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ユーリカリア達の魔法力レベル


 ユーリカリア達の中には、ツノネズミリスに対応するとなったら、その程度の魔法は必要なのだろうと思い、自分の身を守るためには、必要なことだと自分を納得させていたり、また、そんなふうに魔法が使えるようになったら、魔物との戦いも、かなり楽になると、討伐後の自分を考え、自分のスキルが、どんどん増えていくことで、新たな道が開け、自分の存在意義が、さらに増えると思う者と、人それぞれ、自分の心に前向きな考え方をしてこの訓練に耐え抜こうとしているようだった。


「ああ、それは分かった。 今回の依頼は、冒険者には、かなり難易度の高い依頼だと認識している。 今程度の事ができなければ、この依頼は、全部お任せするしかないからな。 私達にも見せ場を作ってくれて、ありがとうよ。」


 ユーリカリアは、前向きな発言をしてくれた。


 リーダーの前向き発言は、メンバー達にも勇気を与えるものなので、ジューネスティーンは、ホッといている。


(レベルの高い課題であっても、リーダーの前向きな発言は、メンバーに勇気を与えるからな。 今の一言は助かった。)


 ジューネスティーンは、この依頼が、こなせそうだと考えていると、ユーリカリアが話を続けた。


「ところで、連続して放つ回数とか、遠くまで飛ばせる距離とか言ったが、具体的には、どの程度を考えているんだ? 」


 ユーリカリアは、ジューネスティーンが、ホッとしていただけの間に、次の事を考えていたのだ。


 もう、具体的な事を聞いてきたので、ジュネスティーンは、流石に早いと思いつつも答えた。


「ええ、数は、一度に7回位かな。 昨日の訓練を見ていたら、皆さん1回の魔法で10秒前後は炎を出せてましたので、最初の炎が消える前に7回魔法を放てるのが理想です。 それと、魔法の到達距離は、100m先を考えてます。」


 それを聞いて、ユーリカリアは、嫌な顔をする。


 迫ってくるツノネズミリスに対して、100m先から攻撃をかけられ、炎が消える前に、また、炎を出す事ができれば、迫ってくるとしても、魔法の手数でカバーできるので、ジューネスティーンが、言った回数と距離は、必要な事だと理解はするのだが、自分とメンバーに、言われた通りの事ができるようになるのか不安が残っているのだ。


 しかも、丸1日かけて魔法の訓練ができるのは、今日と明日しかない。


 そんな短い期間で、そこまで魔法の完成度を上げる事が、本当にできるのか心配でもあるのだ。


 そんな不安そうな顔をしているユーリカリア達に、ジューネスティーンは、声をかけてきた。


「あのー。 すみません。 昨日、思った以上に飲み込みも早かったこともあって、ユーリカリアさん達には、想定の3倍から5倍位のスピードで、魔法が身に付いているんで、かなり、早く課題も高いレベルを要求してます。 これは、思った以上に、あなた方の飲み込みが早いからできているんです。 もう少し自信に満ちた顔をして欲しいのですけど。」


 ジューネスティーンが、心配になって声を掛けたのだが、ユーリカリア達は、自分達の不安が渦巻いているので、ジューネスティーンの話が頭に入ってこなかったようだ。


「あー、すまない、昨日の魔法の訓練なのだが、かなり、きつかったのでな。 それが、昨日以上に増えたとなると、本当にできるのか、ちょっと、不安なんだよ。」


 ユーリカリアが答えると、特に、ウィルリーン以外のメンバーには、同じような不安があったのか、ユーリカリアに同意したようだった。


「何を言っている。」


 横からシュレイノリアが、ユーリカリア達に檄を飛ばしってきた。


「昨日の訓練は、お前達の魔力量の底上げの為に行った。 昨夜はぐっすり眠れたのなら、今日は、昨日の10倍の魔力量を使っても平気なはずだ。 試してみてもいないのに、不安になるとは消極的すぎる。 この後、一人一人が、最大魔力で魔法を発動させてみると良い。 自分の魔力の限界が何処まで伸びたのかを実際に感じてみると良いのだ。 現時点でお前達の魔法能力は、一般の魔法士の魔力より遥かに上を行っている。 ウィルリーン! 」


 ウィルリーンは、シュレイノリアに呼ばれて、立ち上がってしまった。


 それを見て、シュレイノリアは話を続ける。


「お前の見立てを、メンバーに教えてやるのだ。 今までに出会った魔法士と比べて、5人の魔法が見劣りするのか? 」


 ウィルリーンは、そう聞かれて、今までのことを思い出していた。


 その顔は、徐々に鋭い目つきになる。


 それをみて、周りは、少し引き気味になっているとウィルリーンは答えた。


「昨日は、そちらのメンバーの方も同じ課題を簡単にこなしてしまったので、私達のメンバーが見劣りしていましたけど、シュレさんに言われてみて、初めてわかりました。 昨日のような魔法を使えた人を、ここにいる人達以外に見た事はありません。」


 ジューネスティーンとシュレイノリアの魔法は凄いと思っていたのだが、ジューネスティーン達の他の4人の魔法をみて、2人と、そう大差もなくこなしてしまっていたので、自分達の魔法が見劣りして、目についていただけなのだ。


 もし、ユーリカリア達の、メンバー1人だけの魔法だとしても、他の魔法士の魔法を遥かに凌駕しているのだ。


 それが、ジューネスティーン達6人の魔法を見てしまった事で、自信を無くしてしまっているのだった。


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