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ルイネレーヌ


 シュレイノリアには、サーチの魔法で魔素を見る事が出来るので、魔素の強弱によって人・動物・植物・魔物を見分けることができる。


 この魔法については、シュレイノリアのオリジナルで、彼女1人にしか使えない。




 魔素は、素粒子の一種で、目で見ることは殆どできない。


 魔素は、どこにでも存在しており、その魔素を使って魔法を発動する。


 アンジュリーンが、獣を狩った時に使った魔法も、空間に存在する魔素を利用して発動させている。


 また、この世界の魔物は、コアと魔素からできているので、魔物を倒すと、体からその魔素が放出され、最後に魔物のコアだけが残る。


 魔物から出てくる魔素は、炎のように揺めきながら出てくるので、体が黒い炎に包まれたように見えるのだが、炎で焼かれた時とは異なり、匂いも無く、熱さも感じることは無い。


 魔物以外の、人や動物は、死ねば、体が朽ちるだけだが、魔物は、死ぬと体から魔素が放出され、黒い炎のように舞い上がっていく。




 また、魔素は、人にも空間にも植物にも動物にも、多かれ少なかれ持っているので、サーチの魔法で人の魔素を検知する場合、森のようなところでは、木々が障害となってしまい、遠くまで見通すことが難しい時もある。


「残りは……、動いてない。 見守っているみたい。 でも、この歩き方、体型には覚えがある。 ……、あっ!」


 そう言って、嫌な顔をするシュレイノリアが、ジューネスティーンに目を向ける。


(シュレのこの嫌そうな顔は、……、そうか、彼女が来たのか)


 ジューネスティーンが、誰なのかを察して緊張を解く。




 誰かがこちらに向かって来ると分かった。


 その方向を6人が見ていると、森の中から、1人の女性が現れた。


 その女性は、身長175センチと女性にしては高く、大きく膨よかな胸と、大きく、くびれたウエストと、ウエストの細さを強調するような腰回りをしている。


 そして、自分のスタイルを見せびらかすように、腰を振りながら悠然と歩いてくるのだが、両足の太ももの間だけは、一般の人より広く開いており、前から見ると太ももの間から向こうが見えている。


 その両足の間の隙間が、全体のボディーラインとはアンバランスな感じを与えている。




 その女性が、ジューネスティーン達を確認すると声を掛けてきた。


「元気にしているかぁ〜」


 ただ、顔には不適な笑みを浮かべながら、声をかけつつジューネスティーン達に向かって歩いてくる。


 その背中には、1メートル20センチ程の細長いボードを担いでいる。


 森の中を抜けて来るのなら、背負ってくるのは、木々の枝に当たったりするので、背負ってくるのは不向きに思えるが、何らかの目的をもって担いできたのだろう。




 また、彼女の着ている装備は、動き難くならない程度で体の線が分かるシャツとズボン、防具は、革の胸当て、自分の膨よかな胸の線に沿って作られたオーダーメイドだとひと目でわかる。


 肩には腕が邪魔にならないような構造の肩当てが、腕より10センチ程張り出しており、腕には手の甲と一体となった金属製のガントレット、そのガントレットも手首の動きが邪魔にならないように手首は自由に動けるようになっている。


 足は、膝より少し短目の革のブーツ、スネの部分は金属でガードされている。


 腰には刃渡り50センチ程の細身の剣を両腰に付けている。


 その剣は、鞘に反りが有る事から、突きでは無く斬る事を目的とした剣であることが窺える。


 魔物との戦闘を目的とした 装備には見えないが、洗練された歩き方から、そう簡単に攻撃は当たらないと分かる。


 身体能力の高さから、相手の攻撃を躱し、懐に潜り射込んで、一撃を喰らわせるタイプの出立で有る。




 背が高く顔も小さく、整った顔立ちからは気品さえ伺え、グラマラスな体型は男を魅了するのだが、グラマラスな体型とは裏腹に、両足の太ももの間は広く開いており、どんなに両足を付けても太ももの間から向こうが見えてしまうのだが、腰から膝までの外側のラインは、膨よかなラインをしている。


 背中に背負っているその板は、流線形をしていて表面には、魔法紋が幾つも刻まれている。


「こんにちは、ルイネレーヌさん。 こんな所で会うとは思っていませんでした。 何か御用でしょうか?」


 ジューネスティーンの問いかけに、男を誘惑するような笑みを浮かべるだけで、ルイネレーヌは、構わず近寄ってくる。


 彼女は、ルイネレーヌ・リーナス・フォルバーネルといい、冒険者というよりは、冒険者が必要とする情報を集める事の方を得意としている。


 盗みを働く事はないが、場合によっては、国の機密情報を入手することもある、情報活動に特化したパーティーのリーダーである。


 ジューネスティーンも今回の仕事を請け負うにあたり、彼女から情報を買ったりしているので、面識はある。


 ただ、男癖の悪さから、ジューネスティーンのメンバーの女子とは、相性が悪い。




 ルイネレーヌは、近付くとメンバーの女性達を下に見ながら、ジューネスティーンに話しかける。


「旅の途中に、ちょっと邪魔するよ」


 ルイネレーヌが言うと、ジューネスティーンが彼女の背負っているボードを見て話をする。


「その背中のボードはどうしたんですか。 ちょっと見覚えがあるのですけど」


「ああ、ギルドから貰った」


 その答えを聞いて、ムッとする女性メンバーを他所にジューネスティーンが話を続ける。


「ギルドから頼まれていたボードはあなたのためだったんですね。 音が出ないようにだとか、速度だとか、色々、要求が面倒だったのは、その為でしたか。 でも、2台作ったのですけど……」


 言いかけて、直ぐに理解した。


 1台はギルドの開発者達の手に渡り、もう一つがルイネレーヌが持っているのだろう。


 そう思うと、それ以上、聞くことをやめた。


 ルイネレーヌもジューネスティーンが、2台のホバーボードがどうなったのか、理解したのだろうと思うと、軽く笑って済ませる。


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