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プレゼントの服

 

 男子3人が、恐る恐る、店の中に入ると、リーシェルリアが笑顔で迎えてくれた。


 近寄ってきたリーシェルリアに、ジューネスティーンが、話しかける。


「あそこに居る、背の高い方の亜人に、似合う服を探しているんですけど、選ぶのを手伝ってもらえませんか? 」


 それを聞いて、3人を見比べると、3人とも何となく恥じらった様な仕草をしているので、女の子に贈る服を選ぶのが初めてなのだと、リーシェルリアは感じ取とったのだ。


 リーシェルリアには、その3人の態度が、清々しく思えたようだ。


「ええ、構いませんよ。 それで、どんなのが好みなのかしら? 」


 ジューネスティーンは、アンジュリーンに言われた通りの事を伝える。


「自分達が、可愛いか綺麗と思った服で、彼女に似合うって話なんです。」


 ジューネスティーンは、緊張していたのか、全てを言えなかったのを、レィオーンパードとカミュルイアンが伝える。


「にいちゃん、ちょっと年上に見える方がいいって言ってたよ。」


「それに、エロくなくて、露出が少ない方がいいって、それでそれぞれの好みで選べって。」


 それだけ答えると、3人は、それ以上の話ができなくなってしまった。


 3人がモジモジしていると、リーシェルリアは気を利かせてくれた。


「じゃあ、3人が、それぞれ、別のものを選んで、プレゼントするのね。」


 一度に3着のプレゼント用の服が売れると思い、リーシェルリアの笑顔が更に輝く。


「分かりました。 私が、彼女が気にかけていた服を何着か持ってきますので、その中から選んでください。 それと、プレゼントなら、あちらの方でお待ち下さい。 それに彼女達、今、下着を選んでいますから、・・・。 ああ、それとも、一緒に選んで差し上げますか? 」


 ちょっと、いじわるそうにリーシェルリアが言うと、それを聞いて、3人は、一斉に首を左右に振る。


 思った通りの反応を、楽しそうに見て、クスクスと笑うと、直ぐに冗談だと伝える。


「冗談ですよ。 あちらでお待ちください。」


 そう言って、女子達とは反対の方に有るテーブルの方を示す。


 すると、ジューネスティーンは、申し訳なさそうに、リーシェルリアに伝える。


「すみませんが、あっちのエルフが、好みの色とか、色々、聞いてくれると思うので、その辺を加味した感じでお願いします。」


「分かったわ。 それを含めて、あなた方と、彼女が、気に入りそうな服にすればいいのね。 任せておいて❤️」


 リーシェルリアは、楽しそうにジューネスティーン達から離れて、女子達の方にいく。


 ジューネスティーンは、ため息を吐くと、指示されたテーブルの方に歩き出す。


「にいちゃん。 なんかすんごく恥ずかしいこと、俺たちしてるんじゃないの? 」


「何で、オイラもプレゼントする必要があるの? レィオーンパードと、にいちゃんだけでいいんじゃね。」


「おい、裏切るのか? 」


 カミュルイアンの一言に、凄みを効かせた目で睨むジューネスティーンを見て慌てる。


「いや、まぁ、オイラもプレゼントしようかなぁ〜。 いえ、します。 させて下さい。」


 ジューネスティーンの目を見て、語尾がだんだん変わりだす。


「お前は、これから、何人にもプレゼントする必要があるだろ。 今日は、その時のために、選ぶ時のポイントとか、喜びそうなポイントとか、覚えておいて損はないと思うぞ。」


「そうだよ、これから、100人位の奥さんを貰うことになるかもしれないんだ。 ちゃんと覚えておいた方がいいよ。」


 レィオーンパードが、ニヤニヤしながら言う。


「とりあえず、2人分は、用意する必要があると思うぞ。」


 そう言われて、どうしようかと考えて、おどおどしていると、ニタリと笑って、レィオーンパードが、カミュルイアンを茶化す。


「いやー、モテる男は、考えることが多くて大変だなぁ。 俺なんか、同種族の女の子なんて見たことないよ。」


 レィオーンパードが茶化すと、ジューネスティーンが、そのレィオーンパードに真顔で伝えっる。


「今日、3人が選んだ服をお前が代表して渡すんだからな。」


 そう言われて、現実を思い出す。


「まあ、その辺にしておけ、それより、冗談抜きに、ウィルリーンとシェルリーンに、何かしておかなくていいのか? 」


「・・・。」


 それを聞いて、沈黙してしまうカミュルイアンを見て、ジューネスティーンはアドバイスを送る。


「今日は、リーシェルリアさんに、少し相談しておけ、買う買わないは、別にいいけど、相手に何もしてあげない? いや、何かプレゼントとかを、あげる必要がある事になったら困るから、色々、見ておいて必要になったら、直ぐに、買うものを選べるようにしておいた方が良いかもよ。」


「うん。」


 カミュルイアンは、ジューネスティーンの言葉を、素直に聞くと、何か考え出したようだ。


 言われてみれば、カミュルイアンは、2人に対して、何をしてあげたでもないのだ。




 カミュルイアンは、2人のエルフ達の事を、そして、レィオーンパードは、アメルーミラに渡す時の事を考えつつ、少し憂鬱そうな顔をしている。


 ジューネスティーンは、そんな2人を見つつ、自分は何を選べば良いか考えてた。


 3人は、テーブルでリーシェルリアの選んだ服を待つことにする。




 しばらく、テーブルで、男子3人は、ゆっくりさせてもらっていた。


 向こうの方で、時々、アンジュリーンとアリアリーシャが、何かを話しているのが聞こえてきたが、話の内容までは、伝わってこなかった。


 だが、2人の声が聞こえてくるが、残り2人の声は聞こえてこなっかった。


 リーシェルリアは、5着の服を持ってジューネスティーン達のところに来る。


「ごめんなさいね。 下着選びに、結構、時間がかかってしまったわ。 でも、彼女達も上着の方になったわ。 それで、彼女の好みとか聞けたけど、色とかは、特に気にしないみたいだったわ。 でも、地元では、明るい色の服は着ていなかったみたいよ。 だから、明るい色なら何でも良いみたい。 なので、彼女が気にしていた中で、あなた方が良いと思うのは、このあたりかなと思って持ってきたわ。」


 そう言って、テーブルに並べていくと、それを見入る男3人という、変な図式になっている。


 テーブルに置くと、リーシェルリアは、気合が入っているようだ。


 まだまだ、いいものが有ると思い、女子達の様子を伺いながら、男子3人の様子を確認している。


 リーシェルリアの視線は、アメルーミラの目に止まった服をチェックしているようだ。


 男子3人の様子から、こっちも、すぐに、決まらないだろうと思ったのだろう、アメルーミラが、気になっていた様子の服を視線で確認すると、男子達に話しかける。


「もう少し持ってくるから、少しみててね。」


 そう言って、服を取りにいく。


 残された男子3人は、リーシェルリアが、持ってきてくれた服を確認する。


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