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アメルーミラの試験内容


 アトラクトについて、ジューネスティーン達6人が話をしていると、ジューネスティーンは、アトラクトが必要なのかと思ったようだ。


 アトラクトで集めた魔物を狩るのを見るより、アメルーミラのスリングショットで、どれだけの戦いができるかを見る方が、先かと考え直したのだ。


 万一、アトラクトで、魔物を集め過ぎてしまった時の事を考えると、その対応をしつつ、最悪の場合は、アメルーミラを助けることも考える必要がある。


 そう思うと、最初は、アメルーミラが、どの位戦えるのかを見た方が良いと考えるのだ。


「やっぱり、アトラクとは、後にしよう。 その前に、ルーミラのスリングショットを見てみよう。」


 そう言って、メンバー達に方針の変更を伝える。


 その提案に、メンバー達も、言われてみれば、その通りだと思ったようだ。


 メンバー達の様子を見た、ジューネスティーンは、周りも納得してくれたと思い、アメルーミラに向く。


「最初にスリングショットを見たいから、スリングショットを使って魔物を狙ってみてくれないか? 」


 アメルーミラは、少し困った様子を見せるので、ジューネスティーンは、アメルーミラ自身が、スリングショットに自身がないのかと思ったようだ。


「ああ、当たらなくても構わないよ。 万一、近付いて来たのは、レィオーンパードが仕止めるから、いつもの調子で使ってみて。」


 アメルーミラは、戸惑う。


 どうしようかと思ったようだが、何かを考えて、納得したような表情をする。


「あのー、スリングショットは、昨日から始めたばかりなので、参考になるかわかりませんが、宜しいですか。」


「えっ! 」


 ジューネスティーンは、てっきり、北の王国の時に、罠以外にも、スリンングショットについて、基礎知識はあったのだと思っていたので少し驚いたようだ。


 それは、周りにいるメンバー達も同様だった。


 昨日の話の中にも、冒険者になって、直ぐだったとは言ってなかったので、しばらくは冒険者として生活していたのかと思っていた。


「すみません。 冒険者になったのは、昨日からなんです。 それで、スリングショットもギルドの受付の方に教えてもらって、ゴムだけ買って自分で作ったんです。」


 その話を聞いて、さらに驚いた様子を、ジューネスティーンも、メンバー達も驚いた様子をして、アメルーミラを見ていた。


 全員、考えていることは同じようだ。


「それで、成果はあったのか? 」


 代表して、ジューネスティーンが、アメルーミラに質問する。


 メンバー達は、アメルーミラの答えが気になった様子で、アメルーミラを見ている。


「ええ、最初は上手く飛ばせなかったのですが、何度か使っているうちに慣れましたので、それで、数匹仕止めることができました。」


 冒険者になって、初戦の、しかも、ソロの狩で魔物を仕止めたと、アメルーミラは言う。




 南の王国でなら、それなりに弱い魔物が多いので問題にならないが、帝国の付近では初心者には厳しい。


 帝国で、新規の冒険者が少ないのは、帝都周辺の魔物が初心者向けでは無いので、帝国では有る程度の腕を持った中級者以上の冒険者が多い。


 この辺りの魔物だと敏捷性の高い魔物なので、中級者でもソロだと手こずる事も有り、尚且つコアの金額も安い事で人気が無い。


 そのせいで、この帝都周辺は、狩場としては空いている。


 この帝都の周りで狩をしようと思ったなら、ソロになってしまうが、それでも、昨日今日始めた冒険者がソロで戦って、無傷で倒せる様な魔物では無い。


 ジューネスティーン達は、アメルーミラが、今まで、冒険者として、どんな風に過ごしてきたのかというより、昨日をどうやって、切り抜けてきたのかが気になった。


 通常では、あり得ないと思える、昨日1日を、アメルーミラは過ごしたのだ。


 その状況について、メンバー達は、知りたいと思ったようだ。


 そして、アメルーミラの才能の断片が、何だったのかを知りたいと思ったようだ。


 また、今の話で、周りは、アメルーミラには、メンバーに入れても、足を引っ張られることは無いと思ったのだ。


 問題はあるにせよ、それなりに才能があるのならば、アメルーミラの長所短所を見極めて、アメルーミラの使い方についてを考える。


 この試験は、アメルーミラをメンバーに入れるか入れないかではなく、どんなことに使えるかの試験に変わってしまったのだ。


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