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再会 23 〜アジュレンの交渉〜


 アジュレンは、シュレイノリアの魔法紋の話を聞き話をした事で、自分達に大きな利益を与えてくれそうだと思え提案をすると、アイカペオラもストレイライザーも話に乗ってきた。


 ストレイライザーは、今まで金額が高くて手に入れられなかった魔法紋を入れられる可能性を思い出し、同様にアイカペオラも自身の武器に効果を得られたら目的に近づけると思えていた。


 2人の様子を見ていたアジュレンは、思い通りに進んでいる事に満足そうにしていた。


 しかし、セルレインだけは不安そうな表情をしていた。


「あ、いや、それは、下手に頼んだら、俺達がギルドから目をつけられないか?」


 セルレインは、心配そうに言ったが、3人はセルレインを睨みつけるようにみた。


「何言っているんだ! これはチャンスなんだ」


「そうよ! 私達は、ギルドから依頼を受けて、あの2人と一緒にいるのよ」


「そうだ! 俺達が、あいつらに冒険者の基本を教えるのだから、教える前に一通り、あいつらの能力を知る必要がある。そのついでに魔法紋を俺たちの武器に付与してもらうだけだ。俺の大剣なんて、お前達以上に値がはるんだ。場合によっては借金しなければ買えないんだぞ」


 セルレインは、3人の言い分も分かるので、困ったような表情をした。


 セルレインとしても自分の武器の耐久性が上がって買い換えが先延ばしにできるのは有り難い事だが、リーダーであるセルレインとしたら、リスクにつながる可能性が心配だった。


 魔法に関する内容について話は聞いているので、戦略や戦術を考える上で威力についても様々な面から検討を加える必要はあるが、魔法紋を自分達の武器に刻む行為というのは別物ではないかと思っているように不安そうな表情をしていた。


 通常の武器に魔法紋を刻んでもらうことを依頼した場合、最低でも武器の購入金額の10倍は請求されるのに、出来るからと言って簡単に頼んでも構わないのかと思っていた。


 動く金額が大きいので、シュレイノリアに魔法紋を付与してもらった事がギルドに知れてしまったら、ギルドはどう考えるか気になってセルレインは気掛かりで不安そうな表情をしていた。


 セルレインの表情を見ていたアジュレンがため息を吐いた。


「リーダーだろ、セルレイン! 肝を据えろよ。これは、チャンスなんだ」


 それだけ言うとヤレヤレといった様子でメイリルダ達の方にスタスタと歩いて行った。


「なあ、メイリルダ。この魔法紋についてなんだが、これは、もっと研究の必要があるんじゃないかと思うんだ」


 メイリルダは、後ろに隠れるようにしているシュレイノリアと、自分の前に蹲み込んでいるウィルザイアが気になっているなかでアジュレンに声をかけられた事により2人の様子を困ったようにしていたが、掛けられた言葉が気になりアジュレンの話を聞いた。


 その様子を見たアジュレンは優位に話が進められると思ったように落ち着いた表情で話を進めた。


「魔法紋については、まだ、データを取る必要があるだろう。成功率もだが、付与できる内容についても出来る武器についてもだ。それに、見たところ防具に付与は、これからなんじゃないか?」


 メイリルダは、その通りだと思ったようだ。


「それに、魔法紋を付与した剣は、あの子の剣で、うちのストレイライザーが試し斬りした剣は魔法紋の付与がされてなかったんじゃないか?」


 アジュレンは、メイリルダの様子が言われるがまま納得するような表情をしているのでチャンスだと思ったようだ。


「メイリルダも、一度報告をして、それは、この少年の武器だけにしか付与できなかったとか、新品に限るとか後から出来ない条件が出てきてしまったら報告の信ぴょう性が疑われてしまうんじゃないか?」


 メイリルダは、その話の通りではないかと思うような表情をしたのを見てアジュレンの表情が少しニヤけた。


「だったら、ここは魔法紋についても、もう少し研究をしてから詳しい報告をした方が、お前さんも詳しい報告ができるはずだと思うんだ」


 アジュレンが、もっともらしい事を言うので、メイリルダも、その通りだと思ったようなので、アジュレンは、しめたと思ったようだ。


「この魔法紋については、俺達が研究に協力して使った事もある武器とかにも魔法紋を付与できるか確認するとか、魔法紋の有効期間とか、使い込んだ武器でも防具でも魔法紋を付与できるようにとか、色々、研究が終わった後の結果を報告した方がギルドとしても助かると思うぞ」


 メイリルダは、アジュレンの言葉に納得したように頷いた。


「そうね。不確かな報告をするより、詳しい内容を確認してもらった後の方が、より詳しい報告ができるのか」


(しめた! メイリルダが乗ってきた。これで、俺達の武器に魔法紋が刻める。それに防具に防御魔法を付与してもらうとか、今まで高額で手が出なかった武器や防具を手に入れられる!)


 アジュレンは、思った方向に話が進んだ事に満足すると、しゃがみ込んでメイリルダの腰に張り付いているウィルザイアの肩に手を置いた。


 ウィルザイアは、肩に置かれた手の先に居るアジュレンを見ると、アジュレンはニヤリとした。


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