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アメルーミラの試験結果

 

 ジューネスティーン達がバスルームから出てくると、着替えを終えてから一階の食堂で夕食をとるために部屋を出る。


 食堂に入ると、アズミーシャが、席に案内してくれた。


「料理はお任せで、7人分、頼むよ。」


「かしこまりました。」


 アズミーシャは、笑顔で答えると、厨房に行く。




 ジューネスティーンは、アズミーシャを見送ると、アメルーミラに向く。


「今日、色々と見せてもらった。 それで、結論から言うと、準メンバーとしてこれからもよろしく頼む。」


 一瞬、緊張したような顔をしたアメルーミラだが、直ぐにホッとした。


「よかったね。 ルーミラ。 これからもよろしくね。」


 その際にしばらく一緒に狩をすることになる。


 アメルーミラは、準メンバーとして一緒に行動することとなる。


「それで、今日のような魔物だったら、大体は、個々に狩る事になるので、その際は、倒した魔物のコアは、自分の報酬として欲しい。 ギルドに戻ったら、個々に換金してもらう。 それと、後は、ルーミラの能力以上の魔物と戦うことが想定されるんだが、その時は、ルーミラには、荷物番をしてもらう事になる。 特に、馬車の管理になる。 その時もちゃんと報酬は出す。」


 アメルーミラは、ジューネスティーンの話を聞いていたのだが、後半の自分の能力以上の魔物と聞いて、顔を顰めていた。


「ああ、ルーミラ、今後の話になるが、ギルドからは、東の森の魔物の退治の依頼は、全て俺たちに来る事になっているんだ。 流石に大陸一の魔物の討伐の時は、一緒に戦わせる訳にはいかないので、その時は、荷物板をしてもらいたいんだ。」


「東の森の魔物って、そんな強い魔物と戦う事になるんですか。」


「ああ、一度、帝都に入る前に倒しているので、帝都のギルド支部からは、俺たちに依頼を回すと言われているんだ。 だから、その依頼の時は、離れた所に馬車を置く事になるので、荷物番をして欲しいんだ。」


「分かりました。 その時は、荷物番で構いません。」


「それと、その時の報酬だけど、ルーミラには、10%を支払うよ。」


 アメルーミラは、少し怪訝そうな顔をする。


(私は、その時は、荷物番なのよね。 戦闘には参加しないのよね。 私を入れて7人なら、10%も貰っても良いのかしら? 私が10%で残りが、90%だから、・・・。 他の人の取り分は、どうなるのかしら。)


 アメルーミラは、ジューネスティーンに聞き返す。


「あのー、他の人の取り分はどうなるのですか? 」


「ああ、その時は、一人当たりの取り分が12%で、残った18%がパーティーの預金となるな。」


 それを聞いて、アメルーミラは、困ったような顔をする。


「あのー、それでは、私の取り分が多すぎると思います。 私は、ただの荷物版なら、報酬を貰う必要は無いと思うんです。 その時の報酬は頂く事はできないと思います。 なので、その時は皆さんで報酬を分けてもらえれば良いと思います。」


 意外な答えだと思っていると、レィオーンパードがアメルーミラに声をかける。


「帝国も広いけど、東の森も結構広いんだよ。 だから、馬車で移動することも多いし、近くに宿屋もなければ、結果として野宿になるだろうから、その時の馬車の番だって重要な役目なんだよ。」


「そうよ、ルーミラ。 戦いというのは、実際に戦っているだけが戦いじゃないのよ。 戦うためには準備も必要になるし、場合によっては、剣や弓の修理が必要になる事もあるのよ。 その時に後方に拠点があれば、そこで、対応できるし、それに食料の補給もだけど、消耗品の補給とかを面倒を見てくれる人が居ると助かるのよ。 だから、あまり気にしないでいいのよ。」


 アンジュリーンに言われると、アメルーミラも、それなりに納得したようだが、まだ、完全には納得できてないようだ。


「なんだか、危険度の違いが、違い過ぎるような気がします。 それなら、私の取り分は、3%でもいいのではないですか? 」


「そうかもしれないが、ルーミラの今日の結果を見ていて思ったんだ。 君なら、直ぐに強くなれると思ったんだよ。 だから、その強さもあるから、報酬は10%にしようと考えたんだ。」


「ですが、流石にそれでは。」


 意外にアメルーミラは、引き下がらないので、ジューネスティーンも困ったような顔をする。


「じゃあ、8%でどうだろうか、俺たちが12%で預金に20%ならどうだろうか?」


「いえ、6%です。」


 アメルーミラは、攻撃に参加する側の半分を提示してきた。


 その顔を見ると、これ以上は絶対に譲りそうもなかった。


「わかった。 じゃあ、ルーミラは、6%で、俺たちが12% 預金が22%ということでいいかな。」


「はい。 それでお願いします。」


(別れた後のために、貯めておいた方が良いと思うのだが、ルーミラは意外に頑固だな。)


「ああ、それと、報酬は、最初に必要経費を引いた後の金額となるから、全員の食費、滞在の為の宿屋の費用とか、全てを引いた後になるから、ギルドからの受け取った費用を直ぐに分配するわけじゃないからね。 その辺は、理解しておいてほしい。」


「つまり、移動に高額な宿屋を使ったり、高い食堂を使ったりしたら、その費用は、必要経費として、報酬から差し引かれて、残りの金額が少なくなってしまった後に、さっきの比率で分配されるってことですね。」


「ああ、そういうことだ。」




 ジューネスティーン達との食事が終わって、自分の部屋に戻る。


 アメルーミラにとって、ジューネスティーン達と一緒の時間は、至福の時間と言える。


 嫌な過去を忘れてひたすら自分の実力を高めるために、戦いのノウハウを教えてくれるジューネスティーンやメンバーには大変感謝もしている。


 だが、夕食が終わって1人になったら、ヲンムンの顔を思い出す。


 呼び出しが起これば胸の奴隷紋が痛み出すので、その呼び出しの痛みを待つのは嫌な時間となる。


 何も無く明日の朝まで過ごしたいと思う。


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