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レオンの攻撃の解説

 

 ジューネスティーンは、抜いていた剣を鞘に収める。


 そして、アメルーミラの前に出ていたアリアリーシャも、左手に持った剣を鞘に収めると、アンジュリーンとカミュルイアンは、地面に置いておいた弓を拾う。




 ジューネスティーンは、レィオーンパードの剣の動きがアメルーミラに確認できたか聞く。


「今のはみえた? 」


 レィオーンパードの剣技を見て、惚けてしまっていたアメルーミラに、ジューネスティーンが声をかけた。


「あっ、えっ、ええ、見えました。 左・右・左って、流れる様に剣が動いて、魔物の首を切り落としていました。 凄かったです。」


 それを聞いたレィオーンパードが、ドヤ顔をしているのをよそに、ジューネスティーンは解説する。


「まあ、少し無駄な動きも有ったけど、今の様に基本は首筋を狙うんだ。 それと、向かってくる時、手前から順番に対応するのにも意味が有るんだよ。 左右から同時に襲い掛かられたら、1匹を対応している間に、もう1匹に攻撃されてしまう。 その場合は、1匹を倒したけど、もう1匹の魔物に負けてしまうことになる。」


 ジューネスティーンは、時間差をつけた1対1での戦い方の説明をする。


 その時に2匹を同時に扱った場合の事も伝えて、危険度を伝える事も、忘れてなかった。


「それは、自分が怪我をするか死に直結する。 だから、その前に相手の攻撃に時間差をつけて、必ず1対1になる様にしてるんだ。 向かってくる魔物の通過するタイミングを考えて対応する。 これを絶対に忘れてはいけない。」


 ジューネスティーンは、弱者の法則について簡単な説明を始めた。


 個々の戦闘力が、相手より優っても、複数の敵に、同時に攻撃されると戦闘力が高い場合でも、負ける事はある。


 ソロプレーになる事が多いと考えられるアメルーミラなら、そういったことも理解して戦うことを覚えてもらおうと思ったのだ。


「それと、シュレイノリアを狙っていたから地を走る魔物に対峙したので、切先が地面スレスレに下げてから斬り上げたけど、自分に向かって来る魔物は、あの大きさなら、直前で飛び上がって、首筋を狙って噛み付いて来る。 だから、あそこ迄、切先を下げる事はない。 それと、下から斬り上げるのは、万一、首を落とせなかった時の事を考えてやってるんだ。 刃が少し遅れた時でも、あれなら胴体に刃が入るだろう。 今の様に首を落とせなかったとしても、胴体に刃が入れば、即死とは言わないけど、致命的なダメージを与える事ができる。」


 そう言って、刀を持った時のような仕草で、ジューネスティーンは腕を振ると、話を続ける。


「それに少し斜めに斬り上げていたのは、向かって来る魔物に向かって刃が入るから、自分の力と魔物の突進して来る方向とで、相対速度が上がるから刃も深く入る。 だけど、上からだと頭が邪魔になる。 背骨もある。 硬いものが多いから、可能な限り、リスクは避けるようにする。」


 ジューネスティーンの説明に、アメルーミラは、真剣に考えていた。


 動物の骨格について考えてみると、確かに、硬い部分が多い、首なら、大きな血管が有るのなら、首を落とせなくても、血管を切ることができれば、致命傷にもなる。


 アメルーミラは、ジューネスティーンの話を聞きながら、その意味を考えていた。


「上からの場合は、頭から真っ二つに分断する事になるから、頭の硬い骨を貫かなければならない事になる。 だから、衝撃も大きくなる。 斬った時の衝撃で手が痺れたら、次の魔物を斬る時の握力が同じだけあるとは思えない。 握力を失って剣に力が入らなかったり、最悪の場合は、剣を落としてしまう事になったりする。 この魔物は、角が無いからいいけど、角のある魔物だと、角が邪魔になったりするから、首を下から狙っているんだ。 魔物に対してなら、いつも同じ様に、剣を使う方がいいだろうね。」


 そう説明をすると、さっきの攻撃を思い出してアメルーミラが、レィオーンパードの動きとジューネスティーンの解説を聞いて考察する。


「わかる気がします。 でも、あんな上手に、私が出来るかは別ですけど。」


 それを聞いたレィオーンパードが、話に入ってくる。


「最初からそんなに上手くいくわけはないよ。 何度も練習したからできたんだよ。」


 アメルーミラは、自分が初心者となると、レィオーンパードの動きは、自分にはできないのかと、少しがっかりした様になる。


「その通りなんだ。 とりあえず正解に近い方法を見ておく事でイメージし易くなるから、今の動きは後で練習してみてね。 見た通りの動きを、何も無い所で行うんだ。 シャドーとも言うけど、魔物が襲ってくる時のイメージを描いて、それを体捌きと剣を動かしてトレーニングするんだ。」


 アメルーミラは、そう言われて、レィオーンパードの動きを思い出して、体を少し動かしていた。


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