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備えの調達の人数割

 

 ジューネスティーンとユーリカリア達は、ギルドを出ると、二手に分かれて買い物に出かけることになる。


 ただ、シェルリーンがカミュルイアンから離れないでいるのと、ウィルリーンもカミュルイアンと一緒に居たそうにしている。


 ウィルリーンとすれば、自分の作ったパーティーでもあり、服リーダーとしてまとめる必要もあるので、シェルリーンのように、あからさまにカミュルイアンにまとわりつくわけにいかなかったのだ。


 そのため、ウィルリーンは、シェルリーンを羨ましそうにみて、後ろから、その姿を見ながら歩いていた。


 ウィルリーンも、せっかくの買い物なので、カミュルイアンと一緒に買い物を楽しみたいようだ。


「カミュー。 こっちは6人で行うから、お前は、そっちで食料の調達を手伝ってくれ。 ユーリカリアさんのパーティーは、女子だけなんだから、男手が有った方がいいだろう。 丁度良いから、そっちに付き合ってやれ。」


 そのジューネスティーンの提案に、ウィルリーンとシェルリーンは喜んだ。


 そんな2人のエルフをジューネスティーンは、チラリと見ると話を続けた。


「それと、甘い物を作る事が多くなると思うから、食事以外の間食用にスイーツ用の食材も、最低20食分程度用意しておいてくれないか。 いつも作っているのを手伝っているから、おおよそわかるだろう。」


 カミュルイアンは、少し考えるような様子をするので、ジューネスティーンは更に続ける。


「糖分補給をできるようにしたいんだ。 甘い物で簡単に作れそうな物を聞きながら食材を選んできて欲しい。」


「うん、分かった。」


(食事の間に間食なら、おやつなのか。 なら、女子率の高いこっちのメンバーの方が良く分かるのか。 アリーシャのいつも作るものなら、必要なものはわかるから、大丈夫だな。)


 カミュルイアンは、返事をしながら考えていたようだ。


 ジューネスティーンは、カミュルイアンに指示を出すと、移動中に作ってもらう時の事を考えていた。


(後は、ルーミラが、甘い物を作れるかだが、それは、移動の時に、アリーシャ姉さんに教えて貰えば大丈夫だな。)


 ジューネスティーンは、段取りを考えつつ、アリアリーシャとアメルーミラを見る。


 アメルーミラは、準メンバーとして採用され、すぐに、このような大掛かりな依頼になってしまったので、こういった日常生活のような部分については、細かく引き継がれてない。


 アメルーミラ自身の話で、父親と2人だけで暮らしていたような状況なら、甘味についての料理知識は少ないと思えるのだ。


(この移動中に、少し覚えてもらうことにするか。 いや、この移動は、急ぐ必要があるのか。 だったら、あまり、教えられないのか。)


 急ぎの移動で、悠長にキャンプをするわけにもいかないと思ったようだ。


(でも、宿に泊まれないこともあるなら、その時にでも、覚えてもらうようにするか。)


 ツカ辺境伯領へ行くのは、初めてになる。


 街道を進むことになるが、場合によっては、野宿になる可能性も考えなければいけない。


 そうなれば、その時に教えることも可能だと、ジューネスティーンは考えたようだ。 




 カミュルイアンが、ユーリカリア達のメンバーに合流することについて、ユーリカリアは、あまり嬉しそうな顔はしていない。


 男手ができるのはありがたいが、それによって、ジューネスティーン達の人数について気になったのだ。


「なあ、それだと、そっちの人数が減ってしまうだろう。 それに金糸雀亭で収納魔法の中に入れるなら、シュレは動けないだろ。 なら、そっちの買い出しの人数は、5人となるだろ。」


 ジューネスティーンは、指摘されると、なるほどなと思った。


(そうだな。 移動の時は構わないけど、訓練となると、ユーリカリアさんのメンバー全員が訓練に参加する事になるか。 ウィルリーンさんは、別格と思いたいけど、シュレの魔法に対する要求が、ウィルリーンさんの思った以上だと、ウィルリーンさんの収納魔法の中に食材関連を入れてしまうと、ウィルリーンさんの負担が大きくなるな。 だったら、シュレの収納魔法に入れた方が、ルーミラも楽なのか。)


 そんな思いをしているジューネスティーンにシュレイノリアが話に入ってきた。


「いや、買い出しに出るのは、4人。 ルーミラは、地竜に慣れてもらう必要がある。」


 シュレイノリアに言われて、アメルーミラの事を考えると、今回の討伐には、荷物番となって、戦闘には参加させられない事に気が付いた。


 それなら、地竜と一緒にいる事が多いことになる。


 だったら、地竜に慣れてないと、良くないとジューネスティーンは思ったのだ。


「確かにそうなるな。 地竜と仲の良いシュレと一緒にいて、地竜にもアメルーミラにも慣れておいてもらわないと良くないのか。」


 そうなると、4人で飼葉を手配する必要があるのだと気がつくと、ジューネスティーンは、少し人数が足りないのかと思ったのだろう、若干、困ったような顔をする。


「飼葉の量を考えたら、そっちも人数が少なくなるのは面白くないな。 なら、カミューがこっちにくるなら、こっちからも1人回す。」


 そういうと、ユーリカリアは、自分のメンバーの顔を見る。


 ユーリカリアは、ウィルリーンとシェルリーンの顔を見ると、2人はゾッとする。


 2人は、折角カミュルイアンと一緒に買い物ができると思っていたのに、ジューネスティーンたちの方にまわされるかと思うと、2人はカミュルイアンの後ろに隠れるようにして、ユーリカリアを恨めしそうに見る。


 その目には、私を選ぶんじゃないと、お互いが訴えていた。


(全く、ジュネスが気を利かせてくれたんだ。 お前達2人を選ぶわけないだろ。)


 ユーリカリアは、2人のエルフの態度にイラッとしつつ、残りの3人を見ると、仕方なさそうな顔をする。


「ヴィラレット、お前、すまないが、ジュネス達を手伝ってくれるか? 」


「わかりました。」


(これで、6人と5人なら丁度良いか。 こっちは、食料なら、主食の物、おかずになる物と種類も多いが、飼葉なら、回る店も量だけで済むから、それでいいだろう。)


 ヴィラレットは、ジューネスティーン達の方に行く。


「じゃあ、私たちは、第二区画の方で買ってくるよ。 荷物が増えたら、金糸雀亭に持っていくよ。」


「分かりました。 自分達は、第五区画の方に行ってみます。」


(第五区画なら、倉庫街が多い。 あそこなら、飼葉も手に入るだろうな。)


 ユーリカリアは、ジューネスティーンが、ちゃんと帝都内の配置も把握していると思うと、安心して南門の方にユーリカリアは向かう。


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