ニードルガン
ジューネスティーンが、ニードルガンを開発するにあたっては、ジェスティエンという、ギルド本部お抱えの冒険者に出会った事が、キッカケとなる。
ジューネスティーンが、ライフル銃と出会ったのは、ジェスティエンに助けられた時になる。
ジューネスティーンが王国で駆け出し冒険者だった時に、ギルドお抱えのジェスティエンが使っている銃を見てニードルガンの原型を作ったのである。
ただ、それには、大きな障害が有った。
ジェスティエンが、開発した火薬は、ギルドが管理しているので、他の冒険者に、銃の弾丸も火薬も渡る事は無かった。
ジェスティエンは、一般冒険者と異なり、剣を使うのでは無く背中に背負ったライフルと腰につけた拳銃で魔物を倒していた。
左の腰には一本サーベルを下げているが、実際の戦闘には使う事は殆ど無い。
ジェスティエンは、開発した火薬の生産を、ギルドが引き受ける代わりに、お抱えの冒険者となって、銃弾の製造をギルド本部が行なっている。
その銃弾の補充が有るので、ジェスティエンは、ギルド本部の有る、南の王国を中心に、冒険者の活動を行なっている。
ジェスティエンとの出会いは、ジューネスティーンが駆け出し冒険者だった頃、王都のギルド高等学校に通うための費用を捻出するためと、シュレイノリアの付与魔法によって、強くなったと思って、少し無理をして強い魔物のエリアに赴くが、そのエリアの魔物を侮っていた為、倒しきれずにピンチになってしまった。
その際、たまたま、帰還途中のジェスティエンのパーティーが、魔物に苦戦しているジューネスティーン達を見つけてくれて助けられた。
その際に使用していた銃を初めて見て、その威力に驚き、銃に興味を持った。
助けてもらった後に合同で休憩をした時に、ジェスティエンに銃の事を教えてもらい、試し撃ちをさせてもらったので、銃の威力や有効射程などのデータを得ることができた。
その際に弾丸についての説明を受けたが、火薬の製造法については教えてもらえなかった。
ただ、弾丸は、ギルド本部に作ってもらっている事を知る。
ジェスティエンとすれば、子供に化学的や機械的な話についてこれないだろうと思ったのか、かなり、ジューネスティーンの質問に細かく説明してくれた。
その際に専門用語が混じっていたので、そういった専門用語を入れて話せば話についてこれないだろうと思ったのだろう。
有識者が、一般人に説明する際に、自分の方が知識をもっていると思わせる方法を取ったのだろうが、ジューネスティーンは、わからない単語は、単語として話の内容を暗記するように聞いていた。
分からない内容でも、その内容を覚えていれば、何かのタイミングでその単語の意味がわかる時がくる。
そうやって、分からない部分は丸暗記するように聞いていた。
ジューネスティーンは、話を聞き薬莢の構造が分かれば、後は火薬を手に入れれば、弾丸を作る事ができると思ったのだが、ジェスティエンは薬莢を持ち帰ってしまったので、薬莢の構造を確認することはできなかった。
ジューネスティーンはジェスティエンと別れた後に、銃に付いて色々と考察をしている。
戦闘時に関して剣では、近接戦闘となってしまう為、魔物から攻撃を受ける事もあるのだが、銃ならば、離れた的に致命傷を与えられるので、魔物の攻撃範囲外から有効な攻撃ができると考えた。
また、ライフル銃なら、条件にもよるが、魔物に気づかれる前に攻撃することも可能になるので、遠距離で仕留め損ねたとしても、こちらに向かってくる間に数回の攻撃が可能となることから、遠くの魔物を撃ち損じたとしても、近寄られる前に再度の攻撃で仕留めらると考える。
魔法や弓での攻撃でも遠距離攻撃は可能だが、銃は撃ち出した弾丸が目にも止まらぬ速さで突き進むので、目視して避けるように事はできないなら、アドバンテージは高いと考えた。




