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エルメアーナの日本刀推し  〜天才鍛冶屋と日本刀開発者との出会い〜


 ジューネスティーンは、尻餅をつき両腕の肘で身体を持ち上げた状態で、自分の腰の上に女性に座られているのだ。


 前回、店を訪問した時は、話もまともにできなかったので、今、初めてまともに声をかけて来た相手なのだが、その女性が、自分の腰の上にまたがって、その腰を押し付けるように座っていた。


 巻きスカートの中の足は外側に向かってガニ股に開いており、前は隠れてはいるが、腰の脇から下着が見えていたのだ。


 ジューネスティーンは、ズボン越しであろうと、相手の感触も体温も感じられるので、男としての反応が、徐々に大きくなっていたのだ。


 そして、恥ずかしそうな表情を浮かべた。


「あのー、できれば、自分の上から降りてもらえないでしょうか?」


 そう言われて、エルメアーナは、自分が、ジューネスティーンの腰の上に馬乗りになっていることに気がついて、少し申し訳ないような表情を浮かべた。


「ああ、そうか、そうだな。 そういえば、股間に、何か徐々に硬くなるものが当たって気持ちよかったのだが、……」


 そこまで言うと、エルメアーナは、顔を真っ赤にした。


 自分が座っている場所がジューネスティーンの何処にあるのか気が付いたのだ。


「うわぁぁぁーぁ!」


 奇声を上げると、右手で掲げていた剣を放り投げ、後ろにひっくり返ってしまった。


 慌てていた事もあり、腰を急いで持ち上げてしまったので、後ろに重心が行ってしまい、慌てて腰を上げたので、ひっくり返るように転がり、ジューネスティーンのつま先の方で、背中を打ち付けるように落ち、そして、転がってしまい、後頭部を地面にぶつけ、その勢いでエルメアーナの膝が、自分の頭の両脇に来るように転がった。


 腰の前にまとまっていた巻きスカートは、エルメアーナの動きに合わせて弧を描くように伸びるのだが、エルメアーナが転がって、膝が地面について止まると、弧を描いていた巻きスカートは、帯のようにまとまったまま、ゆっくりと下に降りていき、股間だけを隠すように覆った。




 一方、エルメアーナの投げた剣は、真上に上がっていたので、ジューネスティーンは、エルメアーナを見る事なく、剣の行方だけを確認していた。


 その剣は、ジューネスティーンに向かって落ちてきたが、その軌道は僅かに自分からズレていると分かったようだが、抜身の剣が自分に向かって落ちてくるので、目を逸らす事ができずにいたのだ。


 そして、自分の顔の右側を通過して地面に突き刺さるところまで、瞬きもせずに見つめていた。


 剣の動きが止まるとジューネスティーンは、ため息を吐いた。


 ジューネスティーンは、ギリギリ、自分に刺さらなかった事にホッとしつつ、体を起こすのだが、今度は、シュレイノリアが、ジューネスティーンの膝もとにしゃがみ込んでいた。


 そして、上半身を上げたジューネスティーンの顔の前に、自分の後ろは見せないというような格好で、可能な限り顔を近づけられるようにしていた。


 シュレイノリアは、魔法職特有のツバの広い帽子をかぶっていたので、その後ろの様子を見るには、大きく身体を動かさないと見る事はできない。


 それをジューネスティーンは、何でなのか不思議に思ったようだ。


「あのー、シュレイノリアさん。 なんで、膝もとに座っているのですか?」


「いや、少し待て、この後ろには、お前には見せられないものがある」


 シュレイノリアは、いつもは、あまり表情を変えないのだが、今回は、少しだけ不味そうな表情をして、あまりジューネスティーンとは視線を合わせないようにしていた。


 その表情にもジューネスティーンは、変だと思ったようだ。


「ふーん」


 見せられなものと言われたら、人としては見たくなるものだろうが、ジューネスティーンは、シュレイノリアがそう言った事で、無理にシュレイノリアの後ろにあるものを見ようとはしなかった。


 ジューネスティーンとしたら、ここで無理にシュレイノリアの後ろを見て逆鱗に触れることを恐れたようだ。


「シュレ、もういいわよ」


 シュレイノリアの後ろに居たアンジュリーンが、声をかけてきたので、シュレイノリアは立ち上がった。


 立つための邪魔から解放された、ジューネスティーンは、自分の横に刺さっている剣を気にしつつ立ち上がると、その剣を抜いた。


 そして、アンジュリーンに両肩を抱かれたエルメアーナが、後頭部を押さえて、地面に女の子座りをしている姿を確認した。


 そのエルメアーナの様子を確認したジューネスティーンは、シュレイノリアが何で、あんな態度を取ったか理解したようだ。


 そこには、スカートの中が見えないように、アンジュリーンが身なりを整えだであろうと、その巻きスカートの様子が、はっきりと周りからは見て取れたのだ。


 ただ、その事をジューネスティーンは、指摘する事なく、頭を押さえているエルメアーナを気遣うような表情を浮かべて覗き込んだ。


「あのー、エルメアーナさん。 剣の話は、店の中で行わせてもらえないでしょうか?」


 ジューネスティーンは、優しい口調で話しかけると、エルメアーナも後頭部を押さえたまま、顔を上げてジューネスティーンを見た。


「ああ、よろしく頼む」


 エルメアーナは、アンジュリーンに肩を抱かれつつ立ち上がる。


 アンジュリーンは、エルメアーナの巻きスカートを気にしつつ、一緒に立ち上がると、また、巻きスカートの重なりを直してあげて、軽く土埃を払ってあげていた。


 それが終わると、4人は店の中に入っていくのだった。


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