表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1179/1356

訓練2日目の方針

 

 翌日は、朝食を取ると、食事の後のお茶をアメルーミラとアリアリーシャが中心になって、全員分を出してくれた。


 お茶を飲みながら、今日の訓練について説明が、ジューネスティーンからでた。


 実際の戦い方についての話を進めてから、実戦に基づいた訓練になるので、ジューネスティーン達は、テーブルで実際の戦闘になった時の話から始まった。




 理想的な戦い方は、前方から来るツノネズミリスに対して、防衛戦を作り、先頭から徐々に仕留めていくか、まとめたところを包囲して殲滅する方法なのだが、12人で1万匹以上の中型犬程の大きさのツノネズミリスを完全包囲することは不可能な話になる。


 また、向かってくる場合でも防衛ラインが1箇所でも突破された場合は、分断されてしまう可能性も、後ろや横から狙われてしまうので、12人での防衛戦を作ることも不可能な話になる。


 12人で1万匹以上の魔物と対応するので、ある程度戦いやすい場所を設定して戦うにしても限度が有るのだ。


「最悪を想定した場合は、全員で円形陣を取って、魔法を継続して撃つ事になるので、最初は、円形陣での防衛戦を想定しておく。 それと、後は、戦場を設定して、防御壁を用意するので、そこに誘き寄せて、防御壁の上から連続して魔法を使います。 防御壁は、土魔法で設定した戦場に作るようにします。」


「なあ、魔物が、そう簡単に、こっちが設定した戦場に来てくれるのか? 」


「ええ、レオンとアリーシャ姉さんに囮になってもらう予定です。」


 ジューネスティーンの言葉に、レィオーンパードとアリアリーシャは、やっぱり今回もなのかと、少しがっかりしたような顔をする。


「あのー。 よろしいでしょうか? 」


 フェイルカミラが、話に入ってきたので、続けるようにジューネスティーンは、フェイルカミラを見る。


「今回の場合、数が多いので、囮りも大変ではないでしょうか。 ホバーボードを使った囮りになるのでしょうけど、数が多いので、思わぬところから、魔物の攻撃を受ける可能性もあります。 囮りの危険度が高いように思えます。」


 その意見にアリアリーシャが、答えてくれた。


「それは、問題ありません。 ツノネズミリスの攻撃なら、私達の装備を貫通できないでしょうから、仮に不意打ちを喰らったとしても、怪我をするような事態にはならないです。」


 アリアリーシャは、その作戦の中にはパワードスーツが入っているのだと思ったのだろう。


 ジューネスティーンが、囮りと言った時点で自分の戦っている姿が、想像できたのだ。


「姉さん。 パワードスーツも完全じゃないから、脇腹にツノが入ったら、あの部分は、鎖帷子だから、中まで達するかもしれない。 だから、その辺は、気をつけてくださいね。」


「わかってます。 ツノにだけは、気をつけて対応します。」


 その話を聞いて、意見を言ったフェイルカミラもユーリカリア達も何を話しているのか、ジューネスティーン達のパワードスーツを詳しく見ていないので、理解できなかったようだ。


「そういう事でしたら、囮りについてはお任せします。 では、私たちは、攻撃に専念するでよろしいですか? 」


「ええ、今は、時間も無いので、そうしてもらえると助かります。」


 今、パワードスーツの話をして、見せる必要に迫られ、詳しい説明をする必要に迫られると思ったので、簡単に終わらせる事ができた事に、ジューネスティーンはホッとしたようだ。


「では、集めてしまった魔物を殲滅する時は、周りから魔法で攻撃することになりますので、断続的な攻撃でも問題は無いのですが、平地で遮蔽物が、なくなってしまった場合には、全方位から襲われる可能性がありますので、皆さんにも、連続して炎が消える前に、次の魔法を撃てるようにしてもらいます。」


 話を聞いていた、ユーリカリア達なのだが、全方位から、数千、いや、数万の魔物に囲まれた時のことを想像しているのだろう。


 見渡す限り魔物、前も後ろも右も左も、全面に魔物が、自分に向かって攻撃を仕掛けてくる様子をイメージした。


 そのような状況で13人の冒険者が、命を繋ぐ方法を模索するのだが、ユーリカリア達のメンバーには、絶望的な状況しか思い浮かばないようだ。


「今までの訓練の様子を見ていると、かなり早くなっていますが、もう一段スピードを上げてもらいます。 ですから、最初の炎が発生して消える前に新たな魔法を発生させてもらいます。」


 ツノネズミリスの数と、魔法の範囲を考えれば、魔法を放った後に、次の魔法を放つまでの時間がかかってしまったら、その間に距離を詰められてしまうと、徐々に攻撃する距離が近くなってしまう。


 魔法攻撃を受ける側であれば、魔法を受ける側は、魔法攻撃と魔法攻撃の隙を突くことになる。


 数で押してくる魔物となれば、次の魔法を撃つ間隔が長ければ、その間に距離を詰められてしまう事になる。


「ああ、それと可能な限り遠方に魔法を放てるようにも、連続攻撃の後に行います。」


 ユーリカリア達は、昨日の魔法の訓練でかなり消耗したのに、今日も新たな課題が増えていると思うと、ジューネスティーンも、かなりスパルタなのだと思った様子で、表情を曇らせている。


 だが、そのハードな訓練についても、ユーリカリア達のメンバーは、前向きな考え方をして、なんとか、やる気を保っていたようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ