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後期の武道大会  パワードスーツと武道大会の戦略


 パワードスーツは、人体の側面に配置されている外装骨格に取り付けた人工筋肉を魔法によって動かす。


 その動きは、内部に入った人の動きに合わせて、外装骨格を動かす人工筋肉によって増強される事により、取り付けられた装甲の重さをカバーする。


 内部に入っている人と、可動する為の人工筋肉と外装骨格を、外部装甲が守っている。


 フルメタルアーマーは、各部のパーツを自身の身体に取り付けていく。


 一つ一つの防具は、パーツ毎に作られているので、それを順番に取り付けていく事から、純粋に防具としての性能しか無い。


 しかし、パワードスーツは、人の動きを補助して力を増強する事にある。


 そのため、パーツとパーツを繋ぎ、人体と連動した動きを必要とする。


 そして、フルメタルアーマーから作ったパワードスーツでは、パーツの接続が可能なものと、そうで無いものが有った。




 パワードスーツは、外装骨格に取り付けた装甲により、強力な防御力を得ている事から、魔物の攻撃を受けたとしても、内部に入った人体への被害は出ないように設計されている。


 身体の動きに合わせて力強く、そして素早さを備えさせたなら、自身の損害を考慮する事なく、魔物に打撃を与えることができる。


 ジューネスティーンとシュレイノリアは、戦いの安全性を追及していた事もあり、武道大会で使っているジューネスティーンのフルメタルアーマーは、パワードスーツの原型でもあった。


 魔法紋の付与もされており、一般のフルメタルアーマーより機動性能は圧倒的に高い。


 それは、生身の人と変わることが無い程、機動性に優れる事になるだろうと予測していた。


 装甲によって増えた重量を、パワードスーツは、外装骨格に取り付けた人工筋肉を魔法紋で増強し、内部の人の動きに合わせて動かす事によって、自身のそう重量を補っている。


 その一部を、ジューネスティーンは自身のフルメタルアーマーに加えていた。


 しかし、今のフルメタルアーマーの改良型では、ジューネスティーンの身体に負担を掛ける事になる。




 フルメタルアーマーをベースに作ったジューネスティーンのパワードスーツ(Rev1.02)では、見た目には重そうに見えるが、動きは全く異なる事から、パワードスーツを知らない生徒達ならば、重装甲で動きの鈍いフルメタルアーマー装備の人を、相手として対戦を想定する事になる。


 ジューネスティーンは、この武道大会に、このパワードスーツの原型と言えるフルメタルアーマーの改良型で参戦していた事から、大会に参加している生徒達は一般的なフルメタルアーマーとの戦い方を想定しているだろう事を自身でも理解していた。


 そのフルメタルアーマーの欠点を想定させて、油断を誘わせる為の戦略を立案して、一番の難関である2回戦に勝利する事に照準を絞っていた。


 そして、その戦略が功を奏して、ジューネスティーンをベスト8に導いていた。




 ジューネスティーンとしたら、トーナメントの山を確認すると、最初は2年生の下位との対戦となり、2回戦で3年生の首席との対戦になっていた。


 その後は3年生の下位との対戦となっていた事もあり、全力で戦う必要のあるのは、2回戦のみと考えていた。


 その2回戦に全力で対戦し勝利したら、その後は、自身に負荷が掛からないようにセーブして対戦し、ベスト8に残ることを考えていた。


 ベスト8からは、3年生のセカンドグループとの対戦も含まれてくる事もあり、全力を出す必要があるので、2回戦以降は、体力の温存もだが身体に不要な負荷を掛けないように心掛けていた。


 そして、ベスト8の試合を残すのみとなったところに、敗者復活戦が入った事によって、時間が空いた事から装備の再点検ができると喜んだ。


 しかし、そんなジューネスティーンをシュレイノリアが許さなかった。


 ジューネスティーンが首席と対戦した際に全力を出した事を見抜いており、筋力強化の反動が自身の身体に影響が出てないか心配していた。


 それは、3回戦以降の戦い方に不自然な動きが有った事から確信に変わっていた。


 敗者復活戦が追加された事によって空いた時間を、装備の整備を行おうとしていたが、その時、シュレイノリアが、ジューネスティーンの身体を無理やり確認した。


 そして、思った通り、肘や膝以外の外装骨格の無い部分に炎症を起こしていることに気がつき、ジューネスティーンの身体のケアを優先させた。




 シュレイノリアは、魔法職なので、武道大会は出場を見合わせようと思っていたが、気になる事があると言って、自分の身長の2倍の3.2メートルの槍を用意して参戦していた。


 1回戦は、2年生との対戦だった事もあり、武道系の成績が下位だったシュレイノリアでも槍の長さを利用した戦法を取った事で辛うじて勝つ事ができた。


 しかし、2回戦で戦った3年生には、経験の差からか、あっさりと負けてしまっていた。


 そして、その対戦相手も3回戦で負けていたので、シュレイノリアは、敗者復活戦に参戦できなかった。


 シュレイノリアの大会は、直ぐに終わっていたので、その後はメンバー達の試合観戦に回っていた。


 ジューネスティーンの試合については、予め2回戦を全力で勝つ事を想定していると聞いていたので、1回戦は、目立つような戦い方はせずに勝ち、全力を出すのは2回戦とし、ベスト8までは流す予定だと話していた。


 しかし、シュレイノリアは、ジューネスティーンの動きに違和感を感じていた。


 相手の強さに合わせて戦うと言っていたから、2回戦の戦い方とは大きく異なっていたが、どこか、庇うような動きをしていたことをシュレイノリアは見逃さなかったのだ。


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