シュレイノリアの練習とアンジュリーンとカミュルイアンの戦闘スタイル
ジューネスティーンは、周囲を警戒しつつ、最後に倒した魔物のコアと、アンジュリーンとカミュルイアンの倒した魔物のコアも拾うとシュレイノリアの元に戻ってきた。
“アトラクト” によって、ピンポイントで魔物を1匹だけ集められれば、集団で居る魔物でもその中から、弱い魔物から順番に倒していくことが可能となるので、何とか、確実に1匹を狙って呼び寄せたいのだ。
「シュレ。 今の範囲だと1匹を狙って誘き寄せるのは難しいのか? 」
シュレイノリアは、少し考えるが、直ぐに答える。
「多分、慣れだけだと思う。 今も範囲を狭めたつもりだった。 だが、5匹を誘き寄せてしまった。 魔力量が多すぎたのだと思う。 魔力量を抑えられれば、多分可能だと思う。」
シュレイノリアは、魔力量を調整すれば、複数の中から1匹を引き寄せることも、できるようになるかもしれないと言った。
シュレイノリアが、言うのなら、可能性はあるのだろうと考えられる。
「それは、練習すれば、1匹でも引っ張れるって事なのか? 」
「そうだ。」
シュレイノリアは、肯定した。
慣れてくれば、1匹の魔物を誘き寄せることも可能ならば、戦略的にも、かなり組立が楽になるのだ。
今後、行くであろう、東の森の魔物のことを考えると、何も分かってないと考えた方が良い。
先日、遭遇した東の森の魔物と対戦した時のことを考えれば、複数と遭遇する可能性はある。
ならば、可能な限り1匹を誘き寄せることができれば、生存率は高くなる。
ここで、シュレイノリアの “アトラクト“ の精度が高くしておくのは、有効な手段を手に入れることになる。
(見込みがあるなら、シュレイノリアにできる様になってもらった方がありがたい。)
ジューネスティーンは、考えがまとまると、シュレイノリアに伝える。
「分かった。 それじゃあ、今の様な感じで、何度か同じ事をやっていこう。 1匹だけを誘き寄せることが出来るようになるまで、今の感じで倒していこう。」
すると、アンジュリーンが、まったをかけてきた。
「ねえ。 丁度良いから、私達にも剣で倒させてよ。 こっちも剣にもっと慣れておきたいから。」
アンジュリーンとカミュルイアンが、剣を使って戦うことができるのなら、戦略の組み方も増えてくる。
パワードスーツを使っての攻撃となれば、防御力も上がるので、中距離だけを受け持ってもらうだけよりありがたい。
特に、ユーリカリア達との狩の時、Bランクの魔物でも、接近戦をできる手数は増やしておきたいと思っていたので、アンジュリーンの提案は、ジューネスティーンのように戦略や戦術を考える側からしたら、ありがたい提案と言ってよい。
「ああ、それもそうだな。」
ジューネスティーンもアンジュリーンの言っている事がもっともだと思ったのだ。
「じゃあ、次は、シュレが呼び寄せて、アンジュとカミューで対応してもらうか。 あと、シュレのガードは、姉さんと2人で対応するから、失敗しても気にせず、対処してくれ。」
「「OK。」」
2人も了解した。
「じゃあ、姉さん、次の魔物を探してもらえるか。」
「はいぃ。」
そう言うと、次の魔物の探索に入り、同じ様に魔物を狩り始めることにする。
シュレイノリアの魔法も、最初は、5・6匹の魔物を呼び寄せてしまっていたが、徐々に精度が上がり、最後は1匹を誘き寄せる様になった。
また、手前に何匹か居ても、奥の1匹に絞ることも可能だと分かったことで、戦略面で有利な魔法になった。




