戦闘終結 1
ツカ少佐と、剣の話が終わると、ユーリカリア達が高台に戻ってきた。
その中には、魔物の渦の爆破をしていたアンジュリーン達も居る。
アンジュリーン達は、全員パワードスーツから降りて、インナースーツの格好をしていたので、パワードスーツは、シュレイノリアの収納魔法の中にしまっていた。
「ジュネス。 コアの回収は、終わったぞ。 あんな量のコアの回収なんて初めてだ。 これからは、ツノネズミリスの依頼は受けたくないな。」
ユーリカリアが、愚痴っていた。
「今回の数は、異常だった。 次は、これ程多いなんて事は無いだろうよ。 でも、これから、うちの領地でツノネズミリスが発生したら、ユーリカリアさん達へ指名依頼をさせてもらうよ。」
ツカ少佐が、半分冗談混じりで、ユーリカリアに言うと、ユーリカリアが、少し嫌そうな顔をする。
「次がない事を祈るよ。」
「それもそうだな。」
ユーリカリアと、ツカ少佐が、そんな話をしていると、これから後の事を、フェイルカミラがジューネスティーンに尋ねてきた。
「コアの配分は、いかが致しましょう。」
「ああ、ここの手前のコアは、そっちで決めてください。 ほとんど、あなた方の魔法で片付けたんですから、そちらで分配して貰えば良いと思います。」
「そう言う事なら、半分は、ジュネス達の取り分だ。 落とし穴の爆弾は、シュレが作ったんだ。 あれのおかげで、かなり数を減らせたんだ。 それで、決着でいいな。」
ユーリカリアが、割り込んできた。
「それに、今、ジュネスが分配方法は、うちらに預けてくれたんだ。 それで決着でいいだろう。」
ジューネスティーンは、そんなつもりで言ったわけでは無かったのだが、ユーリカリアは、それを逆手にとって、どちらも困らないような方法を提案してくれた。
「なら、それで、後で、ギルド出張所で引き取ってもらえるか確認しましょう。」
「そうだな。 数が多いから金額的に、案外、帝都のギルド支部で換金してくれ、なんて言われそうだな。」
「じゃあ、ここは、これで引き払うことにしますか。」
「ああ、ジュネス君。 そのギルドの方の用事が済んだら、祝勝会をやらないか。 駐留軍の連中も労いたいので、一緒にどうだろうか? 」
ジューネスティーンは、どうしようかと悩んだ表情を見せる。
「場所は、軍施設になる。 それに、君達が魔物を倒してくれたんだ、うちの兵士達は、ほとんどが、この土地の者だから、討伐のお陰で、彼らの家族も救われた人も多い。 せめて、それ位はさせてもらえないだろうか? 」
ジューネスティーンは、ユーリカリアを見る。
すると、ジューネスティーンは、何かを思いついたような様子で答えた。
「この依頼については、自分達パーティーは、サブで引き受けています。 そう言ったお話は、メインパーティーのユーリカリアさんと行うのが筋だと思います。」
「あ、ああ、そうだったか。」
そう言うと、ツカ少佐は、ユーリカリアに向くと改まって声をかける。
「ユーリカリアさん。 今回のツノネズミリスの討伐をしていただき、ありがとう。 あなた方のお陰で大きな被害も無く、終息させてもらったこと、心から感謝する。 ついては、この祝勝会を催したいので、主役である諸君達を、我々に労わせてくれないだろうか。」
ツカ少佐の言葉にユーリカリアは、面倒臭そうな顔をすると、恨めしそうにジューネスティーンを見る。
「あー、ユーリかリアさん。 ここの土地の酒もいい物がありますけど、いかがですか。」
酒と言われて、ユーリカリアが困った顔をする。
だが、土地の酒と聞いて、ユーリカリアは、その酒を飲みたいと思ったのだろう、すぐに、ため息をつく。
「ああ、わかった。 出席させてもらうよ。」
「なら、準備が整ったら、迎えを向かわせる。」
「ああ、すまないが、今日は、やめてくれませんか。」
横から、フェイルカミラが声をかけてきた。
「流石に、今日は、疲れました。 今日はゆっくりさせてください。」
「私も、今日は、パス。」
フィルルカーシャもフェイルカミラの話に乗ってきた。
「流石に、あれだけの魔法を魔物目がけて放ったのは、今日が初めてですし、それに、魔法を使い始めて10日も経ってないので、少し頭を休ませたいわ。」
「私も、今日はゆっくりしたいわ。」
シェルリーンも、疲れた様子を示すと、ヴィラレットも同感だと、シェルリーンの話に乗ってきた。
「ああ、そうでしたね。 あれだけの魔法を連発したのですから、3日後の夜にでも招待します。 落ち着いた後の方が、良いでしょう。 こちらも準備に時間をかけられます。」
「じゃあ、そういうことで。」
ユーリカリアが、話をまとめて終わった。
コアの回収も終わったので、宿に戻って休む事にする。
「ツカ少佐、自分達は、これで、宿に戻ります。」
ジューネスティーンは、ツカ少佐に断りを入れる。
「ああ、ジュネス君。 残った落とし穴の爆弾なのだが、こっちで回収しておいても構わないか? 流石に爆発の可能性のある物をあのままってわけにもいかないのでな。」
ジューネスティーンは、忘れていたと、慌てて、シュレイノリアに顔を向ける。
「別に問題はない。 中を調べられても、単純な構造だ。 気にするな。」
ジューネスティーンは、シュレイノリアに言われると、ツカ少佐を見る。
「よろしくお願いします。」
「ああ、それと、ジュネス君。 今日の宿は、どうするんだ? ケイツエンの宿に泊まるのか? 」
「今日は、ツカディヲの街に戻ろうと思ってます。 ギルドへの報告もありますし、時間的にも今から移動しても問題なく付けますから、ツカディヲですね。」
「そうか。 分かった。」
そこまで話をすると、ジューネスティーン達は、高台から降りて、馬車で移動を開始する。




