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東街道に出た東の森の魔物 〜ドロップアイテム〜


 周辺の調査が終わったので、ルイネレーヌは、本命の話に入った。


「ところで、コイツの魔物のコアはどうした。 それとコア以外に何か無かったか」


 魔物は死ぬと体が魔素に変わる。


 そして、魔物を構成するための魔物のコアを残す。


 また、まれに魔物のコア以外のドロップアイテムを残す事があるのだ。


 ルイネレーヌは、初めて倒された東の森の魔物が残した物が気になっていたのだ。


「あぁ、それなら」


 シュレイノリアの方に向いた。


「さっき渡したコアと金塊を見せてくれ」


 ルイネレーヌは、ジューネスティーンの金塊という言葉に驚いたようだ。


 金塊など、今まで、どんな魔物からも、そんなドロップアイテムが出るとは聞いた事が無かったのだ。


「なに。 金塊もあったのか!」


「ええ。 かなり大きな物がでました」


 シュレイノリアがポシェットから魔物のコアを出すとジューネスティーンを経由してルイネレーヌに渡した。


 そして、ジューネスティーンに手伝ってもらいながら金塊を出した。


 ルイネレーヌは、先に渡された魔物のコアを確認しつつ、ジューネスティーン達の様子を見ると、魔物のコアを確認ん入った。


「魔物のコアは流石に大きいな。 透明度も高いし触った感じも良い、硬度も高そうだ。 それに表面も綺麗になっている」


 ルイネレーヌは、コアを光にかざしたり、角度を変えて細かく見た。


 何を確認しているのか、ジューネスティーンには分からなかったし、それを質問しても、多分、はぐらかされて、どんなことを確認していたのかは、教えてくれないだろうと、ジューネスティーンは思ったようだ。


 ジューネスティーンは、それについては聞かないでいると、確認が終わったのか、もう一つの、ドロップアイテムに興味が移った。


「それと、そっちが一緒に有った金塊か。 金鉱石と言うより精製した感じがしている。 魔物の体内に金を溜め込んだみたいだな」


 ジューネスティーンが、ルイネレーヌのコアを受け取りながら、金塊を渡すのだが、片手で渡してきた金塊の重さを誤った。


 相手が片手だったので、自分も片手で受け取ろうと思って手を出して、ジューネスティーンの手が離れた瞬間、重さを感じて落としそうになった。


 慌てながら、受け取った手が重さで沈んでしまうので両手で抑えたのだ。


 金塊がドロップしたのにも驚いたが、その重さを感じて更に驚いるようだった。


「こんな物が出てきたのは初めての事だな」


 ルイネレーヌは、金塊も表面の状態を、じっくりと舐めるように見て感心する。


「時々、コア以外を残す魔物がいると聞いた事がある。 私も初めて見た。 本当にあるんだな。 じゃあ、これは返しておく」


 そう言って、金塊をジューネスティーンに返すと、ジューネスティーンは、受け取ってシュレイノリアのポシェットにしまい込んだ。


「ギルドからは、これも回収するようには言われてなかったのですか」


 ルイネレーヌは、ギルドからの依頼でジューネスティーン達を追いかけて、東の森の魔物の話をし、そして、ジューネスティーン達に討伐させようと考えていたのだ。


 それが完全に的中した格好になったので、ドロップした魔物のコア等も回収させられるのではないかと、ジューネスティーンは思ったようだ。


「あぁ、ドロップアイテムについての指示は無かった。 帝国のギルドに討伐の報告に行けばコアはギルドの手に入る。 金塊もお前達の物だと思う。 ギルドは、そんなドロップアイテムが有るとは思っていなかったようだからお前達の物で問題無いと思うぞ。 もしお前達がギルド以外で換金したとしても問題は無いんじゃないか。 問題が有るとすれば、それはギルドの落ち度だし、私に回収させるならその回収用の費用も持たせるはずだ。 ギルドは信用第一だから、そう言った物を奪わせることはしないだろう。 気が向いたら、その金塊は、ギルドに買い取らせれば良いんじゃないか。 魔物からドロップした金塊となれば、色をつけてくれるかもしれないぞ」


 確かにギルドは、魔物のコア以外でも買い取ってくれる組織なのだ。


 剣や防具といった物もだが、時々落とす魔物のドロップアイテムについては、場合によっては相場以上の値を付けてくれる事も有る。


 なので、ここで金塊を回収しなくても、ギルドに持ち込まれるだろうと、ルイネレーヌは、思っているのかもしれない。


(東の森の魔物について、ギルドは情報を欲しがっているのだから、僅かでも上乗せしてくれるだろう)


 考えるジューネスティーンを見たルイネレーヌは、自分の仕事が終わったと判断したようだ。


 ルイネレーヌは、ジューネスティーンに声をかけてきた。


「それじゃあ、私はこれで失礼するよ」


 考え事をしていたジューネスティーンは、慌ててルイネレーヌを見た。


「今日はありがとうございました。 それと、周りにいるメンバーの皆さんに、よろしく言っておいてください」


 キョトンとするルイネレーヌだが、すぐに、やっぱりなと言うような表情をした。


「分かっていたんかい。 敵わないね。 じゃあ、私は一足先にツ・バール帝国に行くよ」


 ルイネレーヌは、そう言って、最初に来た時の方に歩いて行った。


 それを見送り、見えなくなるとジューネスティーンは、メンバー達を見た。


「それじゃあ、俺たちも片付けて大ツ・バール帝国に行こうか」


 ジューネスティーン達は、戦闘に使った物を片付けると、馬車をおいてきた場所に戻る事にした。


 馬車のところに戻ると、馬車と地竜はそのままだった。


 それも、ルイネレーヌのメンバー達が警備をしていたので盗難に遭うこともなかった。


 自分達を見つけると、直ぐに姿を隠してルイネレーヌを追いかけたようだ。


 ジューネスティーンは、太陽の角度を見て、帝都までの残りの距離から到着する時間の事を考えると、ここで一泊してから帝都に向かう事にした方が良いだろうと思ったようだ。


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