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ギルド ツ・バール支部の登録と魔物のコア


 南の王国から来たジューネスティーン達は、東街道と呼ばれる草原や林の有る街道を使った。


 南の王国から帝国に入るには西街道を使っても、帝都付近で東街道と合流しているので、南の王国から来ると、帝都の南門が一番近い門になるが、西街道を通った場合、国を一つ超える必要があるので、直接入れる東街道を使う事にした。


 帝都の南門は、南の王国からの玄関口となっている。




 南門は近年区画が拡張されて、その際に新たな南門も新設されたのだが、南門はしっかりした石造りの門でその門の付近は大掛かりな石造の城壁になっているが、完成した石造りの城壁は100メートル程で、今も城壁の拡張工事を進めている。


 その足場が組まれているが、残り全部を行う程にはなってない。


 工事が始まらない部分については、丸太を組んだ塀になっており、魔物避け程度にはなりそうな柵が用意されている。




 城壁の手前には、幅5メートルほどの堀になっており、帝都の北を流れる大河から水を引き込んでいる。


 その堀のお陰で、丸太を組んだ城壁でも魔物の侵入は防げているようで有る。


 帝都付近はそれほど強くは無いが新人のFランク冒険者では手に負えない魔物の生息地でもあるので、市街地に魔物が入り込む事が無いようにされている。


 この南門付近の区画は第9区画になるが、帝国がギルドの帝国支部の設立を許可した際に、空いている土地が無かった事で、帝都の拡張工事を行なって作られた土地で有る。




 帝都の北に大河を挟んだ先に帝国の穀倉地帯が有るのだが、南の土地は丈の短い草が所々に点在している草原地帯となっている。


 南側は魔物が多く、大河の北は魔物がそれ程多くなかった事で、北側の開発が先に進み、南は魔物が多いせいなのか開発は進んでないが、更なる帝都の拡張用に開発を行なって無いという噂もある。


 現在帝都の周辺に作られた堀を見ると都市整備が行われてない土地が、南門の有る第9区画の東と西に存在している。


 西側の第8区画を工事中に急遽南に第9区画を建設する事になったため、第8区画は半分で終わらせて第9区画を建設し始めたので、綺麗な四角にはなっておらず、現在は、継ぎ接ぎのような形になってしまっている。




 ジューネスティーン達が帝都に着いたのは昼過ぎになる。


 当初は昨日の夕方に帝都に入る予定だったが、東街道に出た魔物討伐を行った事で途中で一泊した為、今日の昼過ぎになってしまった。


 ジューネスティーン達は南門で入国審査を受けて、入国料を払うと、30日間のビザを受けて、早速ギルドに向かう。


 ギルドは、南門を入ると、城壁沿いの通りを過ぎて最初の東西に走る大通りを西に向かうと直ぐに見えて来る。




 ギルドの帝国支部は、建物の前に馬車を止めるスペースが用意されており、大通りとの境に簡単な塀がある。


 門は有るが門番は居らず、今は開け放たれており、ジューネスティーン達の馬車は門を入ると玄関付近のスペースに馬車を停め、側に居るギルドの職員に管理を頼み、全員でギルドの建物に入る。




 玄関を入ると、エントランスの先に受付のカウンターが設置されている。


 受付は数カ所あるが、時間的に他の冒険者はもう出掛けている時間なのでエントランスは閑散としており、受付内では殆どの受付嬢達が奥のテーブルでくつろいでいたり、受付で事務作業を行っているものもいる。




 この時間にギルドを訪れるのは、メンバーが足りないパーティーがメンバー集めに来るか、何処かのパーティーに入り損ねたソロの人達、それと、他国から流れて来たパーティー、特に南の王国と隣接しているので、ある程度経験を積んだ新人パーティー程度である。


 そういった冒険者達に品定めをされるジューネスティーン達だが、本来の装備は収納魔法の中にしまっているので、見た目は王国から来た新人パーティーと見られているみたいだ。


 周りの冒険者から様子は見られているが、声を掛けられる事もなく、受付カウンターまで何事もなく着く事が出来た。




 受付カウンターに座っていたのは4人居たのだが、ジューネスティーン達が入ってきたのを見て、受付嬢の内の3人が席を立って奥の方に移るので、カウンターに残っているのは1人だけとなった。


 移動した3人は奥の席で処理を始めるために視線を下にする。


 ジューネスティーンは、1人だけカウンターの席に座っている受付嬢のところに行くと、その受付嬢は初めて見る冒険者だと判断した様子で話しかけてきた。


「ようこそ、ギルド ツ・バール支部へ、今日はどのようなご用件でしょうか」


 その受付嬢は、笑顔で話しかけてくる。


 よく見ると、その受付嬢の耳が少し長いので、エルフ属なのかとジューネスティーンは思うのだが、その耳に若干の違和感を覚える。

 ジューネスティーンは、何事もない口調で話す。


「南の王国から来ました。 今日は帝国のギルドの登録に立ち寄りました」


 奥の受付嬢達がジューネスティーンの言葉に耳を傾けていたが、南の王国から来た新人パーティーと判断すると、興味を無くし、手元で何かの整理をするような仕草をする。


 帝国周辺の魔物と比べると、南の王国周辺の魔物は弱いので、帝国で冒険者を志す人達は他国を目指し、腕や技を磨いてから帝国に戻るのが一般的なのだが、中でも南の王国周辺の魔物は容易く狩れると言われており、南の王国から来る冒険者はそれ程ランクの高い冒険者は居ないというのが、帝国では一般的な見解である。


 通常なら、南の王国の冒険者は、実力が付けば西の王国や他の国へ行きランクを上げたのちに帝国に来るため、南の王国から北のであれば、Dランクか良くてCランクなので、ジューネスティーンの前で話をしてくれている受付嬢以外は、ジューネスティーン達への興味を無くしてしまった。


 ギルドの受付嬢も、受け持つ冒険者の実績で評価されるため、担当するなら南の王国から来る駆け出しのC・Dランク冒険者より、他国で実績を積んだBランク以上の冒険者の担当になった方が実績は付け易いと考える。


 また、帝国では人属至上主義なため、エルフと亜人が仲間に居る、ジューネスティーン達を敬遠したようだ。


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