドアの奥は寝室になっていた。


 向こう側は窓になっていてリビングにも光が取り入れられるようになっている。


 右の手前の部屋も角部屋ということで、寝室の奥が窓になっていた。


 右の奥の部屋に入ると、窓も奥と右側についていて一番快適そうだったので、アンジュリーンとアリアリーシャが使う事に強制的に決まった。


 シュレイノリアは、転移した時のトラウマのため、ジューネスティーンを抱き枕がわりに使うので、2人には左の部屋を使わせる事にして、残りをレィオーンパードとカミュルイアンが使う事になった。


 ほぼ、強制的にアンジュリーンとアリアリーシャの意見で、残りの4人はそれに従った。


 案内をしたリアミーシャは、アンジュリーンとアリアリーシャの仕切りに圧倒されつつ、部屋の説明をすると、挨拶をして部屋から出ていった。


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