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全てのパワードスーツ


 最初に着替えたアリアリーシャと、レィオーンパードが、パワードスーツに乗り込むと、直ぐに起動させて動きを確認のために、ホバーボードに乗って、周辺を走り回り出した。


 その姿をポカンとユーリカリア達が見ていると、フェイルカミラが喋り出した。


「あの鎧、隙間から確認できただけですけど、鎧の中に骨格のようなものがありました。 何で立ってられるかと思いましたが、その骨格に鎧を付けてあるようです。」


「ああ、そうみたいだな。 それより、どうやって動くんだ? 」


 フェイルカミラにユーリカリアが反応して答えると、ウィルリーンが解説してくれる。


「おそらく、魔法で動いているのだと思います。 彼女達は、魔法も魔法紋も得意ですから、それででしょうね。」


「ああ、あの時、お尻丸出しで、カミュルイアン様とレオンさんに見られた時ですね。 あの時、魔法紋を確認してたのですか。」


 ウィルリーンが解説をしていると、シェルリーンがチャチャを入れてきた。


 その時の事を思い出して、ウィルリーンは、慌てて、お尻を手で隠して、顔が真っ赤になる。


 その姿を見て、シェルリーンが、いたずら心を出したようだ。


「私は、てっきり、カミュルイアン様だけでは物足りなくて、レオンさんを誘っていたのかと思いましたよ。」


 シェルリーンの思わぬ発言で、ウィルリーンは、耳まで赤くする。


「ばっ、ばかを言わないで! 何で、そうなるのよ! あれは、本当にあれがどうやって動くのか気になって調べていたら、ああなってしまっただけなのよ。」


 ウィルリーンは、少し腰が引けて、握りしめた両手を胸の前において訴えた。


「いたっ! 」


 シェルリーンが、声を発すると、後ろにフェイルカミラが、シェルリーンの頭にチョップを入れていた。


 シェルリーンは、頭を抱えつつ、恨めしそうに振り返った。


「お前は、調子に乗り過ぎだ。」


 フェイルカミラが、シェルリーンを諌めると、シェルリーンは、少し残念そうにする。


「はーい。」


 シェルリーンは、仕方なさそうに答えた。




 ウィルリーン達が、話してくれていると、後ろで、シュレイノリアが残り4台のパワードスーツを出していた。


「あのー、リーダー、ここに来た時の夜は、3台でしたけど、全部で6台あるみたいですよ。」


 フィルルカーシャが、後ろからユーリカリアに言う。


 ユーリカリアは、あんな見た事もない装備が 3台だけでも驚いたのに、全部で6台と言われて、自分の思考の限界を超えてしまったのか、驚くを通り越して呆れてしまっているのだ。


 フィルルカーシャに言われるがまま、後ろを振り返ると、パワードスーツが4台並んで立っていた。


 テーブルでは、アメルーミラが、テーブルの食器を片付けていたが、ジューネスティーン達は、テントに入ろうとしていた。


 ただ、アメルーミラにしてみれば、それが、ただの鎧なのだろう程度にしか思ってなかったので、ヲンムンに言われたフルメタルアーマーが、収納魔法に保管されていた程度にしか思ってなかったのだ。




「この連中は、こんなものを持っていたのか。」


 ユーリカリアがボソリと言う。


「リーダー、この前、一緒に食事をしたジュエルイアンを覚えていますよね。」


 フェイルカミラが、話しかける。


「あの人って、南の王国どころか、どこの国にも支店や支社を持っている人ですよ。」


「ああ、そうだったな。」


「そうですよ。 あんな大物商人が目をかけている人達ですから、この程度で驚いていては、この先、彼らと付き合えないですよ。」


 ユーリカリアは、フェイルカミラに言われて、その通りだと納得したようなかをすると、腰に付けているジュエルイアンからもらった剣を見る。


(そうなんだよな。 あの連中の持ち物に驚いていても仕方がないか。)


 そう思うと、周りを見る余裕が生まれたのか、他のメンバー達を気遣う余裕が生まれた。




 ヴィラレットは、アメルーミラの片付けを手伝っていった。


 彼女は、メンバーの中では一番若い16歳という事もあって、こんな時は率先して後片付けも、準備もしてくれる。


 フィルルカーシャとシェルリーンは、アリアリーシャ達が、ホバーボードで走り回っているのを確認していた。


 ただ、ウィルリーンは、4台のパワードスーツを興味深げに、あちこちを覗き込むように見ているのだが、どうも膝下の装甲板の内側に描かれている魔法紋が気になるのか、地面に膝をついて、頭を地面に付けるようにしながら、覗き込んでいた。


 今日のウィルリーンは膝上のスカートを履いていることと、軽く吹くそよ風の悪戯で、スカートが捲れている事に気がついて無かった。


 魔法の事に関して調べていると、そっちばかり気になってしまって、自分の格好がどうなっているのか、全く気が付かないようだ。


 ウィルリーンとしたら、刻まれている魔法紋がどんな効果が有るのかの方が重要なのだろう。


「リーダー、あれどうしますか? 」


 フェルカミラに指摘されるのだが、ユーリカリアにも、それをどうこうするつもりは無い。


「今、周りに居るのは、うちのメンバーとルーミラだけだ。 全員女子だけだから、放っておこう。 後で、カミューに、何とかしてもらおう。」


 ユーリカリアもウィルリーンの、その姿を確認したのだが、レィオーンパードは、向こうでアリアリーシャと一緒にホバーボードに乗っているので、近くにいるのは全員女子だという事と、前回の例もあるので、放置する事にしたようだ。


「ああ、そうですね。」


 自分の知識欲の為に、自分がどんな格好になっているかも気付かないウィルリーンなのだが、その格好を意中の人に指摘されれば、次からはあんなはしたない格好をする事はないだろうと2人は思ったようだが、あまり自信は無いようだ。




 しばらくして、ジューネスティーン達が、着替えてテントから出てくる。


 ジューネスティーンは、テントから出ると直ぐに、アメルーミラとヴィラレットの方に行ってしまった。


 ただ、一瞬だが、パワードスーツの方に2・3歩歩き出した後に、慌てて方向を変えた事から、状況を把握したようだ。


 一番後ろから、恥ずかしそうに出てきたカミュルイアンなのだが、前に居たアンジュリーンが、ジロリと見てから、ウィルリーンを指さしてから、シュレイノリアの手を引いて、パワードスーツを避けるようにして、シェルリーンとフィルルカーシャの方に行ってしまった。


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