格闘技に必要な筋肉 3人娘を呼びに来たレィオーンパード 2
ジューネスティーン達は、入学して一番最初行うパーティーメンバーを決める際、6人とも身体の線が細かったこともあって、どのパーティーからもシュレイノリア以外、声を掛けられる事なく余ってしまっていた。
しかし、シュレイノリアとしたら、一緒に入学してきたジューネスティーンとレィオーンパードが一緒でないとパーティーは組めない事を伝えると、2人の身体の線の細さから、魔法職は欲しいが、おまけは要らない。
むしろ、その身体の線の細さから、足手纏いになりそうだと判断すると諦めてしまっていた。
そして、ジューネスティーン達3人が余っていると、アリアリーシャも1人余っており、そして、エルフ属のアンジュリーンとカミュルイアンも同じように身体の線の細さから敬遠されてしまっていた。
ジューネスティーンが、1人残っていたアリアリーシャに声を掛けるとアンジュリーンがジューネスティーンに絡んだ事から、カミュルイアンを含めて、シュレイノリアとレィオーンパードを含めて6人でパーティーを組む事になった。
しかし、最初の格闘技の授業において、ジューネスティーンは手も足も出ずに負けて延びてしまった事から、自身の身体強化を行うのだが、その際メンバー全員で身体強化を行う事になっていた。
その結果、入学当時ではヒョロヒョロだった6人だが、今では入学当時の面影は残っておらず、冒険者として必要とされる体術に関する授業では、女子の部門ではアリアリーシャとアンジュリーンは、1位2位を争っており、男子を含めても2人の女子は上位に入るほどだった。
そして、ジューネスティーンは、半年程で学年トップとなり、レィオーンパードもカミュルイアンも引っ張られるように上位に入ってきていた。
しかし、そんな中、アンジュリーンは、自分の体型が可愛い女子らしくなくなってしまった事に悩みつつ、シュレイノリアは、魔法に関する事に興味があったので、綱上りも他の5人より回数を減らし、その間に魔法について独自に研究していた。
その為シュレイノリア1人だけ綱上りの回数は少なく、場合によっては、格闘技場に一緒に来るが、その間、綱上りもせず、1人で石板に何かを描いていたりしていた。
その結果、シュレイノリアだけは、アンジュリーンやアリアリーシャとは異なり、入学時の体型から大きな違いは無かった。
入学して、パーティーメンバーを組んだ時から、まとまって行動する事が多かった6人だが、時々、女子だけか男子だけかに分かれて行動することもあった。
そして、カミュルイアンとアンジュリーンは、入学してから一緒には行動するが、6人一緒の時でも、女子は女子、男子は男子と分かれる事が多くなっていたことから、2人は少し距離を置くようになっていた。
今日は、ジューネスティーンがカミュルイアンとレィオーンパードを引き連れて借りている教室に行ってしまっていたので、女子グループと男子グループに分かれてしまっていた。
ジューネスティーンは、弓についてアイデアが閃いたこともあって、ここ数日は、授業が終わった後、カミュルイアン連れて借りている教室に行くと、それに伴うようにレィオーンパードが付いてきていた。
そんな事もあって、ここ数日は、男子3人と女子3人に分かれてしまっていた。
そして、新しい弓が完成した事によって、レィオーンパードが女子達を呼びに来たのだが、シュレイノリアの胸談義に恥ずかしさを露呈していた。
しかし、弓の実験なので、一番必要とされるのは、アンジュリーンであって、残りの2人は、使う事は無いが、メンバーとしてアンジュリーンの攻撃力がどうなるかは見ておいて損は無い。
アンジュリーンは、ジューネスティーンの作った弓に興味を示していたのだが、それはアリアリーシャの解説なのか口車なのか、何とも言えないが、それによってアンジュリーンが、その気になっていたのだ。
「まったくもう、仕方がないわね」
アンジュリーンは、少し緩んだ表情で声に出した。
「弓なら、私が試してあげるわ。 だから、行きましょう」
さっきまでの事は忘れたように言うとアンジュリーンは、スタスタと歩き始め、レィオーンパードの脇を通り過ぎようとした時、チラリと顔を覗くと立ち止まった。
「あんた、何、顔を赤くしているのよ」
アンジュリーンは、少しムッとしたような表情をしてレィオーンパードに言った。
「ジュネスを待たせたら悪いから、さっさと行くわよ」
すると、アンジュリーンは、シュレイノリアとアリアリーシャを見た。
「ほら、あんた達も行くわよ」
そう言うとアンジュリーンは、また、歩き出したので、アリアリーシャはヤレヤレといった表情をしてシュレイノリアを見た。
シュレイノリアは、何だという表情をしてアンジュリーンを目で追っていたが、その手は自分の胸を鷲掴みにしたままだったので、アリアリーシャは困ったような視線をレィオーンパードに向けると、直ぐにシュレイノリアの脇に行った。
すると、シュレイノリアの片手を取って引っ張り出し、レィオーンパードの前で立ち止まった。
「あんたも、恥ずかしそうにするんじゃない。 女子だけの時は、そういう話もするの! そろそろ、慣れなさい!」
アリアリーシャは、少し面白くなさそうにレィオーンパードに言うとアンジュリーンを追いかけて行った。
それをレィオーンパードは、少し不満そうに見ていた。
「なんか、悪い事したのかなぁ?」
レィオーンパードは、納得できないといった表情をしつつ呟いたが、それは、アリアリーシャには聞こえなかったようだ。
そして、渋々、後を追うように歩き出すのだった。




