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シュレイノリアの練習

 

 アメルーミラが魔物を狩って、レィオーンパードがフォローとなって、2人が魔物を狩り始めるとアンジュリーンが、このまま自分たちは、ボーッとしているのかと思ったのだ。


 このまま、5人でボーッと2人の狩を見るのでは面白く無いので、自分達も何かしたいと考えてジューネスティーンに尋ねる。


「ねえ、私達はどうするの。 このまま、あの2人を見てるだけなの? 」


「そんな事は無い。 これからシュレイノリアの、 “アトラクト” の確認をする。 単体に掛けられるかどうかで、使い所が変わってくるからその辺りの確認を行う。」


「成る程ね。 じゃあ、こっちも少し動きましょう。」


「ああ。」


 そう言うと、レィオーンパードに、自分達も狩を始めるので、別行動をする事を伝える。


「おーい、こっちは、魔法の確認してるからなー。」


 大声で伝えると、レィオーンパードは分かったと言う様に右手を上げて答える。


「じゃあ、あいつらに影響を与えると不味いから、少しあっちに移動して試してみよう。」


 そう言うと、ジューネスティーン達も動き出す。




 レィオーンパード達とは、300m程離れた所に来ると一緒に来た4人に話し始める。


「じゃあ、シュレイノリアの、 “アトラクト” の確認ね。 アリアリーシャは、どの範囲の魔物を呼び寄せたのか確認しておいて欲しいから、最初にターゲットを指示してくれるか。 それと、なるべく多くの魔物がいる所を指示して欲しい。」


「分かりましたぁ。」


 魔物を見つけるのは、シュレイノリアのサーチでも良かったのだろうが、あえて、アリアリーシャに探してもらうことにした。


 シュレイノリアには、魔物の位置が見えているのだろうが、アリアリーシャの感を衰えさせない事と、可能な限り仕事を与えて、必要とされていると認識させる事を兼ねている。


 ジューネスティーンは、アリアリーシャへの配慮と、シュレイノリアの訓練なので、自分の都合の良い魔物だけを選ばせない為にアリアリーシャに探索を依頼したのだ。


「シュレイノリアは、指示された魔物の1匹を引き寄せて欲しい。 それと徐々に難しい事にも挑戦してもらうから、よろしく頼む。 お前の魔法の有効性が高くなれば、パーティーとしての対応も楽になるからな。」


「分かった。」


「後は、向かってきた魔物退治ということで。」


 アンジュリーンとカミュルイアンが同時に答える。


「ええ。」


「分かった。」


 役割分担が決まった所で号令する。


「じゃあ、はじめようか。」




 アリアリーシャが魔物を探し出してもらうと、直ぐに近くの魔物を見つけてくれた。


「あの辺りですぅ。 ちょっと近くに5匹居ますけど、どうしますかぁ。」


 ジューネスティーンは、アリアリーシャの指示する方を確認すると、自分でも確認できた様だ。


 50m程先の方に、10m四方の範囲の中に5匹の魔物を確認できた。


 ジューネスティーンは、それを見て納得した様な顔をすると、シュレイノリアに話しかける。


「シュレ、あの辺りなんだけど、10m以内に5匹居るから、その中の一番中央に居る魔物だけを誘き寄せてくれ。」


「随分と注文が多いな。 試してみる。」


 その指示を受けると、シュレイノリアは、ジューネスティーンとアリアリーシャの前に立つと、魔物に向かって杖をかざす。


 シュレイノリアは、基本無詠唱で魔法を発動させるので、その動きを見て、周りの4人が警戒に入った。




 すると、直ぐにターゲットの魔物だけでなく、5匹の魔物が一斉にシュレイノリアに向かって走り出してきた。


「先頭の一匹を狙う。」


 シュレイノリアの動きを見て、いつでも弓を引ける様にしていたカミュルイアンが、シュレイノリアの直ぐ右横から、先頭を走ってくる魔物に矢を射った。


 その矢は魔物の喉元に刺さると、魔物は、体を一瞬引き攣らせると、つんのめる様に倒れる。




 すると、一番左を走っていた魔物にアンジュリーンの矢が刺さる。


 左に配置していたので、狙いやすかったのだろう。


 カミュルイアンに僅かに遅れて、アンジュリーンも矢を射っていたのだ。


 カミュルイアンの声を聞いて、狙いを左の魔物に狙いをつけて狙撃していたのだ。




 2人の狙撃が終わると、シュレイノリアの前にジューネスティーンとアリアリーシャが出る。


 カミュルイアンとアンジュリーンも、弓を置くと、腰の剣に手をかける。


 残り、3匹となったので、接近戦の相手も楽になる。


 3匹のうち右側の2匹がほぼ平行に向かってきており、もう1匹は、その2匹より遅れて、少し左側から向かってきている。


 ジューネスティーンは、迫ってくる魔物を見て、アリアリーシャに指示を与える。


「姉さん、右の1匹をお願い。 残りは、俺がやります。」


「はいぃ。」


 そう言うと、2人は剣を引き抜くと、魔物に向かって走り出す。


 走り出した2人の後に、アンジュリーンとカミュルイアンが、2人に代わってシュレイノリアの前に出て、魔物の襲来に備える。




 走ってくる魔物は、シュレイノリアの魔法によって誘き寄せられているので、その途中に居る人も動物も気にする事なくシュレイノリアに向かっていく。


 先頭の2匹をジューネスティーンとアリアリーシャが外側から魔物に向かう。


 アリアリーシャは、左利きなので、左手に剣を持って、右手を添えて、地面に切先を向けて魔物に向かう。


 ジューネスティーンは、右利きなので、アリアリーシャとは対照的に右手で持っていた。


 ジューネスティーンもアリアリーシャと同じ様に地面に切先を向けている。




 2人は、魔物が目の前に迫った時に切先を上に上げて、魔物の首を落とす。


 ジューネスティーンは、その切先を振り上げたその勢いを借りて、弧を描く様に今度は左の地面に切先を下げると、残りの1匹の魔物の首を下から切り上げて落とす。




 弓の攻撃で2匹と剣の攻撃で3匹の魔物を一瞬で倒してしまったのだが、直ぐにジュネスティーンは、アリアリーシャに指示を出す。


「姉さん、これ以外に向かってくる魔物は居ない? 」


 アリアリーシャも抜かりは無い。


 自分の受け持った1匹を倒した後、直ぐに周囲に聞き耳を立てて、目でも周りを警戒したいた。


「大丈夫そうですぅ。」


 それを聞いて一安心する。


 後ろのカミュルイアンとアンジュリーンも警戒を解いた。


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