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帝国軍の監視に対する考え


 そんな、ジューネスティーンとユーリカリアの会話を聞いて、アンジュリーンが不安そうな顔で、話に入ってきた。


「それだと、監視が、ついて来れるわよね。 あの人達を引き連れて移動するの? 」


 アンジュリーンが、移動についての話に問題点を指摘してきた。


「ああ、それでも構わないと思っている。 もう、彼らにもパワードスーツを見せてしまったから、引き連れていって、最初からツノネズミリスの討伐を見させても構わない。」


 その答えの中には、何か含むものが有るように思える。


「ジュネスが、そう考えるなら、構わないわ。」


 アンジュリーンは、不安そうな表情を崩して無かった。


 ジューネスティーンが、そう言ったのだから、それで自分を納得させようとしていたのだ。


 その様子を見ていたジューネスティーンが、アンジュリーンに話しかける。


「アンジュ。 帝国軍は、監視をしているけど、それ以上の事はしてこないのは、なんでだと思う? 」


 ジューネスティーンが、突然聞いてきた内容について、考えた事が無かったという顔をする。


「えっ! 私達が、何をするのか確認するためでしょ。 それ以上の事ってどういう事なの? 」


「ああ、質問の仕方が悪かったかな。 ごめんよ。」


 ジューネスティーンは、アンジュリーンが、質問を質問で返してきたので、自分の質問が不味かったと思い、改めて質問をする。


 世の中には、「質問を質問で返すな! 」と、言う輩が居るが、質問された方は、質問の意味がわからないなら、質問で返すのだ。


 質問で返すなと、言う前に、自分の語彙力の無さを反省すべきなのだ。


 その事を、ジューネスティーンは、心得ているので、自分の質問が悪かったと反省したのだ。


「帝国軍は、完全に監視だけにとどめているよね。 彼らにしてみたら、ユーリカリアさん達のメンバー1人だけでも、喉から手が出る程欲しいだろうし、俺達のパワードスーツだって、そう思っているはずだろ。」


「そうね。」


 アンジュリーンは、ジューネスティーンの話に納得する。


「ここは、帝国領だよね。 帝国軍がその気になったら、この中の誰かを誘拐したり、装備を盗んだりしても、こっちは、ただの冒険者だから、有耶無耶にする事だってできるはずなんだ。」


 大ツ・バール帝国として、権力を傘にかけて、自分達に危害を加える可能性ついてジューネスティーンは、アンジュリーンに話すと、アンジュリーンもそういうことかと思ったようだ。


「まあ、確かにそうよね。 権力が有るわけだから、冒険者の1人や2人が居なくなったからといって、何かを盗まれたからといって、証拠が無ければ、帝国軍を訴えたとしても相手にされないわね。」


 封建社会の悪い部分を考えれば、権力や力を持つ者が、力を行使した際、一般人の訴えなど、潰されてしまうことに考えが及んだ。


「でも、帝国軍は、そんな事をせずに、監視をしているだけだよね。」


「言われてみればそうね。」


「彼らは、非合法の事はせずにいるのは、何か目的があるからなんだよ。」


 そこまで言われると、アンジュリーンも思い当たることがあったようだ。


 ただ、ユーリカリア達がいる前で話の出来る内容ではないと思ったのだろう、一瞬、ユーリカリア達を見ると、直ぐに、視線を戻す。


「そうね。 目的が有るから、非合法の事はしてこないのね。」


「だから、監視だけに留めているのは、目的が有るからなんだよ。」


 アンジュリーンは、帝国軍の目的が何となく見えてきたのだ。


 ただ、アンジュリーンとジューネスティーンの2人の話を聞いていた、ユーリカリア達には、不安が生まれたようだ。


「なあ、ジュネス。 今の、帝国軍の目的って、ツノネズミリスの討伐の事なのか? 今の話の流れからすると、討伐するまでは、安全かもしれないけど、終わった後は、どうなるか分からないって事じゃないのか? 」


 ユーリカリアの質問にユーリカリア達のメンバーも同意するような表情を見せていた。


「多分、それも、可能性は低いと思います。 今までの行動を見ていると、帝国軍には、もっと別の目的があって、自分達を監視していると思えるんです。」


「それは、何でなの? 」


 ウィルリーンが、非常に気になった様子で、ユーリカリアが聞く前に聞いてきた。


「ええ、自分達は、帝都に入って直ぐに監視を受けてますけど、その様子からも、監視だけに終わってます。 それに今回のようなキャンプをしている時なら、1人になる可能性は高いのに、何かをするような様子も無かったこともありますから、帝都に戻るまでは、そんな事は無いと思います。 それに、帝国軍に勧誘するのであれば、誘拐とかそんな面倒な事はしないと思います。」


 そう言われると、ユーリカリア達も、確かにその通りなのかと思ったようだ。


「そうだな。 面倒な事をするのは、勧誘して断った後だろうな。」


「面倒な事をするのは、最終手段になるでしょうね。」


 ユーリカリアが答えると、フェイルカミラもそれに続けて答えた。


「特に、我々を勧誘するなら、それなりに帝国軍も体制を整える必要があるでしょうね。」


 ジューネスティーンが、言いたい事は、ユーリカリア達にも分かったようだ。


「そう言う事なら、しばらくは、様子見って事だな。」


 ユーリカリアは話をまとめるように言う。


「ええ、動きが有るまでは、こちらから何かを仕掛けるような事はしません。」


「そうだな。」


 ユーリカリア達は、ジューネスティーンの話に納得したようだ。


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