歩哨の順番
ユーリカリア達は、キャンプの歩哨にたつ順番を決める。
順番の決め方は、パーティー内で決まったやり方があったようだ。
「それじゃあ、いつもので行くぞ。」
そう言って、ユーリカリアは、コインを1枚取り出した。
「表は誰だ? 」
そう言って、コインの表を見せる。
すると、フェイルカミラとウィルリーンが、手を上げた。
「じゃあ、ウィルとカミラだけだな。」
そう言うと、ユーリカリアは、コインを弾いて、右手で受けて、左手の甲の上に乗せる。
「開けるぞ。」
左手の甲の上には、コインの表が出た。
「じゃあ、ウィルリーンとフェイルカミラは、5番と6番な。 じゃあ、2人だけだから、先に決めるか。」
そう言って、ユーリカリアは、フェイルカミラとウィルリーンをみる。
「じゃあ、私は、裏にする。」
「あら、私も裏が良かったのだけど、カミラが裏なら私は表ね。」
2人の選択が決まったので、ユーリカリアは、コインを弾いて、同じように右手で受けて左手の甲に乗せると、右手を開く。
「表だ。 じゃあ、カミラ5番、ウィル6番な。」
そう言うと、残り3人をみる。
「じゃあ、後は、1〜4番な。 で、どっちきかける。」
「「「表。」」」
3人が、全員表にかけた。
「じゃあ、私は裏でいいか。」
そう言って、コインを弾く。
それを、上で、フェイルカミラが取ると、ユーリカリアが行ったように、自分の左手の甲に、コインを取った右手を置く。
「リーダーは、順番が決まってませんから、後は、私が行います。」
歩哨に立つ順番が決まったのは、ウィルリーンとフェイルカミラだったので、後の順番決めをフェイルカミラが買って出た。
「ああ、そうだな。 私の順番も決まってないから、そうだな。」
ユーリカリアが、納得した様子なので、フェイルカミラは、左手の甲を開く。
「裏です。」
「じゃあ、私が4番目だな。」
それを見て、表を選んだ3人が残念そうにする。
「それでは、残り3人だな。 後は、どうしますか? 」
フェイルカミラが、3人をみる。
「じゃあ、私は、裏でお願いします。」
「「表。」」
ヴィラレットが、裏に賭けて、フィルルカーシャとシェルリーンが、表に賭けた。
「じゃあ、始めるぞ。」
フェイルカミラが、コインを弾いた。
その出た目を確認する。
「表だ。」
それを見て、ユーリカリアが、ヴィラレットをみる。
「ヴィラ、お前が最初な。」
「は〜い。」
仕方なさそうにヴィラレットが答える。
「じゃあ、後、2人ですね。」
フェイルカミラが、フィルルカーシャとシェルリーンをみる。
「「表。」」
2人が、両方、表と言うと、お互いの顔をみる。
「2人とも同じじゃ、決まらないだろ。」
「「裏。」」
今度は、2人とも裏を選ぶ。
「おいおい、今度は、裏かよ。 じゃあ、もう一回。」
「「裏。」」
どうも、2人とも、気を使っているようなのだが、お互いに同じものを選んでしまっていた。
「おい、3回同じなら、4回目も同じになるかもだからな。 私が勝手に決めるぞ。 シェルが表で、カーシャが裏な。」
ユーリカリアが、面倒臭そうに、2人のあたりを決める。
「「はーい。」」
2人が納得すると、ユーリカリアは、フェイルカミラをみる。
それを見て、フェイルカミラが、コインを弾いた。
歩哨にたつ順番は、ヴィラレット、フィルルカーシャ、シェルリーン、ユーリカリア、フェイルカミラ、ウィルリーンの順に呼応隊で歩哨になる事になった。
ただ、火の番をして、鳴子の外の警戒を行うだけになるので、大した仕事にはならないのだ。
順番が決まると、ヴィラレットを残して、他のメンバーもテントに入っていった。
ヴィラレットは、早速、ティーポットに茶葉を入れて、残っていた、お湯をポットから注いで、アリアリーシャの用意してくれた、お茶を楽しむ事にした。
すると、ジューネスティーンの用意してくれた砂時計をひっくり返してから、お茶を飲む。
後は、自分の剣の手入れを始める。
時々、風がふくと、軽く鳴子が鳴るが、ゆっくりと小さな音がするが、確認しても何も居ない事を確認するだけだった。
ヴィラレットは、何事も無く、自分の歩哨の時間が過ぎる。
砂時計の砂が落ち切ると、テントに行って、次のフィルルカーシャを起こしに行く。
その時、けたたましく鳴子の音が鳴った。
その鳴り方は、風で鳴ような音では無いと、直ぐに分かった。
ヴィラレットは、直ぐに剣を抜いて、鳴子の鳴った方を見る。
何かが、鳴子の紐に引っかかったのだろうと直ぐにわかるが、人なのか、動物なのか、魔物なのかを見極めようとする。
すると、音に気がついたのだろう、二つのテントの方にも動きが有った。
アメルーミラが、直ぐにテントを出てヴィラレットに合流する。
その手には、剣と、アメルーミラの自作のスリングショットが有った。
「今の音は? 魔物ですか? 」
直ぐにアメルーミラが、ヴィラレットに確認する。
「まだ、なんだったのか、確認はできてないわ。 あっちの方よ。」
ヴィラレットは、アメルーミラに自分の視線の方向を指し示して、お互いにその方向に集中し、鳴子を鳴らした相手が、何だったのか見極めようとした。




