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新大陸の冒険 〜魔物の討伐〜


 レィオーンパードに年齢の話をされて、イラッときていたアンジュリーンだが、間を置いたことで、思考の切り替えも出来たようだ。


 レィオーンパードの剣の事を考えると、今の時点での攻撃手段がなくなってしまったのも事実なのだ。


「それもそうね。 矢の攻撃と言っても、火魔法と雷魔法の付与された魔法の矢で、その程度なら、レオンの剣じゃ傷もつかないわね」


 がっかりしたような声で、アンジュリーンが、ぼやくように言う。


 その声には、想定の範囲内だと言ったようなニュアンスも有った。


 アンジュリーンの言葉を聞いて、流石にレィオーンパードも、ムッとしたようだ。


「流石に、それはないんじゃないの」


 さっきは、お前が攻撃しろと言っていたのに、反論されたら、それに納得して、効果が出ない事を口にしてくれたのだ。


 少し考えれば、分かるようなことを、思いつきで言われた事が、レィオーンパードには、面白くなかったのだ。


 アンジュリーンと、カミュルイアンの弓による攻撃でも、効果が見られない事、魔物の大きさから、アリアリーシャとレィオーンパードの剣による攻撃でも効果がなさそうだ。


 そうなると、4人の攻撃では打つ手が無いと思ったようだ。




 その、アンジュリーンとレィオーンパードの、呑気なやり取りを聞いて、囮りとして魔物に追いかけられているアリアリーシャは、流石にこの先が心配になる。


「ちょっとぉ、囮りの私はどうなるのよ。 このままにしないでよぉ」


 自分の状況を、不安そうに、周りに伝える、アリアリーシャの声を3人が聞くと、アンジュリーンがため息を吐いた。


「ねぇ、ジュネス。 アリーシャが、ああ言っているけど、そっちの準備はできたの?」


 アンジュリーンが、ジュネスティーンに聞くのだが、返事がない。


 ジューネスティーンが、動けないとなると、アリアリーシャを助ける手段がなくなってしまうので、アンジュリーンは、少し焦った様子になる。


 ここまで余裕な様子でいたのは、まだ、この先の攻撃手段が有ったのだが、その様子から、何らかの不具合が有ったのか、その攻撃手段が使えないのかもしれないという不安が過ぎったようだ。


「ジュネス、そっちはどうなのよ」


 答えの無いジューネスティーンに、アンジュリーンは、もう一度確認をするように、強く聞いた。


「ごめん。 今、準備ができた。 こっちも捉えたから、もう直ぐ攻撃に移るよ。 でも、ちょっと遠いかな」


「ジュネスまで、呑気なこと、言わないで!」


 ジューネスティーンの反応も、呑気な対応だった事で、アリアリーシャは、不安になったようだ。


 アリアリーシャは、かなり慌てているようだ。


 自分は、追われる身であって、下手をして魔物に噛みつかれたり、踏みつけられてしまったら、命は無いと考えているのだ。


 その、万一になった場合が頭を過ぎるので、周りの呑気な対応に自分の身の危険を感じたようだ。


「ちょっとぉ、こんなに、大きな魔物に追われているぅ、私の身にもなってよぉ。 いくら、パワードスーツの防御力が、優秀だって言っても、限度があるわよぉ。 こんな魔物に踏みつけられたら、流石に外装骨格だって持たないわよぉ」


 呑気そうに答えた、ジューネスティーンに、アリアリーシャは、悲痛な声で抗議をした。


 しかし、周りは、アリアリーシャが、いつもの様子で語尾を伸ばす言い方をしていることから、周りは、それほど気にもしてないようだった。


「だって、姉さん、タイミング早いよ。 こっちの準備が、終わったらって、言ったのに、その前に引き始めちゃったんだから、少し反省してよ」


 ジューネスティーンも、アリアリーシャには、まだ、余裕が有ると思ったのか、言い訳をした。


「何言ってるの! 情報だと5メートルだったのよ! 大きさが、全然違ったじゃないのよぉ。 10メートルって、情報の倍じゃなのよ。 指定された場所に行ったら、この魔物に上から覗き込まれたのよ。 見つかっちゃったんだから、仕方がないじゃないのぉ。 これじゃあ、こっちの身がもたないわよぉ」


 ただ、その割には、ホバーボードの性能を考えると、魔物の走る速度より、もっと早い速度が出るはずなのだが、高速で吹っ切るようなことはせずに、一定間隔を空けたまま、追いかけられているのだ。


「分かった。 じゃあ、一発撃ってみる。 この距離だと、当たらない可能性も有るけど、とりあえず、牽制にはなると思うよ」


 ジューネスティーンは、アリアリーシャの悲痛な叫びを聞いて、妥協案を出した。


 距離的に少し遠いと言っていたので、想定している距離より遠いのだろうが、仕方無さそうに何かを撃とうとしているようだ。




 ただ、アリアリーシャは10メートル級の魔物に追われる身であって、気を抜くと一気に距離を詰められたりしているので、気が気では無いのだ。


「どうでもいいから、早く撃って!」


 アリアリーシャは、後ろから追いかけてくる、10メートル級の魔物との距離を保ちつつ、ホバーボードを滑空させていると、頭の上を何かが通り過ぎたような気がした思った瞬間、後ろで何か大きな爆発音がした。


 何かと思って、後ろを確認しようとした瞬間に、強い突風に煽られたので、後ろの確認をするのは突風をやり過ごした後にして、バランスを取っていた。




 すると、今度は、前の方から、乾いた爆発するような音が聞こえてきたと思うと、後ろで大きな物が、地面に落ちたような音を聞いた。


 アリアリーシャは、後ろを振り返ろうとした瞬間、レィオーンパードが声をかけてきた。


「姉さん。 終わったよ。 もう囮りの必要はないよ」


 レィオーンパードが、アリアリーシャに話しかけた。


 アリアリーシャは、後ろを振り返ると、さっきまで追いかけてきた10メートル級の魔物の首から上が無くなって倒れていた。


 アリアリーシャは、ホバーボードのスピードを緩めてから、Uターンして魔物の近くに行く。


 アリアリーシャが近づく頃には、魔物は、体から黒い炎を出していた。


 その黒い炎のようなものが出ながら、魔物の体は、徐々に小さくなっていくのだった。


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