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魔法訓練 〜フィルルカーシャとアリアリーシャ〜


 アリアリーシャは、同じウサギの亜人のフィルルカーシャについた。


 フィルルカーシャは、ツカラ平原の魔法訓練の際に、シュレイノリアの指導で、とんでもない魔法を使っていた。


 それは、水を一旦、電気分解して、発生した酸素と水素をそのまま結界の中に維持したまま、それを一気に圧縮して、水素の発火点まで、発熱させて爆発させたのだ。


 フィルルカーシャは、その原理について、何も聞かず、ただ、シュレイノリアに言われた通りに魔法を使ったら、大きな爆発を引き起こしたのだ。


 お互い同じ系列の亜人であって、性別も一緒とあって、ペアになったのだろうが、アリアリーシャとしたら、その時の魔法について聞きたいと思っていたようだが、フィルルカーシャとしたら、何で、あんな大きな爆発につながったのか、気になっていたので、できれば、ジューネスティーンとペアになりたかったようだ。


 フィルルカーシャは、時々、ジューネスティーンを、チラチラと見ていた。


「あのー、フィルルカーシャさん。 ジュネスが、気になるんですか? 」


 アリアリーシャの指摘に、フィルルカーシャは、ビックリする。


 そして、顔を赤くした。


「あ、え、いえ、あの、違うんです。」


 フィルルカーシャは、何か、言い訳をしているようだ。


「こ、この前の、シュレさんに教えてもらった、魔法を、ジュネスさんに、か、解説して、もらえないかと、思って、・・・。」


 フィルルカーシャは、アリアリーシャに、ジュネスが気になると聞かれて、好意を持っているのかと聞かれたように思ったようだ。


 それを、慌てて、フィルルカーシャは、否定したのだ。


 フィルルカーシャの話を聞いて、少しがっかりしたような表情をした。


 29歳のアリアリーシャと、26歳のフィルルカーシャなので、年齢的にも近い事もあり、話も合い、そして、考えていることも、何となく、お互いに理解できるようなのだ。


 だが、ちょっと、浮いた話をしたかった様子の、アリアリーシャだったのだが、魔法の話だったことで、少しガッカリしたのだ。


「ああ、あの魔法についてよね。 私で良ければ、教えられるわよ。」


 アリアリーシャの、珍しく、語尾の伸びない話し方をしているが、フィルルカーシャは、その事を気にすることもなく、少し、以外そうな表情で、アリアリーシャを見た。


「わ、私だって、少しくらいなら、科学の原理を、説明できるわ。」


「だったら、教えてください。」


 アリアリーシャは、少し納得できないような表情で、フィルルカーシャを見るが、説明を始めた。




 水を分解すると、水素と酸素に分解すると、その水素が、燃える気体であること、燃える時に、また、水素は酸素と結合して、水に戻ること、そして、水素の燃える勢いが、とてつもなく激しいので、爆発してしまう。


 また、水を分解するには、電気を流すと、電極に、酸素と水素が、それぞれの電極に集まる。


 しかし、水は、純水だと電気を通さないので、電気を通すために、地中にある、塩を水に混ぜて、電解液を作ったのだ。


 ただ、通常なら、酸素と水素を、それぞれを分離するのだろうが、すぐに、爆発させるので、分ける事もなく、そのまま、結界の中に溜め込むようにしていた。


 そして、一気に小さくするというのは、気体を一気に圧縮することで、発熱させた。


 水素には発火点という、発熱によって自己発火する発火点があるので、その発火点に温度を上げるために圧縮した。




 その事を、アリアリーシャは、フィルルカーシャに説明した。


 それを、聞いて、フィルルカーシャは、何となく、分かったような、よく分からないような表情をした。


「ねえ、“すいそ“というものは、あの時、見ることができなかったのよ。」


「ああ、酸素も水素も、無色無臭だから、見てもわからないわよ。」


 アリアリーシャが、当たり前の事のように答えた。


 フィルルカーシャは、少し、残念そうな様子で、アリアリーシャの説明を聞いていた。


 その残念そうな表情を、アリアリーシャは、見逃さなかった。


(やっぱり、私じゃなくて、ジュネスとペアになりたかった? ・・・。 ああ、レオンでも、カミューでも構わなかったみたいね。)


 時々、フィルルカーシャは、男子の方に視線を送っていた。


(そうよね。 私もだけど、やっぱり、パートナーが欲しいみたいね。)


 アリアリーシャは、フィルルカーシャも、自分と一緒だと思ったようだ。


 お互いに、男子と仲良くなりたいと思っているのだと、アリアリーシャは思ったようだ。


 ただ、2人と同じウサギ系の亜人ではなく、別種族しかいないが、フィルルカーシャは、全員が女子のパーティーなので、ジューネスティーン達のパーティーと一緒に行動することが、ちょっと、刺激的で、楽しくもあるのだ。


(あー、やっぱり、男子がいると、少し、刺激的よね。 何気ない話でも、みんな、ちょっと、気を遣って話しているし、男子には見せられない格好もできないわ。 それは、きっと、皆んな一緒のようね。)


 フィルルカーシャは、少し楽しそうな表情をしていた。


 ただ、そのフィルルカーシャの様子が、アリアリーシャも気にはしているようだが、その真意までは覗けずにいるようだ。


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