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初めてのバスタブ、明日の予定


 女子4人が、体を洗い終わった頃には、バスタブの湯も半分ほど貯まったので、その中に、アンジュリーンが入っていく。


「ちょっと、まだ湯が足りないから、みんなも一緒に入って。」


 半分位まで貯まった湯の中に、4人の女子が肩を触れながら、しゃがみ込むように座ると、湯はバスタブの八分目まで上昇した。


 バスタブの中に、女子4人が横に並んで座っている。


 変な光景だが、アメルーミラは、始めて入る風呂に感動を覚えたようだ。


 お湯の暖かさが、体にジワジワと浸透してくるのがわかると、その暖かさが、体に浸透してくるので、体から疲れが抜けるのがわかる様子だ。


 昨日のマッサージのように、体を洗ってもらった時も、気持ちよかったが、湯に浸かる気持ちよさを感じているのだ。


「どお? 湯に浸かるのも、気持ち良いでしょ。 昨日は、お腹を空かしてたから、シャワーだけで済ませたけど、こうやって、湯に浸かるのは、疲れが抜けるような感じじゃ無いかしら。」


 アンジュリーンは、しみじみとアメルーミラに聞く。


「その通りですね。 始めて湯に浸かりました。 湯に浸かるのって、こんなに気持ちがいいものなんですね。」


 アメルーミラは、うっとりしたように答える。


「そういえば、さっき、魔法で服を出していましたけど、あの魔法は、どんなに大きな物でも入るんですか? あんな魔法が使えるなんて羨ましいです。」


 湯に浸かった気持ち良さで、何気に収納魔法の事を聞くと、シュレイノリアは答える。


「物なら、大概の物は入れられる。 大きいものも平気。」


(あー、大きな物も入れることができるのか。)


 アメルーミラは、そう思うと、考えが飛躍したようだ。


「じゃあ、家なんかも入れられると、いいですね。」


 アンジュリーンは、それを聞いて、可笑しな事を言うと思ったような顔をするが、シュレイノリアは、今までの事を思い出しつつ答える。


「家は入れた事が無いから分からない。 今までに、一番大きなものを入れたのは、張ったままのテントだった。 でも、家が入れられたら、面白いかもしれない。」


 それを聞いてアンジュリーンが慌てる。


「家なんか、収納魔法に入れられたら、周りが迷惑よ。 隣の空き地に、朝起きたら家が有ったり、隣の家が消えてしまったら、その住人が驚いて腰抜かすわよ。 便利さの追求も、度が過ぎると、大変なことになるかもしれないから、試すなんて考えないでね。」


「分かった。」


 シュレイノリアは、アンジュリーンの言葉に素直に従う。


「はーっ。 気持ち良いぃ。」


 バスタブに、女子4人が並んで、肩を寄せ合って、湯に肩まで浸かって、ほのぼのとしている光景は、やすらぐ。




 のんびりと、女子4人が、バスタブに浸かっていると、突然、シュレイノリアが出る。


 長湯が苦手なシュレイノリアは、1人先にバスタブから出て、洗濯物の水の球を新しい水に変えると、もう一度、体を洗い始める。


 それは、残り3人が、湯に浸かったまま、動こうとしないので、時間を潰すために、もう一度体を洗い出したのだ。




 4人の女子が、バスルームを出ると、レィオーンパードが、イラついたような顔をしている。


「遅いよ。」


 そう言って、入れ替わってバスルームに、レィオーンパードが入っていくと、その後を、カミュルイアンも続いてバスルームに入っていく。




 出てきた4人はいつものように洗濯物を干すと、髪の毛を乾かして先ほど出しておいた服に着替える。


 すると、アンジュリーンが、3人に提案をする。


「ねえ、明日は、買い物に行かない。 アメルーミラは替えの服も無いし、何時迄も借り物って訳にもいかないし、それに買い物は良いわよ。 お風呂は体をリラックスさせるけど、買い物は心をリラックスさせるわ。」


「そうね。 私もぉ賛成ですぅ。」


「私は、別に、どっちでも良い。」


 メンバー2人の同意を得て、アンジュリーンはアメルーミラをみる。


 アメルーミラとしても、下着から上着まで、毎日、借りっぱなしというのは気が引けた。


 見た事が無かったワンピースの綺麗な服を借りることが出来たのは嬉しかったが、毎日、下着から上着まで、全てを借りるのは気が引けていたので、その提案にのることにする。


「ええ、私も、毎日、借りてばかりだと、気がひけるので、そうしてもらえたら助かります。」


「じゃあ、決まりね。 明日は、買い物に出かけよう。」


 それを聞いて、ジューネスティーン達に了解を取らないで決めても良いのかと思ったのだ。


「あのー、ジューネスティーンさん達は、狩に出たいのでは? 」


 恐る恐る、アメルーミラは、アンジュリーンに聞くと、何食わぬ顔をアメルーミラに向ける。


「ああ、多分大丈夫。 それより、あんたが、日常生活に支障をきたしている方が問題だから。」


 そんな物なのかなと、思っている心の中が顔に出たのか、アンジュリーンが話を続ける。


「大丈夫。 大丈夫。 絶対に、ダメなんて言わないから。 安心して。」


 少し気になるが、アンジュリーンが、自信を持って言うので、そうなのだろうと思うことにする。


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