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ギルドの思惑 2


 ギルドが、ホバーボードとホバークラフトの発明に気が付いた時、そのホバー機能をどうやって入手しようかと思案していた。


 その頃、ホバーボードの話を嗅ぎつけたルイネレーヌが、ホバーボードをギルドが求めている事を逆手に取る事を思いつく。


 ルイネレーヌは、ギルドの担当者を上手く抱き込んで、格安でホバーボードを自分の物にする事を思い付き実行してホバーボードを1台入手する。




 ギルドのジューネスティーンの特待生の条件を出した担当は、突き上げられていた。


 ホバーボードのアイデアは、高等学校入学後に、ジューネスティーンが考えたのだが、特待生の条件の中に、パワードスーツ以外の発明についての記載が無かった事で、技術の囲い込みが出来なかった事を責められたのだ。


 それは、その担当者には関係の無い事なのだが、組織として責任の所在をどうするのかとなり、出てきた名前が、その担当者だったのだ。


 ただ、ギルドの組織としては、ホバーボードの機能をギルドとして持つ事が目的の為、その担当者に、新たな仕事回すことで、ホバーボードの事が抜けた件に関して不問にするとなった。


 かなり、強引な方法で、その担当者に仕事を押し付けられたことになる。


 それは、ジューネスティーンから、ホバーボードの技術を、引き出させることだった。


 その担当者は、困った事になったのだが、その話にルイネレーヌが絡んだのだ。




 その頃、ホバーボードの話を嗅ぎつけたルイネレーヌが、ホバーボードをギルドが求めている事を逆手に取る事を思いつく。


 ルイネレーヌは、ギルドの担当者を上手く抱き込んで、格安でホバーボードを自分の物にする事を思い付き実行してホバーボードを1台入手する。




 ホバーボードを入手したいと考えていたギルドの担当者に、ルイネレーヌは、自分の諜報活動の際に使える為の細かな仕様を職員に渡し、その条件で作れるかジューネスティーンを試させる事を提案する。


「ただ単に同じ物を購入するだけなら、お前は能無し担当者というレッテルを貼られるだろう。 だが、ジューネスティーンに、今以上の性能を要求して、何処まで仕様通りに出来るか試してジューネスティーンの能力の可能性を本部に示せば、お前の担当者としての能力も示せるのじゃないか」


 そう言って、ギルドの担当者を説得した。


 また、ジューネスティーンには、同じ物を2台作らせて1台は、実務試験用で、もう1台は研究用にするように提案する。


 その実験には、ルイネレーヌがパイロットを務めるので、データが取れたら、その1台を自分に、払い下げするようにしたのだ。


 ギルドの担当者は、そのルイネレーヌの提案を、ベットの上で聞くと、その提案にのりにジューネスティーンへホバーボードの発注を2台行なった。




 ルイネレーヌは、完成したホバーボードの性能調査の為に乗るのだが、最初は散々なものだったのだ。


 浮かせたり、移動させようとすると、思うように動かせない。


 浮いたと思って前に出ようとすると、ホバーボードが一気に進んでしまって、ルイネレーヌを置いて進んでしまった。


 その結果、足を持っていかれて、派手に転んでしまった。


 それが何度も続くのだが、運動神経の良さと、ルイネレーヌの負けん気の強さが幸いして、数日で乗りこなして、性能についての実機データを取らせる。


 その際に、ホバーボードをぶつけたり、地面を転がしてしまい、ホバーボードを傷だらけにしてしまった。


 ただ、シュレイノリアは、そんな状況でも魔法紋に傷が入らないように、ジューネスティーンと協力して対策していた。


 表面上の傷は、テストをしたことで、かなり、ひどい状況になっていた。


「ほら、この状況で、ホバーボードの報告書を回したら、なんて言われるかわからないだろう。 テストに使わなかったホバーボードを報告書と一緒に回せば、お前の評価も高くなるだろ。 だから、このテストに使ったホバーボードは、ボロボロになってしまっているから、これは、廃棄したことするんだ」


 ルイネレーヌの提案に、ギルドの担当者は、渋々、従ったのだ。


「無報酬で、性能テストをしているのだから、報酬として、このテストに使ったホバーボードは、私がもらっておく」


 データを取り終えると、その報酬としてルイネレーヌに実験に使用した1台を渡している。


 ルイネレーヌは、この時の為に、ギルドの担当者とベットの上で提案したのだ。


 その後ろめたさから、ギルドの担当者は、ルイネレーヌの提案を受諾した。




 一方、ジュエルイアンに協力してジューネスティーンの情報を得たギルド本部は、エルメアーナの工房でパワードスーツが完成すると、そのタイミングで、ジューネスティーンに東の森の先の調査を相談する。


 ただ、ギルドとして、東の森に入る事は帝国支部設立時の取り決めで帝国の許可が必要となる為、表立って行う事が出来ない。


 そこで、ギルドとしては、ジューネスティーン達のパーティーを帝国に送り込み、名前を売って、東の森の調査依頼を帝国から出させる事にした。


 そんなにうまく話が進とは思えなかったが、帝国としても何度か東の森の調査の為に人員を送っているが、調査に成功した事は無いので、強力な魔物とも対峙できるジューネスティーンということなら、帝国も依頼を出す可能性が高いと説得する。




 帝国の領土拡大は、東の森にも及んでいる。


 その為、東の森の調査を行っているのだが、その調査団は、東の森の魔物によって、全く戻って来なかったり、被害甚大で断念してメンバーの1人か2人が命辛辛戻った程度で、東の森の調査はほとんど進んではいない。


 1人か2人が命辛々逃げ帰った人は、帝国の保護の元、貴族待遇で帝国軍に属しており、外部との接触を絶たれ東の森の情報を国外に漏らさないようにしている。


 また、その戻った数名からの情報で僅かながら地図の作成も行われているが、限られた一部か不正確な情報による内容となっている。


 帝国も東の森を帝国の領土として活用可能な状況になれば、更なる農地の確保が可能となり、穀物輸出量が増える。


 だが、ギルドとしては、東の森の先に有る文明を調査したいのだ。


 それは、大ツ・バール帝国に知られる事なく、東の森の先にあるものを調べることになるので、東の森の魔物から身を守れる、ジューネスティーンのパワードスーツは、最適だったのだ。


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