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1人で確認するルイネレーヌ


 一通りパワードスーツの構造を外側から見るが、その複雑な構造にする理由は、ルイネレーヌにはよく分からなかった。


 装甲なので、鎖帷子だけでは、弱いと感じて装甲板を取り付けたのだろうと思ったようだが、パーツ毎の解析は、ルイネレーヌの本分では無いので、それ以上のことは考えるのをやめたようだ。


 ルイネレーヌは、他に、外から確認できる部分を探す。


 直ぐに確認できる所はと思い視線を下ろす。


 腰の垂れが広がって取り付けてある。


 その垂れは、外側に広がるように取り付けられているので、垂れの下がどうなっているのか気になる。


 腰の垂れは、縦に何枚も重なっており、ヒダの幅が広いプリーツスカートのような感じに見える。


 長さが太ももの中央程度の長さなので、見た目は、ミニスカートのように思える。


 その中が、どうなっているのか気になり、しゃがんで、下から覗き込む。


 人の骨は、体の中に有るが、パワードスーツは人の体の外に骨格を設ける必要が有る。


 その為、装甲に隠れた部分には、人の骨格とは違った形で体の外側に沿って作られている。


 腰の垂れに隠れるように、左右対象に金属の板が腰を覆うように配置され、腰の外側から足に向かって金属の棒が下がっている。


 そして、腰から伸びた金属の棒は、太ももの装甲の中に入っているので、前から見て腰がやけに広いと思われたのは、大腿骨の代わりをしている金属の棒が太いことにあるのだと気がつく。


 さらに深く覗いてみると、今見たパーツと外側の垂れが接触しないようにガードが腰の周りに付いている。


 垂れが、外に広がるようになっていたのは、このガードによって、外に広がっているのだと分かった。


 最初に見た、内側にあるパーツは、恥骨の部分から外側を回って、恥骨の裏側にU字になるようにつながっており、腰の外側に挟み込むようなパーツが付いている。


 そのパーツの外側から、下に向かって金属の棒が下がっているのが、太ももの大腿骨の代わりになるパワードスーツを立たせるために体重を支えているのだろうと思われる。


 また、大腿骨が前後に動けるように、腰の脇に大きな蝶番が付いているので、かなり太くなっている。


 金属の棒は、太ももの外側を足に沿うように降りて、太ももの装甲の中に入っている。


 腰回りの可動部分の内側は、布のようなもので覆われて装甲の中に入っているのだが、その布は通常の服とかに使うような布とは少し違うように思える。


 パワードスーツの垂れの下から手を入れて触ってみると、表面がツルツルしているが、伸縮性はそれ程良さそうには思えない。


 ただ、腰の中の構造を確認しているルイネレーヌのその光景は、しゃがみ込んだ女性が、ミニスカートの中に手を入れて、股間を触っているようにも思える。


 ジューネスティーンのメンバー達が遠目でその光景を見て、変な顔をしている。


 そんなメンバー達の反応に気づいてか気付かずにか、ルイネレーヌは、周りを気にする事なく、腰から下を確認する。


 表から見た限りでは、太もも部分はシンプルになっており、複雑な加工や工夫は見られない。


 ただ、太ももの下、膝からくるぶしにかけてのパーツは大きく作られており、膝を覆い被せるようなパーツが足とは別に取り付けてあり、その隙間から膝の外部に外装骨格から出るパーツが確認できるが、隙間から見るだけなので、それがどういった働きをするのかまでは、ルイネレーヌには、わからない。




 さらに、しゃがみ込んでいるルイネレーヌは、膝下の装甲を見る。


 膝の上からくるぶしにかけてのブーツのようになっており、膝の裏は、太ももから垂れ下がるように金属の板が取り付けてあり、装甲が取り付けられない部分も可動式の装甲を取り付けている。


 それは、腰の垂れ程厚みは無いものの板状の装甲が垂れ下がって、ふくらはぎ部分に付いているが、装甲板のふくらはぎ部分は、スライドできるように上下方向に取り付けられたレールにつながっている。


 肩の外側と同ように稼働部分の装甲を上手に考えており、フルメタルアーマーのような鎧の弱点となる部分もガードできるように考えられている。


 稼働部分の内側は、装甲を取り付けにくいが、上手く装甲で覆うように考えられていると感じる。


 特に足については、正座は出来ないだろうが、歩く、走るといった人の動きには、ついてこれそうだとルイネレーヌは思ったようだ。


 その膝裏の装甲板を避けるように、ふくらはぎの後ろと、左右の足の外側には装甲が、二重についており、膝下に蝶番で固定されている。


 隙間から見ると、何か棒のような物で内と外の装甲がつながっている。膝の蝶番を見ると、外側の装甲板が外に広がるのだろうと思うが何のためにそんな事になっているのか気になったが、それ以上の詮索はやめる。


 足から今度は、背中を見ると、腰のあたりに太い金属が、腰骨の辺りから、背中を回るように覆っており、鎖帷子は、その上から外側に垂れるように下がっていた。


 上から見ていた時に、腰の垂れの内側で鎖帷子が異ように広がっていたのは、この腰周りに付いたパーツを覆い隠しているためだと分かる。


 外観だけを見ていたら分からなかっただろうが、下から覗いてみたことで、その理由が分かったのだが、左右の腰の脇から背中にかけて覆っている金属は、腰骨の中心、丁度尾骨の辺りに内側の下着のような格好の金属から出ている突起の上に乗っている。


 左右の腰骨の辺りは、その内側の、下着のようなパーツに接続されている。


 ルイネレーヌは、自分にはよく分からない構造なのだが、とりあえず、その構造を目に焼き付ける。




 背骨の部分をよく見ると、中央の丁度背骨の中心線に沿って僅かに隙間があり、腰から首筋まで伸びている。


 中央に縦に走る一本の細い溝が通っているのがわかると、その溝が気になるので、顔を近づけてその溝を近くでよく見るが、中の様子は分からない。


 2・3センチ毎に左右をつなぐように金属の棒が入っているように思えるが、隙間が狭すぎて、それ以上のことは分からない。




 戻ってきたジューネスティーンが、パワードスーツを眺めているルイネレーヌの横に来る。


 人の気配を感じてルイネレーヌは横を見る。


 ルイネレーヌは、通常では、ここまで接近するまで、気が付かないなんて事は無いのだが、パワードスーツの構造に、夢中になってしまって、人の接近に気がつかなかったのだ。


 近づいてきたのはジューネスティーンだったが、その姿は、見慣れない格好というより見た事もない格好だった。


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