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後期の武道大会  敗者復活戦/武道大会のルール


 この敗者復活戦の顔ぶれを見ると、強いと思われる生徒は、ジューネスティーンに2回戦で負けてしまった3年生の首席と、次は少し落ちるが、レィオーンパードが5回戦で倒した相手と、5回戦で敗戦した3年生のセカンドグループの2人となる。


 3年生のセカンドグループは、9人おり、その1人は、カミュルイアンが倒していたので、敗者復活戦には不参加となっていた。


 それ以外のセカンドグループの生徒は、本戦に出場していたことから、敗者復活戦での優勝は、ジューネスティーンに2回戦で負けた3年生の首席だろうと予想されていた。


 カミュルイアンは、勝てばジューネスティーンに負けた3年生の首席が勝ち上がるだろうと予想されているので、ベスト8で対戦する可能性が高勝った。


 そんな事もあり、カミュルイアンが準決勝でアリアリーシャと対戦するには、このAグループの勝者になるであろう、3年生の首席を倒す必要があった。


 そして、アンジュリーンと対戦するには、決勝まで勝ち上がる必要があった。


 3年生の首席が初戦でジューネスティーンに負けたのは、ジューネスティーンが1年生だった事もあるが、開始早々、一気にジューネスティーンが首席と間合いを詰め、相手の剣を叩き落として、木刀を首席の首の付け根に寸止めした事によってジューネスティーンの勝ちとなった。


 その一瞬をついた速攻により、油断した3年の首席から大金星を得たと思われていた。


 その後は、首席が順当に勝ち上がるだろうと考慮されていたため、3年生の下位からの対戦だった事もあり、ジューネスティーンが、上手く首席の油断を誘って勝った事からベスト8までは勝つ可能性はあるだろうと生徒達は考えていた。


 そして、ベスト8からは、3年生のセカンドグループとの対戦になる事もあり、まぐれがベスト8でも起きるとは思えないのという事から、これ以上勝つ事は無いだろうと思われていた。


 その結果、後期武道大会の本戦の優勝は、3年生の次席が最有力候補となっており、敗者復活戦の勝者は、3年生の首席になるだろうと誰もが予想していた。


 特に、今年の首席と次席は、セカンドグループより頭一つか二つ優れており、実力も拮抗していたことから、時々、首席と次席が入れ替わっていた事もあり、ジューネスティーンが決勝まで勝ち上がっても、勝てるとは誰も思っていなかった。


 そして、セカンドグループといえども、今まで下級生に遅れを取るような事は無く、ましてや1年生のジューネスティーンなら、準々決勝で負けると思われていた。


 しかし、9人いる3年生のセカンドグループの1人をレィオーンパードは、倒しており、レィオーンパードは、本気のジューネスティーンに勝った事は無かった。




 この武道大会は、木製の武器による対人戦なので、主に剣や槍を使う事になり、試合は、全て寸止めとされていた。


 武器は木製で、なおかつ、先端は布で覆われており、怪我の無いように考慮されていた。


 しかし、武器の形についての規定はラフだったので、ノコギリのようなギザギザが有ったり、変な突起が付いてなければ許可される。


 そのため、自身の武器と同じような形にする事が多く、大半の生徒は、幅広の大剣になるように作られていた。


 しかし、弓の使用は認められていなかった事もあって、アーチャーは、予備武器を使って参戦する事になり、従って、アンジュリーンとカミュルイアンは、剣で参戦していた。


 2人は、ジューネスティーンの開発した細身の曲剣を使っていた事もあって、多少太めではあったが、曲がりなどは、同じ形に作られた木刀を使用していた。


 細身の曲剣で対戦した場合の剣の受け方もジューネスティーンから教えられていた事もあって、メンバー達は細身の木刀でも戦い方は練習していた。


 そして、クラスの1年生も大剣を使用していた事もあり、細身の木刀で大剣との対戦は慣れていた。


 しかし、そんな細身の曲剣を使うのは、ジューネスティーンのメンバーだけだった事もあり、上級生達には、その剣の使い方に慣れていなかった事から、この後期武道大会では、ジューネスティーン達5人との対戦には、対応に苦慮していた。


 そんな事もあり、勝ち上がってしまったといえる。




 ジューネスティーン達は、まともに剣で受けるのではなく、受ける場合は、剣を斜めにし、しのぎを削るように受けることで、剣に垂直方向の負荷が掛からない受け方をマスターしていた。


 しかし、他の生徒は、一般的な大剣同士で撃ち合う試合を好んでいた事もあり、そんなしのぎを削って受け流す剣の使い方をした相手と練習した事が無かった。


 そんな事をするのは、ジューネスティーン達6人だけだった事もあり、大会において、ジューネスティーン達6人の対戦相手は苦慮していた。


 そして、その剣技を使う事を知っていたのはクラスの生徒達だけだった事もあり、大会に出場した上級生や、1年生でも他のクラスの生徒達には未知の技法といえた。


 そのため、対応に苦慮した生徒達は、勝つ事ができなかった事もあり、ジューネスティーンも含めたメンバー5人、大会を勝ち進んでしまった。




 そして、大会で使用する防具に関する規定は特に無かった。


 その規定を見たジューネスティーンは、入学前に作成したパワードスーツの前身と言える、改良されたフルメタルアーマーを使って参戦していた。


 前期の武道大会では、高等学校で1年過ごした生徒と体力的にも劣っていたが、それ以上に剣技について技術的な部分で遅れをとったが、後期は、授業を受けて技術的な部分も体力的な部分も大きく伸びていた事もあり、上級生との差が無くなっていた。


 ジューネスティーンは、自身でフルメタルアーマーを改良し、パワードスーツの前身と言えるものを作っていた。


 それは、肘と膝に蝶番を付け、スネと太もも、腕と二の腕を繋いで、肘と膝を強化魔法による力の反作用を抑えていた。


 そして、簡単な人工筋肉を使った事により、瞬間的には生身以上の身体能力を発揮できていた。


 しかし、肘と膝の人工関節だけでは、それ以外の関節をカバーできず、そして、肘と膝も使い続けるうちにズレが生じる事から、長時間の使用は難しかった。


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