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格闘技に必要な筋肉  シュレイノリア 2


 シュレイノリアは怒りに任せて、アンジュリーンの下着に隠された双胸を両手で鷲掴みにした。


 アンジュリーンは顔を赤くして、驚きに声も出なかったが、慌ててシュレイノリアの手首を両方とも掴んで引き離しにかかった。


 下から自分の腕を上に上げて、シュレイノリアの手首を握ると、そのまま上げながら両手を広げるようにして、体を少し離そうと握っている手首持を前に伸ばした。


 シュレイノリアは、二の腕は肩と平行になり、腕は上を向いた状態でアンジュリーンに手首を握られており、なんとか手を振り解こうとしつつ、アンジュリーンを睨んでいた。


 明らかにアンジュリーンの方が腕力が強いので、シュレイノリアの腕は、アンジュリーンの胸から剥がされてしまったが、下着が胸の上にズレてしまいっていた。


 しかし、アンジュリーンは、下着が捲れ上がった事より、自分の双胸を掴まれた事の方が問題だったようだ。


「ちょ、ちょっと、シュレ! 突然、なんて事するのよ!」


 シュレイノリアは、アンジュリーンから腕を外そうと足掻くが、握られた手首を振り払うことはできない。


「お、お前! 今、ちっちゃいって言った。 アンジュの胸だって、私と大した違いは無いのに、見下すように、ちっちゃいって言ったんだ!」


 表情から怒りが収まらないようだが、腕を掴まれてしまい仕方なくシュレイノリアは答えたようだ。


 しかし、アンジュリーンは、何の事か全く分からないといった様子だが、自分に行われた事に対して、怒りは収まってないようだ。


「知らないわよ! なんで、私があんたの胸を、ちっちゃいなんて言わなきゃいけないよ!」


「いや、言った!」


 アンジュリーンも負けておらず、シュレイノリアも意地になって答えていた。


 お互いに睨み合い、シュレイノリアは、握られた腕を振り払って、また、掴み掛かろうとし、アンジュリーンは、そうはさせまいと必死でシュレイノリアの腕を握りしめていた。


 アンジュリーンとシュレイノリアは、お互いに最近大きくなり出したアリアリーシャを羨ましいと話したり、2人で協力してアリアリーシャの胸が大きくなり出した理由を調べようとしていたのだ。


 お互いに貧乳な事は自覚しているので、その事に付いて非難するような事や指摘するような事は無かった。


 しかし、シュレイノリアは、“ ちっちゃい”と言ったと言い張ったのだが、アンジュリーンには、身に覚えのない事だったのだ。


「ちょっと、2人とも、いい加減にしなさいよ!」


 その取っ組み合いを見ていたアリアリーシャが、飛び上がって、2人の頭を小突いた。


 流石に約30センチの身長差があるアリアリーシャにとって、2人の頭を小突くには飛び上がらないと届かなかった。


「2人とも頭を冷やしなさい!」


 2人は、お互いに小突かれた頭に手をやって、しゃがみ込み、痛みが少し落ち着くと、アリアリーシャを見た。


 そこには、下着の上にブラウスだけを着たアリアリーシャが仁王立ちしていた。


「何するのよ、アリーシャ」


「う、う、う」


 アンジュリーンは抗議するが、シュレイノリアは唸るだけだった。


「何で、2人が取っ組み合いの喧嘩をしなければならないのですか!」


 2人を睨みつけ、怒気を含んだ声で言うので、2人は黙ってしまった。


 その様子を見て、アリアリーシャは、ため息を吐いた。


「そう言えば、さっき、“ちっちゃい”とか言っていたわね」


 今度は、落ち着いた声で聞いた。


「アンジュが、私の胸を見て、“ちっちゃい”と、言った」


「あっ!」


 それを聞いてアンジュリーンは、自分が言った事を思い出したようだ。


 そして、シュレイノリアは、アンジュリーンをジロリと見た。


「あ、あれは、胸の事を言った訳じゃ無いの、よ」


 アンジュリーンは、シュレイノリアが、ジューネスティーンが教官を投げた事を、さも自分がやったように言うので、その了見が小さいと思ったので、それが思わず声に出てしまったのだ。


 ただ、それを本当に言っても良いのか、むしろ、胸が小さいと言ったと思われていた方が良いのではないかと思ったようだ。


 自分の本当の気持ちを言ってしまったら、今以上に話がこじれてしまうのではないか、そうなると、パーティー内に亀裂ができてしまうかもしれないと思うと、それ以上、言葉にできないと考えたのだ。


「シュレ、ごめん」


 アンジュリーンは、本当の事を言うより、謝って許しをこう方が良いと考えたようだ。


 しかし、シュレイノリアは、完全に納得できないといった様子でアンジュリーンを見ていた。


 その2人の様子を仁王立ちのアリアリーシャが見比べていた。


「もう、アンジュは、反省して謝ったのだから、シュレも、それ以上追求しないの!」


 それでもシュレイノリアは納得できなそうにしていたので、アリアリーシャは困ったような表情をした。


「シュレ、私達はパーティーなのよ。 学校を卒業しても、このパーティーで協力しながら魔物と戦う事になるわ。 パーティーなら、戦う時もだけど、それ以外の時も一緒に居る事が多いのよ。 血は繋がってないけど家族のようなものなの。 だから、あまり、相手の言いたく無い事を追求せずにいた方が良い事もあるわ。 生まれた時から一緒だった姉妹とは違うのだから、言いたく無さそうな事は聞かないでおくの」


 シュレイノリアは、何となく理解したような表情をするが、まだ、納得できないようだ。


「シュレ、私達は一緒のパーティーになって1年も経ってないのよ。 これから、もっと、親しくならなければならないの。 だから、今は、アンジュが謝った事で納得してあげて」


「……」


 アンジュリーンは、申し訳なさそうにシュレイノリアを見ていたのだが、シュレイノリアは、アリアリーシャの話を聞いていたのでアンジュリーンの様子は見てなかった。


 そして、アリアリーシャが、そんなアンジュリーンに視線を送ったので、シュレイノリアもアンジュリーンを見た。


 そのアンジュリーンの申し訳なさそうな表情を見ると、シュレイノリアの気持ちも落ち着いてきたようだ。


「……。 分かった」


 シュレイノリアも申し訳なさそうに答えた。


 それを聞いてアリアリーシャはホッとした表情をした。


「じゃあ、着替えましょうぅ。 次の授業に遅れてしまうわぁ」


 言われ、着替えに時間を掛けすぎていることに気がつくと、慌てて着替え始めた。


 そして3人は、着替え終わると、慌てて女子更衣室を出て、次の授業に向かっていった。


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