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アリアリーシャとアンジュリーン 女の事情


 ジューネスティーンとレィオーンパードが、魔物のコアについて話し終わると、アリアリーシャが、面白くなさそうな表情で、ジューネスティーンに話しかけてきた。


「ジュネス。 それより情報ですぅ。 あんないい加減な情報じゃあ、全く使えません」


 アリアリーシャは、前情報では、5メートル程度と聞いていたのだが、実際には、10メートルも有ったので、その事を指摘したのだ。


「ああ、そうだったな。 これで、ルイネレーヌさんの情報の価値が良くわかっただろう」


「うーっ、ここで、あの女の話ですかぁ」


 アリアリーシャは、嫌そうな顔をする。


「確かに、あの女の情報は確かでした。 それは認めます。 だけど、あの女は好きにはなれません」


「そうだよね。 ルイネレーヌさんは、モテモテだものね。 誰かと違ってお姫様扱いだからねぇ」


 レィオーンパードが、余計な口を挟んだ。


 そのレィオーンパードをアリアリーシャと、アンジュリーンが睨みつけるのだが、レィオーンパードは、そんな事は気にせずに話を続ける。


「あの人は、一夫多妻? ああ、多夫一妻だもんね。 あれが逆ハーレムって言うのか」


「レオーン。 それは私に魅力が無いって言いたいのか?」


 身長130センチのアリアリーシャは、恨めしそうな目で、身長165センチのレィオーンパードを見上げている。




 ただ、アリアリーシャについては、白くて、多い、綺麗な髪の毛で、ふさふさと覆われており、多すぎる髪の毛を、纏めて三つ編みにするのだが、それでも、首より太くなってしまっている。


 綺麗な髪の毛もだが、赤いとても魅力的な瞳を持っており、整った顔立ちは、美人の部類に入るはずなのだが、浮いた話は今まで聞いた事がないのだ。


 そして、身長130センチを除けば、Hカップの胸に、大きくくびれたウエストと、そのウエストを強調するように、綺麗に丸まった腰回りなのだ。


 身長130センチでありながら、スリーサイズは、一般人以上の差が有るので、余計にグラマラスに見える。


 美人でスタイルも良いのなら、1人や2人のパートナーを持っていてもおかしくは無いと、周りから見ればそう思える。


 そろそろ、30歳になりそうな年頃なので、パートナーの1人でも、欲しいと思っているのだが、なかなか、機会が無いようだ。




 そのアリアリーシャからすれば、多夫一妻のルイネレーヌは、羨ましい話なのかもしれない。


 そんなアリアリーシャに睨まれたレィオーンパードは、慌てて、カミュルイアンの後ろに隠れる。


 ただ、アリアリーシャには、それが嫌味に思えたようだ。


「何ですか、レオン。 それは、2人の嫁を持つカミューに助けを求めたのですか? これから先、どれだけ嫁を増やすかわからないカミューに、匿ってもらおうと考えたのですか? 1人もパートナーの居ない私に対する嫌味ですか?」


 そう言って凄みを効かせている。


 そのアリアリーシャとレィオーンパードの、間に入ってしまったカミュルイアンは、迷惑そうな顔をしているのだが、性格的に何も答えられずに、ただ黙っている。


「アリーシャ。 その話は、辞めておこう。 私も、その話は、ちょっとキツイわ」


 パートナーの話になると、珍しいエルフの男性であるカミュルイアンは、黙っていても、女性のエルフが寄ってくるのだが、アンジュリーンは、エルフの女性であり、エルフのパートナーを見つけにくいのだ。


 亜人であるアリアリーシャより、エルフである、アンジュリーンは、それ以上に、男性エルフと出会える可能性が低いのだ。


 また、一緒にいるカミュルイアンは、髪型を同じにしたら見分けが付かないほどに良く似ていることから、2人は、兄妹か、姉弟だろうと自他共に認めている。


 このように、アンジュリーンとカミュルイアンだが、転移した時に、一緒に転移してきた事と、顔立ちが2人とも似ていることから、エルフには珍しい二卵性双生児だと思われているのだ。




 また、エルフは、男性の出生率が低く、10人に1人とも、100人に1人しか、男性が生まれないと言われている。


 その為、女性エルフは、パートナーを見つける事が難しいので、エルフの里で男性が生まれた場合は、村をあげて、その男性エルフを守ることになる。


 アンジュリーンのような、冒険者のエルフには、パートナーとなる男性エルフに出会うことはほとんど無い。


 また、エルフの偏った出生率の結果、エルフは、長命になったのではないかとも言われている。


 アンジュリーンにおいては、パートナーの男性エルフに出会える可能性は、今後ゼロに近いのだが、ウサギの亜人では、人属と同じで男女の出生率は、ほぼ5割なので、アリアリーシャなら、今まで、運が無かっただけで、今後は、パートナーに出会える可能性は高いのだ。


 アンジュリーンは、そんな事から、アリアリーシャのパートナーの話をされるのは、面白く無いのだ。




 それを考えると、アリアリーシャは、悪い事を言ったと感じたのだろう。


 耳が、後ろに下がって、申し訳なさそうな顔をする。


「ごめん。 アンジュ。 もう言わないようにする」


 アリアリーシャが、本当に申し訳なさそうな顔をするので、流石にまずいと思ったのだろう。


「ああ、あまり気にしないで。 私は、諦めているから。 ハハハ」


 アンジュリーンは、アリアリーシャに笑顔で答えるのだが、その笑顔は、少し引き攣ったように見受けられる。


 金髪碧眼で、整った顔立ちのアンジュリーンは、誰もが認めるほどの美少女なのだが、その顔が、今の話とその少し引き攣った笑顔を見ると、周りの男達は絶対に守ってあげたいと感じるのだろう。


 ただし、それは、今ここに居る3人には、無い感情なのだ。


 まず、カミュルイアンなのだが、顔立ちが、アンジュリーンともよく似ている事と、転移してきたときに、2人一緒だったこともあり、エルフ属には珍しい二卵性双生児だと思われている。


 それに、他のメンバーからは、アンジュリーンは、男勝りの性格と、思い付いたことを直ぐに口に出してしまう為、メンバーの残りの2人からは、女性として、中々受け入れられてないのだ。


 周りからは、体だけ女性の男友達のような感じで受け入れられているのだ。




 そんな話になると、長くなりそうなので、ジューネスティーンは、話を元に戻す。


「まあ、情報が間違っていたのは、困るからな。 ちゃんと、違っていた事を伝えておこう。 もう直ぐ、情報元も来るだろうから、その時にでもクレームを言っておこう」


 そう言われて、アンジュリーンもアリアリーシャも納得するような顔をする。


 お互いに、パートナーの話を、ここに居る3人の男子に話ても、不毛な会話になる事を思い出したようだ。


 すると、ジューネスティーンは、空を見上げる。


「ほら、情報元がこっちに向かってきたようだ」


 そう言うと、西の空を全員が見る。


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