表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

243/1356

格闘技に必要な筋肉  シュレイノリア


 格闘技の授業が終わったシュレイノリアは、ご機嫌良く女子更衣室に入って行った。


 その後を、アリアリーシャとアンジュリーンが付いて、女子更衣室に入って行ったのだが、3人は出遅れていたので、先に着替えていたクラスの女子達は、ほとんど着替えおわり、そろそろ、更衣室を後にするため片付けに入っていた。


 そして、シュレイノリアは自身のロッカーを開けると、格闘技用の道着を脱ぎ始めた。


 アンジュリーンもアリアリーシャは、シュレイノリアの様子は、ジューネスティーンが教官を格闘技で投げ飛ばした事によるのだが、自分のことではないのに、それ程喜ぶのは良くないのではないかと思っていたようだ。


 2人は、時々、シュレイノリアの様子を確認しつつ、困った様子でお互いに視線を合わせるのだが、シュレイノリアに何か言おうとはしなかった。


 そんな中、シュレイノリアは、道着を全部脱ぐと、そのまま、下着まで脱いでからタオルを出して汗を拭き始めると鼻歌を歌い始めた。


 その様子に、隣で着替えていたアンジュリーンは驚いた。


「ちょっと、シュレ。 汗を拭うのは構わないけど、下着まで脱いでしまうのはどうなのよ」


 アンジュリーンは、女子更衣室の中だからといって、丸裸になるのは良くないと思って注意したのだが、シュレイノリアは、一瞬、鼻歌を止めてアンジュリーンを機嫌良さそうな表情で見るが、また直ぐに鼻歌を歌いながら体を拭き始めた。


 丸裸な事を恥ずかしいとも思えない程、ジューネスティーンが教官を投げ飛ばした事が嬉しかったようだが、周囲は、そうは思っていなかったようだ。


 そんな様子を見て、周囲の女子は、片付けを慌て出し、片付け終わった女子は、そそくさと出て行ってしまった。


「もう、アンジュ。 今のシュレに何を言っても効かないわよ」


 アリアリーシャは、下着姿のまま、タオルで汗を拭いつつ、残念そうな表情でアンジュリーンに言った。


 アリアリーシャは、シュレイノリアの様子から、誰が何と言っても聞いてくれないだろうと諦めているようなので、アンジュリーンもアリアリーシャの考えていることが分かってしまい、仕方無さそうに下着姿になり自分の汗を拭い始めた。


「ジュネスが、教官にリベンジできたんですからぁ、シュレは、しばらくこのままよぉ」


 そうは言うのだが、遅れて着替えに入ったといっても、まだ、着替え終わってない女子生徒達は、少し引き気味にシュレイノリアを時々見ていた。


 しかし、マジマジと見るのでは失礼かと思ったのか、チラチラと見ては、隣の女子生徒と内緒話をしていたが、片付け終わると早々に立ち去っていった。


 3人が身体を拭き終わる頃には、他の女子生徒は誰も居なくなると、シュレイノリアは、新しい下着を探りながら出すと、屈んで下着に足を通し上に引き上げた。


 すると、アンジュリーンに向くと足を開いて腰に手を当てると胸を張った。


「どうだ、ジュネスは、ちゃんと仇を取っただろ!」


 下着一枚で、ドヤ顔で言うのだが、アンジュリーンは顔だけをシュレイノリアの方に向けると、正面から、その姿を見て、面白くない表情をした。


(全くもう、仇って、何、言っているのよ。 まるで、あんたのためにジュネスが教官を投げたみたいじゃないの。 あれって、ジュネスが初日に倒された時のリベンジでしょ。 それに、今回は、強くなり始めたジュネスの鼻を折ろうと、教官が仕掛けたら、予想以上にジュネスが成長したから、教官を投げただけなのにぃ)


 そして、ガッカリした。


(なんだか、シュレの考えって、狭いわね)


「ちっちゃ!」


 アンジュリーンは、そうボソリと言うと、自分のロッカーの中から自分の服を取り出して着ようとした。


「おい! ちっちゃいとは、どう言うことだ?」


 その声を聞いて、アンジュリーンは、シュレイノリアの方を向くと、びっくりした様子で、シュレイノリアとは反対側に一歩移動した。


 そして、隣で着替えていたアリアリーシャに身体が当たったので、アリアリーシャはよろけた。


「ちょっと、アンジュ、押さないでよ」


 そう言って、アンジュリーンを見ると、その向こうに居るシュレイノリアの目を見てしまい、ゾッとしてしまった。


 シュレイノリアの視線は、アンジュリーンを見ているのだが、その目は鬼気迫るものがあった。


「ちょ、ちょっと、シュレ。 何か、あったの?」


 シュレイノリアの様子を見て驚いた様子で聞くのだが、シュレイノリアは、聞く耳を持っていないようなので、自分に押し掛かっているアンジュリーンの顔を見上げた。


「ちょっと、アンジュ。 シュレに何したのよ」


 アンジュリーンは、シュレイノリアの表情に恐れをなしていたので、2人の表情を見て、アンジュリーンが何かしたのだろうと思い聞いてしまったのだ。


 隣で2人が何か話したとは思ったようだが、その内容まで、アリアリーシャは気にしていなかったので、なんで、修羅場のような状態になっているのか、全く見当が付かなかった。


 ただ、シュレイノリアは怒りに震え、アンジュリーンは、それに怯えている事だけは分かるのだが、その理由が分からないのだ。


 すると、シュレイノリアは、両手でアンジュリーンの胸を鷲掴みにした。


 アンジュリーンは、青い顔をして固まると、その光景を目の当たりにしたアリアリーシャも驚いて声も出せずに、ただ、見守るだけしかできなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ