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アメルーミラの評価

 

 ライフリングの事を考えていると、アンジュリーンが、ジューネスティーンの横に来て、アメルーミラの事を聞いてくる。


「どうだった。 彼女。」


「ああ、悪くないと言うより、かなり良い。 直ぐに、ある程度の戦力として使えるようになると思う。」


 アンジュリーンは、意外な回答だと思った様子で表情に出している。


 在学中の時には、初年度の初めこそ、パーティーの誘いは無かったが、ジューネスティーンが、頭角を表してくると、かなり多くの学生からパーティーの誘いや、一緒に入れて欲しいと言われたのだ。


 結局、ソロになった学生は、新メンバーに入れることもなかったし、誘われても、別のパーティーに移ることも無かったのだ。


 その時の事を知っているアンジュリーンは、今回もダメだろうと思っていたのだが、直ぐに戦力として使えるだろうと言ったのは意外だったようだ。


「へー、驚いた。 そんなに褒めるなんて珍しいわね。」


「そうか。 ダメな部分はある。 でも、それだけを見るなら、ダメだろうけどな。 そのダメな部分に隠れた良いところを見れば、人の成長は見えてくるんだ。」


「ふーん、人の良い部分ねぇ。」


 それなら、在学中にも、いい冒険者になれそうな人も、いたのではないかと思ったようだ。


「ああ、人は良い部分も悪い部分も持っている。 悪い部分は目立つが、良い部分は見過ごされやすいんだ。 悪い部分は、一緒にいて改善させれば良いが、良い部分を伸ばすのは、その良い部分が見えなければならない。 でも、悪い部分が、それを隠してしまうんだ。 それが、年長者や、上に立つ者には、必要だと思う。」


「そうね。 シュレイノリアの才能を使いこなせるのは、あんただけだものね。 ギルドの高等学校で、生徒でも教授達でも、シュレイノリアの才能を使いこなせなかったのだから、その通りなのかもね。 それにあんたは、教授達の中に受けが良くなかったわね。」


 アンジュリーンは、学校の時のことを思い出し、て少しニヤけたような表情を見せる。




 シュレイノリアの魔法センスは、世界の魔法概念を変えてしまう程なのだが、在学中は、シュレイノリアの魔法は、ただ、凄いで終わってしまった。


 教授陣から魔法の説明を求められても、シュレイノリアの説明下手なせいで、理解されなかったことが、多々あったのだが、ジューネスティーン、1人が、その説明でも理解していたのだ。


 現にジューネスティーンのメンバー全員が魔法を使えるようになったのは、シュレイノリアの説明を、ジューネスティーンが、解説してくれたから、できたと言って良い。


 ただ、冒険者になるための学校なので、一通りの魔法についての概念を教えられる。


 そんな中で、時々、魔法が使えなかった人が使えるようになる事もあるので、アンジュリーン達が、魔法を使えるようになったと聞いても、周りからは、そんな事もあるのだ、たまたま、ジューネスティーン達のメンバーが魔法を使えるようになっただけだと、思われていたようだ。


 人は、自分の考えを否定された事があれば、次からは、その人の話を聞くのは難しい。


 特に、自分達が、上位者と思っている教授陣の、鼻を明かしてた2人は、教授陣からしたら、目の上のタンコブのようなものであった事から、新たな概念などは、教授陣に受け入れてもらえなかったので、ジューネスティーンもシュレイノリアも、そのような教授陣を面白くは思ってなかった。


 ジューネスティーンが主席で、シュレイノリアが次席で、ギルドの高等学校を卒業しているが、そんな教授陣に有無を言わせないように、試験には必ず好成績を取るようにしていた。


 周りに合わせて魔法を抑え、相手の力より少し強い程度であると、2人の評価は、落とされてしまうとわかった時から、魔法に関する試験の際は、圧倒的な力差を見せつけるようにしたのだ。


 しかし、シュレイノリアは、最終学年から、周りの様子を見て、かなり、魔力を抑えた魔法だったが、それは、高等学校にある魔法に関する書物のお陰で、飛躍的に魔法力が伸びたのだ。


 主席・次席の違いは、ジューネスティーンの方が、格闘戦に長けていたので、その違いで主席・次席になった程度だ。


 だが、魔法については、流石に、ジューネスティーンもシュレイノリアには敵わなかったのだが、格闘・実戦で、ジューネスティーンが優位だったことで、ジューネスティーンが主席、シュレイノリアが次席になったのだ。


 だが、三席との差は歴然だったので、ギルド本部の直轄であるギルドの高等学校なので、ギルド本部の手前、教授陣もそれを覆して席次を決める事は出来なかった。


 また、他の学生からも座学の授業などでは、教授陣の授業を聞いて分からなかった時は、ジューネスティーンに聞く生徒が多く、授業が終わると、ジューネスティーンの周りで、今の授業の解説をしてもらう事が多かった事から、ジューネスティーンも教授陣からの受けが悪かった。


 会社のような組織なら、実績が売上や利益として明確に出るので、悪い部分を指摘されれば、下位から言われても修正するだろうが、学校のような組織で、教師に、生徒が指摘されて納得し改善するなんてことは、とても難しい。


 教える側のプライドもそうだが、他の生徒に対して優位性が失われる可能性が高いので、自分の意見を曲げない事が多くあったのだ。


 そのため、試験という試験について、2人は徹底的に対策して好成績を残したのだ。


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