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来客


 昼食を終わらせ、お茶を飲んでいると、アリアリーシャが人の遠くの人の足音に気付く。


「少し先、まだ遠いけど、人が居ます。 それも複数です」


 そう伝えると、立ち上がって、音のする方に向くのだが、その後の足音は、小さくなってしまったのか、最初に聞こえた方向に向かって、耳に神経を集中させて目を閉じる。


 周りに緊張が走る。




 ジューネスティーンが、先の狩猟に使った剣を持って、アリアリーシャの近くに行く。


 アリアリーシャのフォローに、ヒョウ系の亜人であるレィオーンパードが入る。


 レィオーンパードは、アリアリーシャの向いている方向に、自分も耳と目で周りを確認し始める。


 レィオーンパードは、耳ではアリアリーシャには敵わないが、目はメンバーの中で一番良く、隠れた獲物を見つけるのが得意なので、アリアリーシャが示す方向に目を向ける準備をしている。


 この二人が、連携してくれるお陰で、このパーティーでは、奇襲される事がない。


「あっちの方!」


 アリアリーシャが、指し示す方向にレィオーンパードが目を向けるが、木々が邪魔している為見つけることはできない。


「まだ見えない」


 レィオーンパードがそう伝える。


 ジューネスティーンは、アリアリーシャの左側、少し前に移動して、警戒を行う行動に出ると、その横にレィオーンパードが並ぶ。


 残りの3人は、固まってアリアリーシャが指し示す方向とは逆の方向にゆっくり移動する。


 すると、シュレイノリアが、声をかけてきた。


「多分、もっと居る。 ……。 1人、こっちに向かってくる」


 全員に、緊張が走る。


 ジューネスティーンは、シュレイノリアが言った、こっちに来る1人よりも、残りがどのような行動を取るのかが気になる。


 ただ、シュレイノリアが、“多分” と言った事を考えると、サーチで確認できる範囲を超えているのか、森という場所では、魔素のノイズも酷いので、よく見えてない事は理解できる。


 遠くに待機している可能性が高いとなれば、攻撃手段は限られてくるが、サーチで確認できる範囲を超えてとなると、攻撃手段は殆どない。


 近づいてくる1人より、残りがどんな対応をしているかによって、戦闘になるかどうか決まってくる。


「サーチを使ったのか。 じゃあ、残りはどうなっている」


(このタイミングで接触してくるのは誰だ。 残りが周囲に展開して、こちらの退路を塞ぐつもりなのか? だが、攻撃してくるつもりなら1人でこっちに向かうのは得策じゃない。 こっちは6人なら、こちらに来た1人を抑えれば、人質になる事だってあるのなら、戦闘というより、交渉の可能性が高い)


 ジューネスティーンは、戦闘になる可能性は、低いのではないかと思うが、警戒は怠らないようにしてシュレイノリアの次の報告を待つ。


 シュレイノリアは、周りに集中して残りの人の様子をサーチで確認しているが、森の中の木が多い為なのか、手間取っている。




 サーチは、魔素を確認する。


 魔法の元と言われている魔素は、大気中に漂っていたり、物質にふむまれている。


 そして、植物や動物にも含まれており、人や亜人も持っている。


 魔法は、その魔素とイメージが結合して発動する。


 魔法は、自分に有る魔素や周辺の魔素を使って魔法を発動するので、本来なら誰でもできそうなのだが、一般的には適性が無いと使えないと言われており、誰もが魔法を使えることはない。


 ごく稀に魔法が使える者が生まれてくるので、各国は一定の年齢になると魔法適性の検査を行なって、国で、魔法士の管理をされている。


 また、魔法士の数はかなり少なく、親が魔法を使えたからと言っても、子供が使えないなんてことも、逆に先祖に誰も魔法士が出なかった家系からでも出ることがあり、何故、魔法士が現れるのか分かってない。


 また、魔法士の能力も様々で、多彩な攻撃が出来る魔法、傷を癒す魔法、生活に使える魔法など、人によって使える魔法は、そう多くはない。


 むしろ魔法士と言っても、コップ一杯の水を出せるだけ、火種を起こす程度だけと、生活が少し楽になる程度の魔法がほとんどで、魔物を倒す程の魔法を使えるようになるのは珍しい。




 ギルドの高等学校は、冒険者になる事を目的としている事と、転移者の保護によって、さまざまな技術や魔法について他国より一歩進んでいる。




 特に、転移者においては、記憶は無くとも、身に付けた技術や能力、時々、見せる記憶の断片によって、ギルドの技術、魔法は、他国より進んでいる。


 そんな中で、特出した才能の持ち主が現れる。




 最近、現れて有名になったのが、ライフル銃や拳銃で、ジューネスティーン達が、現れた頃に開発されている。


 開発したのは、ジェスティエン・ビーティ・ダンノーラと言い、火薬を開発し、火薬の利用方法として銃を製造した。


 それが、ギルドの目に止まると、火薬や弾丸の製造をギルド本部が請け負うことで、ギルドの専属冒険者として南の王国を中心に活動している。




 また、ジューネスティーンのパワードスーツは、物質的に大きな進歩を生むと、ギルド内部で囁かれている。


 そんなかで、シュレイノリアの魔法概念についてなのだが、新たな魔法を幾つも作り出してしまうのだが、周囲の魔法士達がその事に理解が及ばず、理解不能とされてしまっていた。


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