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ユーリカリア達へ課題を出すシュレイノリア


 ルイゼリーンは、ユーリカリア達のメンバーが、ジューネスティーン達の馬車について、なんで怖がったような表情をして、色々、条件を緩和するような事を言ったのか分からずにいた。


 ルイーゼリーンの馬車のイメージは、歩く速さでの揺れしか思い当たらなかったので、高速で移動する時の揺れが、どれほどあるのか、想像できなかったのだ。


 そんな、ユーリカリア達を放置してルイゼリーンは、シュレイノリアに、予定を聞く。


「それで、出発はいつになるのでしょうか? 」


「明後日だ。 明日までに飼葉と自分達の食料を用意する。 それを私の収納魔法に入れておく。 明後日の朝に出発する。」


 シュレイノリアの話を聞いて、ジューネスティーンは、ユーリカリアを見る。


「ああ、それで良いだろう。 私達の方で、食料を調達しておく。 飼葉はそっちでお願いできるか? 」


「ええ、それで良いでしょう。 じゃあ、金糸雀亭の裏に馬車も有りますし、地竜も居ますから、そっちで、受け渡しをしましょう。」


「そうだな。」


 そう言うと、2人は、ルイゼリーンを見る。


「では、明後日の出発となると、ツカ辺境伯領に到着するのは、9日後という事でよろしいでしょうか。」


「そうですね。 予定はそう伝えておいてください。」


「ああ、それと、ツカ辺境伯領にもギルドの出張所がありますので、着いたら到着の報告をお願いします。 私の方から、ツカ辺境伯領の出張所には連絡を入れておきます。」


 すると、シュレイノリアが、ルイゼリーンに聞く。


「その出張所にも、ギルドの通信機が置いてあるのか? 」


「ええ、ありますので、通信機で連絡しておきます。」


「だったら、辺境伯領の中で、1km四方の何も無い場所を準備しておいて欲しい。」


 ルイゼリーンは、何の事なのかと思ったようだ。


 そんなルイゼリーンにシュレイノリアは、話を続ける。


「戦場の設定だ。 炎を使っても他に被害が出ない場所が欲しい。」


 そう言われて、さっきの範囲攻撃魔法を使う場所のこととルイゼリーンは、理解したようだ。


 ただ、半径50mの炎を出すのなら、1km四方なんてそんなに広い場所は要らないと思ったようだ。


「だったら、もう少し狭くても良いのではないでしょうか? 」


「いや、全員が使うとなったら、最低限、それだけの場所が欲しい。」


 その言葉に、ジューネスティーン達は、自分達も同じ魔法を使うのかと思ったようだが、ユーリカリア達は、何を言っているのかと不思議な顔をしている。


 そのユーリカリア達の表情を見たシュレイノリアが言う。


「辺境伯領までは、時間がある。 その間に、全員が、最低でも半径50mの炎を出せるようにする。」


 それを聞いて、ユーリカリアもユーリカリアのメンバー達も、何を言っているのかという顔をする。


「休憩時間は、魔法の練習も兼ねている。 だから、休憩時間も長く設定したのだ。 半分は、魔法の練習をしてもらいつつ、到着した日は、最後の確認の為、設定した戦場でで最終仕上げになる。」


 ジューネスティーンは、やっぱりそうだったのかと思ったような顔をするが、ユーリカリア達は、ゾッとしたような顔をする。


 ルイゼリーンは、何ともいえない顔をしている。


 ユーリカリア達が、全員、そんな範囲魔法を使えるようになるなら、今後は、仕事が楽になるのかと思っているようだ。




 ただ、1人だけ、ユーリカリアだけが困った顔をしている。


「すまないが、シュレ。 私は、どうも火魔法が使えないのだ。 何度やっても、種火も出せないのだ。」


「だったら、雷魔法か風魔法でも構わない。 雷なら広範囲に一気に落とせば炎魔法と同じ効果が出せる。」


 ユーリカリアは、火魔法が使えない事を理由に、魔法の訓練兼移動の時の訓練を除外しようと思ったようだが、当てが外れたようだ。


 引き攣った笑顔を浮かべていた。


 ユーリカリア達は、シュレイノリアの魔法の訓練の話をウィルリーンから聞いていたので、できれば、シュレイノリアから魔法の教示は、受けたいと思ってなかったようだ。


 するとシェルリーンが、恐る恐る手を上げる。


「あのー、私も、火魔法は、ちょっと。」


「だったら、ユーリカリアとシェルリーンは、雷魔法で対応する。」


 シェルリーンも、雷魔法なら、何とかなるのかなと、いう顔をするが、自信がなさそうな顔をする。


「雷魔法なら、使えたので、それなら撃てると思います。」


「少し撃てれば、それで良い。 後は、どれだけ広範囲に魔法を落とせるかだけだから、新たに魔法を覚えるより、遥かに早く習得できる。」


 そう言われて、シェルリーンも自信は無いのだろうが、シュレイノリアがそう言うなら、それで良いと思って、自分を納得させたようだ。




 そんなユーリカリア達を見て、仕方無さそうにジューネスティーンは、これからの準備について話をする。


「あのー、ユーリカリアさん。 明後日の出発だと、今日中に、ある程度揃えたほうが良いと思いますけど、準備の為の移動をしませんか? 」


 その言葉に、ユーリカリアは、何かを思いついたようだ。


「そうだ、そうだよな。 ジュネス。 宜しく頼むな。」


 ユーリカリアは、前回、ジューネスティーンから魔法を覚えたのだ。


 だったら、今回もジューネスティーンを挟んで、シュレイノリアの魔法を教えてもらえれば、上手くいくと思ったようだ。


 そのユーリカリアの声で、ユーリカリアの他のメンバーもジューネスティーンの解説によって、シュレイノリアの教えを、残りのメンバー達も全員がジューネスティーンに縋るような顔をする。


 ジューネスティーンは、少し困ったような顔をするが、彼女達の考えている事が分かったのだ。


「はい。 宜しくお願いします。」


 今回も、自分の仕事が増えたと、ジューネスティーンは感じたのだろう、あまり、乗り気のような答え方ではなかった。


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