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攻撃陣地 〜囮役のジャンプ台と落とし穴〜


 ジューネスティーンは、シュレイノリアが提案した、ホバーボードで飛び越えて、塀に登る方法について考えていた。


 その方法を行った時に問題になることを模索していた。


「シュレ、それだと、着地はどうなる? 着地用の滑走路が必要にならないか? それと、ジャンプするにしてもある程度の速度が必要になると思うが、まあ、囮で走っているなら、そのスピードを利用してジャンプすればいいわけか。」


 そう言うと、レィオーンパードが不安そうに声をかけてきた。


「ねえ、それって、囮役が、そのジャンプ台を使って飛び越えるわけだよね。」


「そうですぅ。 私は、地面を走る事はあってもぉ、飛び越えた事なんて無いですぅ。」


 レィオーンパードにつられてアリアリーシャも不安を伝えてきた。


「ああ、そうだったな。」


 ジューネスティーンは、そんな2人の話を聞いて、その通りだと思うのだが、それをシュレイノリアが遮った。


「ホバーボードは、重力魔法を使って斥力を持たせている。 重力を遮断しているから風魔法だけでも移動が可能なのだ。 飛ばそうと思えば、高さは、自由に設定できる。 足の下に地面があるか無いかの違いだけだ。」


「なら、慣れて貰えば、ジャンプ台から飛んでも問題無いって事なのか。」


 ジューネスティーンが、シュレイノリアの意見を聞いて、実際に、どうなるのかを考えて答えた。


 しかし、当のアリアリーシャとレィオーンパードは、微妙な表情をしている。


「落ちないと思えば、ジャンプ台の高度を保ったまま、滑空できる。 それに上に上げようと思えば、もっと高い位置で滑空できる。」


 それを聞いていた、フィルルカーシャが、質問してきた。


「するとなんですか、あのホバーボードは、落とし穴が有ったとしても、その上を落ちる事なくそのまま向こう側まで超えてしまうって事なのでしょうか? 」


「そういう事だ。」


 それを聞いて、カミュルイアンが、提案をしてくる。


「だったら、塀だけを作るんじゃなくて、堀も用意した方が都合がいいんじゃないのかな。 追いかけられる側としたら、少しでも途中で数を減らすことができれば、精神的にも楽だろうし、その落とし穴の中に閉じ込めてしまえば、穴に落ちたツノネズミリスは放置しておいて、地上のツノネズミリスを倒した後、穴の周りから魔法で仕留めれば、簡単に倒すことができる。 6万匹の魔物を一度に倒そうと思わないで、何回かに分けて倒した方が、こっちの魔法の負担も減ると思うんだ。」


 カミュルイアンの話を聞いて、ジューネスティーンも納得するような雰囲気を出す。


「ああ、そうだな。 落とし穴か。 考えてなかったな。 それも使うことにしてみるか。」


 カミュルイアンが、フィルルカーシャの落とし穴と聞いた事で、新たな戦略が生まれた。


 カミュルイアンは、フィルルカーシャに感謝するようなジェスチャーを送ると、それを見ていたシェルリーンが面白くなさそうにフィルルカーシャを見る。


「なっ、何よ。」


 そのシェルリーンの視線にフィルルカーシャが、声をかける。


「いえ、なんでもありません。 ちょっと、羨ましかっただけです。」


「ああ、ごめんね。」


 カミュルイアンがフィルルカーシャの意見に反応した事が、シェルリーンには、羨ましく思ったのだ。


 そんな、シェルリーンの子供のような反応を見て、フィルルカーシャは、軽く謝る表情をシェルリーンに向けた。


 フィルルカーシャのように自分にも何かアイデアがないかと、シェルリーンも考え出す。




 そんな女子の思惑を全く気にする事なく、ジューネスティーンは模型の扇型の塀に溝を作り始めた。


「穴じゃなくて、溝でも構わないだろう。 上手くしたら、この溝にハマって、何パーセントかのツノネズミリスを倒せるかもしれない。」


「ああ、勢いよく走ってきて、溝の向こう側の壁に頭をぶつけてくれたら、それで倒せるかもしれないですね。」


 ウィルリーンが、その溝を見て可能性について話した。


 希望的意見ではあるが、頭をうまく打ち付けてくれれば、可能性はある。


「今の、カーシャさんとカミューの話で、気がついたので、ちょっといじってみました。」


 そう言って、模型の扇型に作られた塀に円を描くように溝が掘られていた。


「私は、あの訓練について行くのがやっとだったんです。 200回の魔法の後半は、死に物狂いでしたから、ツノネズミリスが、向かって来る途中で、数を減らしてもらえるのは、助かります。 少しでも、魔法の回数が減ってくれるのはありがたいです。」


 ヴィラレットが本音を漏らした。


「そうだな。 私は、雷魔法だから、炎とh違って、魔法の効果がどれだけ有るのか、訓練でわからなかったからな。 実際に魔物にどれだけ効果があるのか心配だったんだ。」


 ヴィラレットにつられて、ユーリカリアも本音を言った。


 シェルリーンとユーリカリアは、雷魔法で対応する事になっていたのだが、炎なら、その炎の範囲のツノネズミリスに炎が掛かると分かるが、雷が落ちたとして、その雷がどれだけの効果が有るのかは、訓練の時には分からなかったので、実際にどれだけの攻撃力が有るのか心配があったのだ。


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