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明日の訓練計画


 午後の魔法の課題が終わると、夕飯を全員で作って全員で食べることになった。


 アメルーミラは、今回の戦闘には参加させないので、全員分の賄いを任されている。


 ただ、攻撃に参加する12人とアメルーミラの13人分の賄いである、かなりの量になることと、特にユーリカリア達のメンバーは、慣れていない魔法での攻撃を行なっているため、かなりの量を作ることになっていた。


 そんな中、ジューネスティーン達は、それ程大きな負担にもなっていないのか、早めに訓練が終わるので、アリアリーシャとレィオーンパードが、訓練が終わると、アメルーミラを手伝っていた。




 ただ、ユーリカリア達メンバーがいつもより多めに食事を欲していた。


 魔法を使うことで、精神的疲労が溜まったのだろう。


 かなり、ガツガツと食べていたのだが、食べ終わると、疲労が溜まったせいか、全員が眠そうな顔をしはじめた。


 ユーリカリアは、そんな自分のメンバーを見ると、腹が膨れたから寝ると言い出して、ユーリカリア達は、早めに睡眠につくと言って席を立った。




 そんななか、ヴィラレットが、アメルーミラのところに行って声をかけた。


「ルーミラ、ごめん。 後片付け、手伝えそうにないわ。 もう眠くて、ダメ。 立ったまま寝てしまいそうだわ。」


 アメルーミラは、ヴィラレットが、いつもよりかなり多めに夕食を食べていたのを思い出して、引き攣ったような笑顔を向ける。


「ああ、私は大丈夫。 でも、ヴィラは、大丈夫なの。 夕飯の食べてた量だって、いつも以上に食べてたわよ。 その体の何処に食べた物が入ったのか心配だったわ。」


「ああ、そうかもしれない。 でも、なんだか、体が、勝手に、食べてしまったみたいなの。 ああ、でも、少し、お腹が痛いかもしれない。」


 ヴィラレットは、夢中で食べていたようなので、アメルーミラに指摘されて、初めて自分がいつもよりかなり多めに食事を取ったことに気がついたようだ。


「ヴィラ、今日は、大変だったみたいだから、後片付けのことは気にしないで、ゆっくり休んでね。」


「ありがとう。 そうさせてもらうわ。」


 食事の途中、アメルーミラは、準備した料理だけで、食事が足りるか心配気味でいたのだ。


 食べ始めると、ユーリカリア達のメンバーが、一気に食べるものだから、用意した料理の量が急に減ってしまったので、食べ始めた当初は、足りなくなるのではないかと、心配になったようだった。


 ユーリカリア達が、食事を終えると、アメルーミラは、ホッとしたような様子を見せていたのだ。


(本当に、おやつもあれだけ食べていたのに、夕飯まで、いつもの倍は食べていたわ。 魔法を使うとあんなに、お腹が減るのかしら。)


 アメルーミラは、ユーリカリア達の食事の様子を思い出して、自分がアレだけの量の食事が取れるのだろうかと思ったようだ。


(あれが、長年、冒険者をしていたからできることなのかもしれないわね。 あんなに沢山の魔法を放ったのを、食事でカバーしたのかもしれない。 私には食べられない量だったわ。 ・・・。 食事も含めて、冒険者なのかもしれないわ。)


 アメルーミラは、ヴィラレットと、ユーリカリア達を見て、自分が今回の討伐から外れた事を納得したのだった。




 ユーリカリア達のメンバーが、先に休んでしまったのだが、ジューネスティーン達は、少し寛いでいた。


「初めての本格的な訓練だったが、彼女達も順調に使えるようになった。 明日は、戦術を教えた方が良い。」


 シュレイノリアは、ジューネスティーンに明日の課題を考えるようにと言ってきた。


「ねえ、それはちょっと早いんじゃないの? 」


 ジューネスティーンがシュレイノリアに応えようとする前に、アンジュリーンが反応した。


 だが、シュレイノリアは、その意見に応じる気配はない。


「彼女達は、Aランクのパーティーだ。 魔物との戦いの数も多い。 魔法が使えるようになったのだから、今度は実戦に沿った使い方を覚えさせた方が良い。 ツノネズミリスに対応した戦術も戦略も、彼女達を数に入れて考えた方が良い。 ツノネズミリスの数を考えたら、彼女達に特等席で見物させておくわけにはいかないだろう。」


 シュレイノリアの意見は、もっともである。


 大量発生したツノネズミリスは、過去に類を見ない数なのだ。


 このような魔物についての話は、学校で習っていることもあり、知識として認識はしているのだが、1万匹を超えた発生というのは、過去にはなかったのだ。


 多くても5・6千匹だったと記録に残っていたのだが、その時の数よりも多い事もあり、座学で覚えたことだけを実践して、想定外の事態に陥る事にならない為にも戦術や戦略は必要となる。


「ああ、彼女達も含めた戦い方を明日までに考えておくよ。」


 ジューネスティーンは、今まで考えていたツノネズミリスに対する戦略を大きく見直す必要があると考えたのだ。


 ただ、その戦略の見直しは、悪い方向ではないことで、より一層、討伐の確率が上がる方向、特に戦力が2倍になったと考えられるので、より一層、討伐の可能性が高くなり、更には、討伐にかかる時間も短くなると考えられるのだ。


「良い方向に、軌道修正するのは、何ともありがたいよ。」


 そう言って、シュレイノリアに感謝するような表情を向けた。


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