アメルーミラの宿泊先
ジューネスティーンは、アメルーミラを、どうするのか悩んでいた。
アメルーミラの話には、嘘も真実も有って、何か目的が有ると考えているのだ。
「とりあえず、今のところは、急いでいる物は無いから、明日にでも君の実力を見せてもらう事にしよう。」
そういうと、アメルーミラは、一つの関門を乗り越えた事に、ホッとすると、笑顔になってジューネスティーンを見る。
「多分、パーティーに入れる事は無理だと思うけど、しばらくは、大きな仕事になることも無いから、それまでの間は、君に付き合う事も出来るだろう。 明日は、準メンバーになれるかどうかの、テストって事で良いかな。 それと、剣は扱えるのか? 」
「剣は扱った事は有りません。」
少し悄気る(しょげる)アメルーミラだが、ジューネスティーンは、それを見て、何かを思いついた様だ。
「まぁ、気にする事は無い。 色々と、みさせてもらう事にする。」
周りを見ると、全員食事も終わっている。
「ところで、君は何処に泊まるんだ。」
言われて、アメルーミラが、今日の宿が無い事に気がつく。
「あっ! 」
それを見たジューネスティーンが、ミューミラを呼ぶ。
「1人部屋の空き部屋は、有りますか? 」
「確認してきますので、少々、お待ち下さい。」
ロビーに行くミューミラを見送ってから、アメルーミラに事情を説明する。
「すまないが、まだ、君を一緒の部屋に入れるて泊まる事は、出来ないので、何処か別の部屋で泊まってもらう。 構わないね。」
アメルーミラは、ヲンムンの命令について考えていた。
このパーティーに、潜り込む事が目的なのだが、今の話では、まだ、目的は達成されてないが、可能性はゼロにはなってないのだから、失敗という訳でも無い。
とりあえず、現在進行形なのだから、命令に反いてはいないのだ。
「はい、でも、この宿屋に泊まる様なお金なんて持ってないのですけど。」
不安そうに言うアメルーミラに、ジューネスティーンは答える。
「宿代は、俺が持つから、安心してくれ。」
そんな事を話しているとミューミラが戻ってきた。
「大丈夫だそうです。 銅貨2枚の部屋が空いています。 お部屋、お取りしますか? 」
そう言うと、ミューミラに中銅貨2枚を渡す。
「この人用に使わせて欲しい。 とりあえず、10日分で部屋を取っておいてほしい。」
そう言って、アメルーミラに視線を送るので、ミューミラもその視線に沿ってアメルーミラを確認すると、ジューネスティーンに返事をする。
「かしこまりました。 主人に伝えておきます。」
ジューネスティーンに答えると、アメルーミラに向き直ってから、ルイセルからの伝言をアメルーミラに伝える。
「後で宿帳に記載しますので、ロビーのカウンターまでお越し下さい。」
そう言って、お辞儀をすると、厨房の方に戻っていった。
周りを見ると、男子2人は、良かったといった表情をすると、シュレイノリアは、我関せずとアメルーミラを気にする気配もなく、お茶を飲んでいた。
しかし、残り2人の女子は、微妙な顔をしている。
2人はアメルーミラの嘘が引っ掛かっているのだろう。
そんな事を考えていると、レィオーンパードが、アメルーミラと話をし始めている。
それを羨ましそうに見ているカミュルイアンを見つつ、ジューネスティーンは、アメルーミラの目的は何か模索している様だ。
食事が終わり、アメルーミラの部屋も確保できると、シュレイノリアが、場の空気を考えない発言をしてきた。
「食べたら眠くなった。 部屋に戻りたい。」
そう言い出したので、食事は終わりにして、ロビーのカウンターに行く。
ルイセルが、アメルーミラに名前と北の王国の住所を聞いて台帳に記載していった。
記載が終わると、部屋の鍵を渡される。
「外出の際は、鍵をフロントに預けてください。 戻ったら、このカウンターで、鍵を受け取る様に、お願いします。」
ルイセルの話を聞いてから、部屋に戻ることにする。
「あのー。 ありがとうございます。 部屋まで用意してもらって、何と、お礼を言って良いのか。」
「ああ、構わない。 それより疲れているだろうから、今日は早く休もう。」
アメルーミラの部屋は、部屋番号からジューネスティーン達の部屋の下の3階だと分かった。
3階で見送ると、ジューネスティーン達は、上の階へ上がっていく。
アメルーミラは、ジューネスティーン達を見送ると、鍵についているタグの数字を頼りに、自分の部屋にいくのだった。




