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格闘技に必要な筋肉  ギルドの高等学校


 ジューネスティーン達のメンバー6人は、昼休みになると格闘技場に行き、綱上りをした後に昼食に行くようになった。


 ギルドの高等学校の生徒は、ジューネスティーン達のように若い人は少ない。


 一般的には、自分で学費等を稼いでから入学する事が一般的である。


 30歳前後が一般的なので、26歳のアリアリーシャは、冒険者としたら若い方から数えた方が早い。


 しかし、アリアリーシャより若いジューネスティーンとシュレイノリアは、特待生としての入学であり、学費も寮費も免除となっている。


 そして、そんな中、特待生になれなかったレィオーンパードの学費は、ジューネスティーンとシュレイノリアが、お互いに高等学校の学費を貯めていた費用をあてたのだ。


 その費用が、2人合わせて1人分にはなっていたので、特待生となったジューネスティーンとシュレイノリアが、弟分であるレィオーンパードの学費を出して、3人で入学していた。


 この3人は、冒険者として入学してきた中では最年少組と言って良い。




 ギルドの高等学校に入学してくる生徒には、大きく分けて3種類の者達がいる。


 学校の目的として冒険者の育成があるので、冒険者として生きていこうとする者達がいる。


 その者達の為の学校なので、冒険者登録し学費を貯めてから入学してくる者達、そんな事から年齢的に高い事が多いので、エルフ属であるアンジュリーンやカミュルイアンは別格だが、ウサギの亜人であるアリアリーシャは、この部類に入る。


 しかし、ジューネスティーン達3人と年齢が変わらない程度の生徒も居る。


 身なりから冒険者とは異なるが、装備は他の冒険者上がりの生徒と変わらない者達と、身なりも装備も良い者達が居る。


 身なりはそこそこだが、装備は一般の生徒と変わらない貴族達、もう一つは身なりも装備も明らかに良いものを持つ貴族達だ。


 それは、自身の家のある領地の魔物対策の為に入学して領地のために働く貴族と、それ以外の目的で入ってくるのだ。


 ギルドでは、王族でも貴族でも対等に扱う事になっているので、入試を受けて入学費を支払れば入学可能である。


 しかし、ギルドにおいては、王族、貴族、一般人を区別する事は無い。


 自身の家の身分を理由に特権を求められたとしても、大陸内の国を跨いで全ての国に支部を置くギルドに楯突く貴族は居なかった。


 場合においては、貴族どころか、国全体に圧力を掛けられる事となり、上級貴族といえど、自国に影響を及ぼしかねない事もあり、貴族において、ギルドと揉め事を起こすようなことはタブーとされていた。




 貴族の生徒達においては、目的が二分されている。


 一つは、貴族の子供達にとっては、自身の領地の魔物対策を本気で考える必要のある貴族達である。


 領民を魔物から守るため、そんな際は貴族が先頭に立って戦う必要に迫られる事もあり、より実践的な訓練を受けられるギルドの高等学校に進学し、真剣に鍛え、そして、ギルド側の魔物に対する知識を得て帰国する。


 下級貴族となれば、領内の収益性も悪く領内に常設軍を設置することも難しい事もあり、危険な魔物の発生時は、その時だけ冒険者を雇う事になる。


 魔物の討伐ともなれば、高額の報酬を支払う事になるので、それならば自分が出向いて討伐するなら、その費用も浮いてくる。


 下級貴族であろうと、貴族としての支出は多く、領地内に簡単に常設軍を設置できないことから、貴族自身が力を付ける事によって、余計な費用の出費を抑える事と、魔物の討伐により得た魔物のコアを販売する事で収入を得ることも可能となる。


 下級貴族にとっては、必要に迫られ子供達をギルドの高等学校へ入学させる事は珍しくない。




 しかし、上級貴族の子供達になると、肩書としての入学だったり、国の士官学校に入学できなかった者、国の大学へ入学できなかった者が、仕方なく肩書欲しさに入学する場合が多い。


 上級貴族ともなれば、家の力で自国の士官学校なり大学なりに入れそうなものだが、兄弟が多い場合等は、偏らせずに分散させる事もある。


 特に、どの国にも影響力を持つギルドとなれば、繋がりを持とうと名目上冒険者になり、そして、卒業後にもらえるギルドランクも肩書としては有効である事からギルドの高等学校に入学してくる。


 一般的な冒険者ならば、ギルドの高等学校に入るために、魔物を倒して学費を稼ぐが、上級貴族であればギルドに加入して直ぐに入学するなんて話もある。


 上級貴族にとって、ギルドの高等学校とは、手っ取り早くランクを上げるための手段に過ぎないと思っている者が多く、ギルドとの繋がりを持つために冒険者となり、各国にあるギルド支部との繋がりを持つための手段としてギルドの高等学校を利用するのだった。




 一般的な冒険者になるための者、領地のために働く事を目的とした貴族、ギルドとの繋がりを持つために肩書を欲しがる貴族の3種類となる。


 そんな中、ジューネスティーンとシュレイノリアの2人が特待生にならなければ、レィオーンパードと3人がギルドの高等学校に入学するのは、もう少し先の事になったはずだ。


 そして、エルフのアンジュリーンとカミュルイアン、そして、ウサギの亜人であるアリアリーシャと出会うことも無かっただろう。


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