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帰路 〜ゲートへ向かう街道〜


 ツカディアの宿を出た後は、ツカラ平原ではなく、ツカラシアの街を目指すのだが、今回は魔法の訓練の必要もないので、最短距離となる街道を選んだ。


 往路では、ツカラ平原を目指した為、ツカラシアから、南に大きく迂回して、ツカラ平原に向かってからツカディアに向かったが、今回はツカラ平原に向かう必要が無いので、別ルートを通ることになった。


 ツカラシアとツカディアの間には、ゲートと呼ばれる自然に作られた、南北に聳え立つ硬い岩盤の岩が聳り立つ場所がある。


 数万年単位の自然現象によって、風化してしまったようなのだが、硬い岩盤だけが、その自然現象にも耐えて残った。


 ツカラシアとツカディアを結ぶ街道の途中に位置する。


 特に、この辺りは、大陸の内陸部ということもあり、大きな木々が育つ事はなく、時々、背の低いブッシュのような木が、所々に、生い茂っている程度なのだ。


 そのゲートと呼ばれる場所以外は、切り立った崖になっているので、そこを登って通過するのではなく、平になったそのゲートを通るため、ツカディアからは、北に大きく迂回するように街道が切り立った崖の脇を通過するように作られている。


 崖の高さは、100mを越しその脇を通過する街道からその崖を見ると、上から崖が迫ってくるように見えていた。




 このツカラシアとツカディアを結ぶ街道は2つあり、南に大きく迂回してツカラ平原の脇を抜けるか、少し、北に迂回して、この切り立った崖が切れて、当時を通れる道がある。


 そこは、左右を切り立った崖になっており、ゲートと呼ばれていた。


 そのゲートを抜ける街道を通ることになる。


 当然、このゲートと呼ばれる部分を通る街道を通過した方が、ツカディアからツカラシアに向かうなら、こちらの街道の方が遥かに早く移動できる。




 ツカディアの宿で5日間も観光のため、周辺を引っ張り回されたので、ジューネスティーンは、ガイドから周辺の情報を聞いていた。


 昔は、このゲートと呼ばれる付近は、昔は盗賊の住処になっていて、辺境伯領から帝都に向かう隊商を襲っていたこともあったのだが、駐留軍と帝都の軍の共同作戦で一掃されたが、ただ、盗賊が住んでいた洞窟やら、物見台といった自然を利用して作られた施設は、そのまま残されているとの事だった。


(途中に、そんな所があるのか。 襲われたらひとたまりもないな。 そんな場所なら盗賊にはもってこいの場所だったのかもしれないな。)


 ガイドからの説明で帰りのルートを検討していたジューネスティーンは、そんな事を思っていたのだった。




 街道というものは、真っ直ぐに作るより、高低差を無くすようにして、作られる事が多い。


 特に、大量の荷物を運ぶのであれば、馬や地竜に引っ張らせる荷馬車の移動となると、上り下りが少ない方がありがたい。


 そのため、可能な限り、平坦な街道とするため、直線で結ぶと丘陵のような場所は、その丘陵の角度によっては、その丘陵を迂回するように街道を作る事がある。


 可能な限り馬や地竜への負担を減らすために配慮されている事が多い。




 ゲートに向かう街道は、一旦、崖に向かって連なっているが、崖まで行くと、ゲートに向かって崖沿いを北上するように作られていた。


 時々、崖が飛び出している場所もあり、地面の高低差の関係からか、時々、崖から離れたりいしつつ、ゲートに向かう街道となっていた。


(なるほど、これだと、崖の上から街道が見通せる場所もあるから、盗賊にとっては、都合がよかったのか。)


 馬車から外を眺めつつ、ジューネスティーンは、ガイドから聞いていた昔の盗賊の様子を考えていた。


(確かに、城壁と同じような感覚なのか。 この崖の上からなら街道を達馬車がよく見える。 狙いを付けた馬車が通過するのを確認しつつ、ゲートのあたりで攻撃を仕掛ければ、荷馬車を引き連れた隊商を狙うのは、簡単だったのかもしれないな。)


 ジューネスティーンは、歴史を感じつつ、街道沿いの崖を眺めていた。



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