外食
ジューネスティーン達のメンバーは、エルフと亜人の新人パーティーということで、奴隷でないエルフと亜人ということ、更に貴重な男性エルフも居る事で、一旦は奴隷商人達に狙われていた。
亜人奴隷を専門に攫う組織からも、奴隷商人の組織からも、ターゲットとして狙われる存在となっていた。
しかし、東の森の魔物を倒したパーティーという噂が広がった事と、ジューネスティーン達を警護しているルイネレーヌ達の、ガードの硬さによって、ファールイのような、大物奴隷商人が、殺人罪で捕まってしまった事、また、ジューネスティーン達の、狩の様子を見て、新人離れの能力を持っている事で、奴隷攫いの組織は、自分達では太刀打ち出来ないと判断された。
そして、返り討ちに遭う可能性の方が高いとなって、今ではターゲットから外れている。
その為、帝国内でジューネスティーン達を攫おうとする組織は、無くなっている。
ジューネスティーン達は、飲食店街を7人で歩いている。
何を食べようかと思っていると、アメルーミラが、ベンチで男女2人が食べていた、ホットドックを気にしているように見ているので、ジューネスティーンが尋ねる。
「どうかしたのか? 」
「あの人達の食べている物なんですけど、見た事が無かったので何かと思って。」
それを聞いて、アンジュリーンも話に入ってきた。
「ああ、ホットドックね。 パンの間にソーセージと野菜が挟まっているのよ。 赤いのはケチャップね。 ねえ、たまには、あんな感じで食べるのも、いいんじゃないかな。」
「そうだね。 どこかで買ってベンチで食べるのも良いかもね。」
今日の昼食は決まったので、店を探すと、直ぐ先に、ホットドックを売る店を見つける。
テイクアウトしようかと思ったのだが、7人分のホットドックを持って移動するのも困ると思っていると、カミュルイアンが、声をかけてきた。
「ねえ、お店の中で食べるのもいいかもしれないよ。 ファーストフードのお店を使うのもいいと思うけど。」
ジューネスティーンは、そう言われて少し考えていると、隣から、アリアリーシャも話しかけてきた。
「私もぉ、久しぶりにぃ、お店でぇ食べてみたいですぅ。」
アリアリーシャは、何か、思惑がありそうな笑いをジューネスティーンに向けていた。
視線が合うと、アリアリーシャは、アメルーミラを見た。
アメルーミラは、初めて入った、ファーストフードのお店の中を、不思議そうに眺めている。
(ああ、ルーミラは、買い物が初めてだって言ってたな。 だったら、ファーストフードのお店も知らないのか。 姉さんは、ルーミラに気を遣えと言っているのか。)
「そうだね。 流石に7人分のホットドックを持って外に出るのは、大変だから、店内で食べていこう。」
そう言って、店内で食べる事にする。
中に入ると、この店のシステムとしてカウンターで購入した物を自分で持ってテーブルに移動するようになっていた。
ジューネスティーンとシュレイノリアが、アメルーミラを連れてカウンターに行き、残りはテーブルを確保する事にした。
ジューネスティーンが、ホットドックを全員分注文すると、アメルーミラに聞いてみる。
「何か他に食べたいものはある? 」
そう聞くと、慌てて、アメルーミラは答える。
「いえ、特に。 初めて見る食べ物なので、お任せします。」
「じゃあ、飲み物は? 」
「それも、お任せします。」
それを聞いて、シュレイノリアが、アメルーミラをジーッと見ると、直ぐにジューネスティーンにリクエストをする。
「フレッシュジュースが飲みたい。」
「ああ、ここなら北に無い果物のジュースも飲めるね。」
そう言って、店員に7人分のフレッシュジュースを頼む。
「あと、鳥の唐揚げが食べたい。」
そう言って、ジューネスティーンにねだると、ジューネスティーンは、それも大きい物を2つ頼む。




