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魔法の効果について


 シュレイノリアがユーリカリア達に、そう言うと、ジューネスティーンに向く。


 ジューネスティーンは、何かと思っていると、シュレイノリアが声をかけてきた。


「ジュネス。 すまないが、ルーミラとこのキャンプが心配だ。 炎に耐えられるように、防壁を用意してほしい。」


 ジューネスティーンは、そう言うことかと納得した様子で、レィオーンパードとカミュルイアンに声をかける。


「俺1人じゃ、ちょっと手が足りないから手伝ってくれないか。 この周りに炎が回り込まないように防火壁を錬成魔法で作っておこう。」


「「はーい。」」


 2人は、返事をすると、ジューネスティーンと3人でキャンプの周囲に防火壁用の塀を作り始める。




 その状況を見てユーリカリア達は、やり過ぎじゃないかと思うのだった。


「あのー。 シュレさん。 何で、こんな防火壁が必要になるのでしょうか? 」


 ユーリカリアは、恐る恐るシュレイノリアに聞く。


 周りも同じ事を思っていた様子で、ユーリカリアの質問の答えが気になり、シュレイノリアを見る。


「それは、お前達の魔法が、とてつもなく大きな物になる可能性が有る。 私が立ち会うので、お前達に影響が出そうな時は、私がガードするが、こっちまで手が回らない可能性がある。 だから、ここは予め防御力を上げておく。」


 ユーリカリア達は、自分達の魔力がそんなに大きな物になるとは思っていなかったのだが、ジューネスティーン達の行動を見て、信じられないといった顔をするのだった。


 だが、ジューネスティーン達は、かなり真剣に防火壁を作っていた。


 それを見たユーリカリア達は、徐々に自分達に備わった魔法が、シュレイノリアのいう通りなのかと思えてきた。


「それじゃあ、最初に自分達の魔法を実感してもらおう。」


 そう言うと、アンジュリーンとアリアリーシャを見る。


「分かったわ。 私達は、魔法の影響を受けないようにすればいいのね。」


「うーん。 防御は苦手ですけど、頑張ってみますぅ。」


「では、いこう! 」


 シュレイノリアが先導してユーリカリア達をキャンプから連れて出る。




 シュレイノリアは、キャンプから、100m程離れる。


 後ろを見ると、キャンプの手前に高さ2m程の塀が、左右に50m程、出来上がっていた。


 ジューネスティーン達、3人の錬成魔法で、キャンプの防御も出来上がったので、ジューネスティーン達もシュレイノリアに合流するため向かっていた。


「では、フィルルカーシャ、お前から、初めてよう。」


 シュレイノリアが、言うと、フィルルカーシャは焦る。


「えっ! 私! マジですか? 」


「マジ。 さあ、始めてみよう。」


 フィルルカーシャは、嫌そうにするが、シュレイノリアに、ジーッと見られてしまったので、仕方がなく前にでる。


 シュレイノリアの横に来ると、残った5人を囲むように、アンジュリーンとアリアリーシャが、左右に配置した。




 その様子を見ていたフィルルカーシャがシュレイノリアに恐る恐る聞く。


「何だか、すごく大掛かりすぎませんか? 私の魔法が、そんなになるのですか? 」


 シュレイノリアは、それを聞いてニヤリと笑う。


「では、私の言う通りに魔法を撃ってほしい。」


「はあ。」


 フィルルカーシャは、気のない返事をすると、シュレイノリアは、何やら、指示を出していた。




 フィルルカーシャは、話を聞き終わると、半信半疑で魔法を発動させる。


 10秒ほど何も起こらなかったのだが、フィルルカーシャの先100mほどのところに、水の球ができると、その水に2本の棒が、空に向かって一本が空中に浮いており、もう一方は、地面に向かって刺さっていた。


 その棒の一方が、水の中に入っていると、空中に浮いた棒に稲光が走ると、水がどんどん蒸発していくように、2本の棒から泡となって出てくる。


 ジューネスティーン達は、のんびり、そのフィルルカーシャの作った水の球を見ながらアンジュリーン達の方に歩いていると、レィオーンパードが声を掛ける。


「にいちゃん。 あの水だけど、稲光と一緒に泡が出てるよね。」


 すると、カミュルイアンが、不安そうな顔をする。


「ねえ、雷って、電気だよね。 あの泡って、水蒸気なのかなぁ。」


 それを聞いて、ジューネスティーンは、顔色を変える。


「アンジュ! 姉さん! 壁だ! 爆風が来るぞ! 」


 慌てて、2人に声をかけると、今度は、2人に声をかける。


「こっちも壁を作る。 シュレのやつ、湖での魔法を試させるつもりだ! 」


 湖と聞いて、レィオーンパードとアリアリーシャのパワードスーツの試運転の時の事を思い出す。


「あれだけの水を電気分解しているんだ。 あの時以上の爆発が起こるかもしれない。」


 そう言うと慌てて、しゃがみ込んで、錬成魔法を使って、防御壁を作り出す。




 アンジュリーンとアリアリーシャも、慌てて錬成魔法で壁を作り始めるが、向こうは、2人で7人分の防御壁を作ることになるので、2人で連携して7人の中央で、壁を作ると同時に地面に塹壕を掘り始める。


 塹壕の土を利用して急ピッチで壁にする。


「ちょっと、あんた達もここに来るのよ。 頭を出していたら、頭だけ吹っ飛ばされるわよ。」


 ユーリカリア達5人は、何を焦っているのか分からないようだが、言われるがまま塹壕の中に入る。


「絶対に頭も手も外に出さないで。 あと、耳は塞いでいたほうがいいかも! 」


 ユーリカリア達は、アンジュリーンが何でそんなに慌てているのか分からないといった様子で、言われた通りにする。




 すると、大きな爆音とともに爆風が頭の上を駆け抜けていく。


 音は、耳をつんざき、爆風は、地面の石を巻き上げて、弾丸のように周りに飛んでいく。


 ユーリカリア達は、その音に驚き悲鳴を上げつつ、耳を押さえていた。


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