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レィオーンパードとカミュルイアンの思い


 明日の約束をしてアメルーミラと別れて部屋に戻ると、ジューネスティーンは、アンジュリーンに話しかけられる。


「ちょっと、あの子、嘘ついているわよ。 そんなのを近くに置いて大丈夫なの? 」


「私も、あの子を入れるのは、反対ですぅ。」


 アリアリーシャもアンジュリーンの意見に同意する。


「あの子だって、隠しておきたい事だって有るだろう。」


 レィオーンパードが弁護する。


 珍しくメンバー達の意見が対立するのを見て、ジューネスティーンは、シュレイノリアを寝かせなければいけないので、議論をしたくないと考えているのだ。


「とりあえず、様子を見よう。 それに一緒に居るとしても、今だけの話になるし、東の森に入る頃には別れる事になる。 それに、パワードスーツも完成して、試運転も終わっている。 東の魔物の退治依頼が有ったら、そこで彼女とは別れる事になる。 それまでの付き合いだ。」


 ジューネスティーンが話すと、アンジュリーンも、渋々納得すると、シュレイノリアが、眠さを訴える。


「眠いから、寝る。」


 そう言うと、シュレイノリアは、ジューネスティーンを連れて部屋に入ってしまう。


 アンジュリーンは、止めようとしたが、それより早くシュレイノリアが引っ張っていってしまった。


「アンジュ。 私達も寝ましょう。」


 そう言うと、アリアリーシャもアンジュリーンを連れて部屋に入る。




 残された男子2人も、お互いを見ると部屋に入る。


「なあ、カミュー。」


「なんだ? 」


「あのアメルーミラの事、どう思った? 」


「別に。」


 カミュルイアンの気のない返事を聞いて、レィオーンパードは、少しイラついた。


「別にって、彼女の話を聞いて、何とも思わなかったのかよぉ。」


「ああ、少し可哀想な経験をしたみたいだったね。 でも、それだけだよ。」


 自分の思いとは違った感想を述べたカミュルイアンに、レィオーンパードは、その答えに不満の様だ。


「おいーっ。 感想はそれだけなのかよぉーっ。」


「ああ、それだけだ。」


「だって、これから一緒に狩に行くかもしれない人なんだぜ。」


 カミュルイアンは、そう言われても表情を変えない。


「ああ、ジュネスは、多分、準メンバーとして、一緒に行動する事を了解すると思うよ。」


「だったら、もう少し、気にしてあげてもいいんじゃないのかなぁ。」


 レィオーンパードは、真剣な顔で訴えた。


 そんなレィオーンパードを、カミュルイアンは、何事も無かった様に応える。


「だけど、東の森へ一緒にいく事は無いとも言った。 だから、それ程長い期間、一緒ってわけにもいかないだろう。 別れた後、多分、彼女は、南の王国に行くことになるだろうし。 パワードスーツだって、全員分が揃ったんだから、そんなに長く一緒に居る事にはならないだろう。 あまり、深入りしない方が、いいんじゃ無いのかなぁ。 別れる事が分かっている相手なんだから、適当に話を合わす程度でいいんじゃないの。」


 レィオーンパードは、言われてみたら、そうなのかといった感じで考えている。


 すると、何かを思いついた顔をする。


「なあ、カミュー。 そう言えば、お前はウィルリーンさんとシェルリーンさんとは、どうするんだ? 東の森の調査に、あの2人を連れていくわけにはいかないよな。」


 カミュルイアンは、レィオーンパードに指摘されると、少し考えるが、直ぐに答えた。


「2人とは、そこでお別れかな。 ただ、調査が終わって、戻った後に2人が帝都にいれば、また、同じ事になるだろうね。」


 レィオーンパードは、余計な事を聞いてしまったと思った様だ。


(そうなんだよ。 カミューは、エルフの男だから、生きている限りは、女性エルフからはモテモテなんだろうな。 きっと、あの2人だって、その時は、首を長くして待っているのかぁ。 このメンバーの中で俺だけ1人だもんなぁ。)


 レィオーンパードは、寂しそうな顔をしている。


 ただ、カミュルイアンとしても、ヒョウ系の亜人であるレィオーンパードに対して、何も出来ないのだから、それ以上のことは、何も言えない。


(そうなんだよなぁ、ユーリカリアさんのとこも、ヒョウ系の亜人は居なかったんだよな。 ウサギ系、リザードマンと、チーター系のヴィラレットさんかぁ。 まあ、ヴィラレットさんは似ているけど、ちょっと違うから、敬遠されたのかもしれないし、それに今度は、猫系だもんな。 今まで一緒に連んでいたオイラも相手ができちゃった訳だから、レオンも寂しいのかもな。 でも、今の俺には何もしてあげられない。)


 カミュルイアンとすれば、新たに入ってくるメンバーのアメルミーラより、長く付き合っているレィオーンパードの方が気になる様だ。


 カミュルイアンは、アメルーミラの話も、パートナーの2人のエルフの事も話題にするのが面倒なのか、レィオーンパードに提案する。


「なあ、それより、早く寝ようぜ。」


「それもそうだな。」


 そう言って、2人は着替えてベットに入る。


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