男子3人が選ぶ服
リーシェルリアが、次に持ってきてくれたのは、どれもスカートで赤が多かった。
胸元が広く開いて、肩紐とまではいかないが、幅3cm程の布が、胸元から立ち上がっている。
お腹の部分は、胸からヘソのあたりまで紐でスニーカーの様に縛ることができる様になっているので、体に合わせて、サイズが調整できる様になっている。
「にいちゃん。 これだと、上から胸が見えちゃうんじゃないの? 」
「うーん。 多分、下にブラウスを着ればいいんじゃないかな。 帝国の女の人はそんな感じだたと思う。」
「じゃあ、このスカートのほかにブラウスも選ばないといけないね。」
「そうだな。 でも、それは、リーシェルリアさんに、任せた方がいいかもしれない。 俺達だと微妙に、似合わないブラウスになってしまうかもしれないから、選んだ服にあうブラウスを、選んでもらったほうがいいと思う。」
そんな事を言っていると、リーシェルリアが、もう4着持ってきた。
それの中の一つを見て、レィオーンパードが、直ぐに決めた。
「俺は、これにする。」
そう言って、リーシェルリアが持ってきた服の一番前にあるものを選んだ。
オレンジ色のワンピースに緑のエプロンが縫い込まれている様になっていて、胸からヘソの部分には、黒い紐が付いており、ウエストに合わせて調整できる様になっている。
胸元は、首から少し下まで開いており、鎖骨もわずかに見える程度、その開いた襟には白のレースが付いており、肩から二の腕までの白い袖が付いている。
緑のエプロンには、左下に赤い花が刺繍されていて、心地良いアクセントになっている。
「ほーっ。」
「ふーん。」
ジューネスティーンとカミュルイアンは、レィオーンパードが決めたのを見て、感心しているのか、呆れているのか分からない相槌を入れる。
「多分、彼女に似合うと思いますよ。」
リーシェルリアは、そう言って、レィオーンパードの選んだ服を持って、残りをテーブルの上に前の服の上に重ねて置く。
リーシェルリアが、持っている服を前に出しているのを見ると、スカートの丈は、膝下10cm程の長さになりそうだった。
また、良く見ると、エプロン部分は、スカートより短めにできているので、前から見ると、エプロンの下10cmほどスカートが見えるデザインとなっていた。
レィオーンパードが選んだ服を見つつ、リーシェルリアがテーブルに重ねて置いていった中からジューネスティーンが選んだ。
「じゃあ、俺は、これにしようかな。」
そう言って、テーブルに乗っている服の中から一つ取り出す。
胸元は、大きく開いておりというより、鳩尾のあたりまで開いており、胸の下辺りを描くようにカットされたワンピースを選んだ。
肩は、肩紐に近い位の布幅しかなく、脇も開いて、背中も肩甲骨が見える様なデザインになっている。
色は、緑一色で、スカートの上に茶色のレースが、エプロンの様に巻かれており、ウエストには、帯のような幅のリボンが巻かれ、腰に垂らす様になっている。
背中に寸法合わせの紐が、スニーカーの様になって縛ることができるので、ウエストの調整もできる様になっている。
「それを選ぶなんて、驚いたわ。」
リーシェルリアが、ジューネスティーンの選んだワンピースを見て驚いている。
「この色は、結構難しいのよ。」
「これに白のブラウスを付けたいんだけど、このワンピースに合いそうなのを選んでもらえますか? 」
それを聞いて、リーシェルリアが満足そうな顔になる。
このワンピースなら、下に白のブラウスを着ると、白と緑のコントラストが、絶妙になる事を知っていて、リーシェルリアは、あえて下に付けるブラウス無しで持ってきたのだ。
その意図を、ジューネスティーンが、読み取ったのを感じて満足したのだ。
「大丈夫ですよ。 ブラウスも用意します。 それに、これだと、胸が強調できるので、喜ばれると思いますよ。」
アメルーミラは、胸が小さいので、胸の下で、ドレスが切れているので、中に緩めのブラウスを着てこのワンピースを付ければ、ゆったりした胸元になる。
更に、濃いめの緑と白のブラウスなら、膨張色の白が、大きく見えるので、元のサイズより大きめに見えるはずだと考える。
ジューネスティーンが、選んだワンピースは膝が隠れる程度なので、レィオーンパードが選んだものより少し短めである。
男子2人が、決まった事で、カミュルイアンは焦りだす。
テーブルに置かれたドレスを眺めては、下にある物と入れ替えては眺めて考えている。
2人が、選んだオレンジと緑のワンピースを見て、思いついた様にカミュルイアンは選んだ。
「これにします。」
そう言って選んだのは、赤と白のチェックのワンピースに赤のエプロンが付いたものだった。
胸元は大きく開いており、その辺のデザインは、ジューネスティーンのものと似ているが、ウエストの寸法を合わせる紐は、前に付いており、オレンジ色の紐が可愛く見える。
右の腰の辺りには、エプロンと同じ色の大きなリボンが付いている。
丈は、膝が隠れる程度の長さがあり、背中は完全に隠れている。
「これにも、白のブラウスを付けてもらえますか? 」
「はい、大丈夫ですよ。 こちらのブラウスは、違うデザインにしてみますね。」
そういうと、カミュルイアンが選んだワンピースを持っていく。
戻ると、テーブルの脇に3人が選んだ服を、ハンガーに立たせて見えるように置き、テーブルの上のワンピースを退かせると、お茶を持ってきてくれた。
「彼女達は、もう少しかかりそうですから、お茶でも飲んでいてください。」
そう言って、3人にお茶を出すと、女子達の方に歩いていく。
それを見てから、カミュルイアンが、ジューネスティーンに尋ねてくる。
「ねえ、アメルーミラも服を買うんだよね。」
「そうだよな。」
「俺たちの選んだ服と被らないかな。」
そう言われて、可能性があると思ったが、直ぐに、思い直す。
「なあ、リーシェルリアさんは、俺たちが選んだ服を知っているんだから、応対しているリーシェルリアさんが同じ物を選ばせると思うか? 」
「あっ、そうだった。」
「じゃあ、安心だ。」
ジューネスティーンに、そう言われて安心するカミュルイアンなのだが、アメルーミラの服選び以外に、ウィルリーンとシェルリーンの事が頭の中にあるのだ。
「これで、ウィルリーンとシェルリーンに、服を買う時も大丈夫だな。」
「多分。」
そう言って、お茶を一口啜る様に飲むと、カミュルイアンは、考え込むが、直ぐに、気を取り直して、ジューネスティーンに断りを入れる。
「俺、ちょっと、色々、みてくる。」
そう言って立ち上がって、周りの服を見始める。
流石に、レィオーンパードは、一緒に行くとは言わなかった。
ジューネスティーンと、一緒にお茶を飲んで待つことにする。




