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再会 29 〜仲介者 2〜


 アイカペオラは、シュレイノリア達の揉め事の仲介を嫌がっていたのでセルレインは困った様子でアイカペオラと揉めている3人を見ると、相変わらずシュレイノリアは必死にしがみついて、それを引き離そうとするメイリルダが居た。


(まいったなぁ。でも、女子が胸の話で揉めているのに、俺達が仲介に入ったら別の問題になりそうだしなぁ。それに、特にアジュレンはどさくさに自分の耳を触られたくなさそうだからなぁ)


 セルレインは困ったような表情をしてアイカペオラを見ていたが、このままにしておく訳にはいかないと思い口を開いた。


「男の俺達の誰かが仲介に入って、なんと言えばいいんだ?」


 セルレインの言葉を聞いてアイカペオラは反論ができないと言うように引き攣った表情になった。


「そうさ、場合によっては、あの間に入らないといけなくなったら、事故だとしても触ってしまうかもしれないし、場合によっては揉んでしまう事だってあるかもしれないぞ」


 セルレインが困ったように言うと、アジュレンは絶対に仲介に入りたく無いといった様子で可能性の有りそうな事を言った。


 男子達からしたら、事故でも女子の身体に触れないように気をつけるので、女子同士が揉み合いになった状況では、男子が触れてはいけない部分に手が触れてしまう可能性が高くなるので割って入ろうとは思ってない。


 その男子の意見を聞いてアイカペオラも納得できたのか困ったような表情をした。


「そんな時は、不可抗力だったとしても俺達が悪くなる」


 2人に同意するように、珍しくストレイライザーが自身の意見を言うと、セルレインもアジュレンも、その通りだと頷いた。


 それを聞いて、アイカペオラは仕方が無いという表情をした。


「分かったわ」


 一言言うとため息を吐いた。


 アイカペオラは、仕方なさそうな表情をすると、シュレイノリア達の方に歩き出した。


(全くもう、胸の話なんて嫌なのにぃ)


 アイカペオラは、自身の胸を見た。


(私、メイノーマよりも小さいのよ)


 そして、ウィルザイアにしがみついているシュレイノリアと、それを引き剥がそうとしているメイリルダを見た。


(私だって、シュレちゃんと大差は無いから、胸の話は触れたく無い話題なのにぃ)


 嫌そうな表情のアイカペオラをセルレイン達はすがるように見ていたので、それを見てしまうと仕方なさそうな表情をした。


(でも、この話でセルレイン達に仲介を頼む訳にもいかないのも事実よね)


 セルレイン達の脇を通る時に男子達の顔を確認すると、3人は少しホッとしたような表情をしていたのを、アイカペオラは恨めしそうに見た。


(あそこに行って、何て言えばいいのかしら?)


 また、揉めているシュレイノリア達の方を見ると困った様子になり、少しでも話に深入りしたく無いと言うように歩みが遅くなった。


 ウィルザイアの胸にしがみついたシュレイノリアはメイリルダに引っ張られているのを恨めしそうに見た。


「あ、あのー、メイリルダさん。相手は子供ですから、そんなに力一杯引き離さなくてもよろしいのではないでしょうか?」


 小さな声で言うので、メイリルダには聞こえていなかった。


(でも、何でシュレちゃんの胸を揉むようにして引っ張っているのかしら? それより解決の糸口を見つけなきゃ)


 アイカペオラは、ため息を吐くと気を取り直すようにウィルザイアを見た。


 ウィルザイアの胸にはシュレイノリアの顔が向こう側を向いて挟まって腕を回して胸から離れまいとしており、メイリルダはシュレイノリアの胸を持って引き離そうとしていた。


 そしてウィルザイアは、シュレイノリアを軽く抱えるようにしたまま、顔を向こう側にそらして頬を染めていた。


「あのー、姉さん」


 困った様子で声を掛けた。


(ここで一番の被害者は姉さんのはずなんだけど、嫌がる様子が見えないから、これは、メイリルダとシュレちゃんの問題なの? でも、何だか様子が可笑しい気がするわ)


 アイカペオラは、何か引っ掛かるような表情をした。


「姉さん?」


「はぁー」


 ウィルザイアは呼びかけに反応すると息を吐いた時に声が漏れた。


(あら、姉さんの様子が変ね)


 メイリルダがシュレイノリアを引っ張るが、シュレイノリアはウィルザイアの胸に顔を埋めて離れようとせず、シュレイノリアの手はウィルザイアの脇から手を入れて肩を保つようにしており、メイリルダが引っ張る度にシュレイノリアの肩が動いていたので、それに合わせるようにウィルザイアの双丘が大きく動いていた。


(シュレちゃん。いいな。私に、姉さんの半分の大きさでも有ればなぁ)


 アイカペオラは、何かを振り払うように首を振った。


(姉さんの胸じゃなくて、この状態を止めないと)


 すると、メイリルダの横に移動した。


「あのー、メイリルダ。そんなに引っ張るんじゃなくて、シュレちゃんを宥めて納得させた方がよろしいのではないでしょうか」


 メイリルダは聞こえたようだが、表情を変えただけでシュレイノリアを引っ張っていた。


 アイカペオラは、ウイルザイアに後ろを向けるようにしてメイリルダの耳に近づいた。


「そんな引っ張り方だと、ウィルザイア姉さんが感じてしまうみたいです」


 少し離れているセルレイン達には聞かれない程度の声で伝えると、メイリルダはシュレイノリアだけを見ていた視線をウィルザイアに向けた。


 ウィルザイアは嫌がるような表情ではなく、艶っぽい表情をしていたので嫌がっていない事を理解すると、もう一度シュレイノリアを見た。


 体を密着させて両腕をウィルザイアの脇から背中に回して肩を持っていたので、シュレイノリアの顔はウィルザイアの大きな胸の間に有り両肩で持ち上げるようにしていた。


 それが、メイリルダに引き離されまいと力が入り両肩がウイルザイアの胸に押し付けるようにしていたのだが、その為にメイリルダが力を入れるたびにシュレイノリアの肩が押し付けられたり擦れたりしたので敏感な反応をしていた。


 メイリルダは少し気まずい表情をして、シュレイノリアから手を離した。


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