着替え終わった後、名前を名乗るアメルーミラ
シュレイノリアに下着を着けてもらって、アメルーミラは、胸の感じが大きくなったのは良かったと感じている様だが、上下のアンバランスさが気になった様だ。
だが、周りはそんな事を気にせずに、下着姿のまま、今度は上着を選び始めている。
アンバランスな下着姿のまま、どうしようかと思っていると、アンジュリーンが、少し待つように言ったので、仕方無く、下着姿のまま、待つ事にしたのだ。
シュレイノリアの胸の大きさについての話が終わって、アンジュリーンは、自分の服を選ぶのと同時にアメルーミラの上着を選びに掛かる。
自分のシャツを取ると、アンジュリーンは、何か思い付いた様だ。
(うーん。 私の身長が162cmで、あの子は、150cmってところね。)
そして、アメルーミラを見てから、また、考える。
(ああ、やっぱり、パンツルックは、長さの問題があるから、ワンピースがいいのか。 ウエストの辺りに帯があれば、それを上手く使えば、長過ぎる様には見えないわね。)
アメルーミラは、アンジュリーンに時々見られているのが、自分の下着姿のアンバランスなのか、隠しきれてない下の下着なのかと思ったのか、恥ずかしそうにしている。
そんな、アメルーミラの表情を気にする事なく、アンジュリーンは、アメルーミラに聞く。
「ねえ、ワンピースはどうかしら? 案外いけると思うけど。」
そう言って、アメルーミラに興味をそそらせる様に、自分の体の前に当てたワンピースを、アメルーミラに見せる様にユラユラと振ってみせる。
アメルーミラは、下着姿について何も言われなかったので、少し安心した様子になる。
そんなアメルーミラの事を考える事なく、アンジュリーンは続ける。
「これ以外にも有るのよ。」
そう言ってハンガーラックを示すと、アメルーミラはそちらを見る。
何着か同じ様なワンピースが目に止まる。
アンジュリーンはその中から赤のワンピースを取り出すと、自分の胸に当てるように持つ。
「ねえ、これなんか、どうかしら? 似合うと思うわよ。」
そう言って見せると、アメルーミラの目は、そのワンピースに釘付けになる。
今までの生活の中では、派手な色合いの服を着ることがなかったこともあり、綺麗な赤の服は魅力的だったようだ。
そのワンピースを見ている、アメルーミラが視線を外そうとしない事から、アンジュリーンは、これで良いと思った様だ。
その態度は、アメルーミラが、気に入ったのだと理解したのだろう、アンジュリーンは笑顔で話し掛ける。
「決まりね。」
そう言って、手に持っていた、赤のワンピースを、ハンガーから外してアメルーミラに渡す。
渡されたワンピースを大事そうに持って、かざして、もう一度確認をすると、アンジュリーンに尋ねる。
「これ、私が着てもいいんですか? 」
アンジュリーンに確認すると、アンジュリーンは笑顔で肯く。
「きっと似合うわよ。」
そう言うと、アンジュリーンは、アメルーミラの着替えを手伝う。
アメルーミラの着替えが終わる頃には、シュレイノリアもアリアリーシャも着替え終わっていた。
2人ともスカートを選択したので、誰も遜色は無い。
ただ、シュレイノリアだけは、自分の足にある傷痕を隠すように、スカートをめくり上げて、太ももの上まであるハイソックスを後から履いていた。
着替え終わると、そのまま、リビングに移動して男達を待つことにする。
アンジュリーンは、アメルーミラを連れて一緒にソファーに座る。
彼女なりに気を使っているのだ。
バスルームを使っていた残りの3人は、男子だけだったので、4人がリビングに移動すると、すぐに出てきた。
3人とも腰にバスタオルを巻いて、着ていた服を持って出てくる。
「シュレ、俺たちの服も出しておいてくれ。」
ジューネスティーンがそう言うと、シュレイノリアがリビングに男達のハンガーラックを収納魔法から出す。
残りの3人の女子はテーブルに座って待っている。
ただ、バスルームから出てきたレィオーンパードだけが惚けた顔で、恥ずかしそうに俯いているアメルーミラを見ている。
ジューネスティーンとカミュルイアンは、それぞれの部屋に入って服を干して戻ってくると、惚けているレィオーンパードを見て、声をかける。
「お前も早く服を干してこい。 今日は、女子の服選びも決まっているから、俺たち次第で夕食に行く時間も決まるんだぞ。」
ジューネスティーンが、そう言うと慌ててレィオーンパードは自分の部屋に行って、洗濯物を干してくる。
ジューネスティーンとカミュルイアンは、シュレイノリアが作ってくれたドライヤー代わりの魔法紋の下で髪の毛を乾かしている。
そこに戻ってきたレィオーンパードも慌てて入って自分の髪の毛を乾かすのだが、時々、赤のワンピースのアメルーミラをチラチラと見ている。
ジューネスティーン達は、リビングに出てきた自分たちのハンガーラックから、適当に服を選んで部屋に戻って着替えると、また、リビングに戻ってきた。
アメルーミラに、ジューネスティーンは、声をかける。
「お腹空いただろう。 ・・・。 えーと、名前何だっけ。」
最初に会った時に、大きなお腹の音で、名前を聞くのを忘れていた事に気が付き、アメルーミラに尋ねると、慌てて答える。
「ア、アメルーミラです。」
「それじゃあ、食べに行こうか。 アメルーミラ。」
そう言って、部屋を出て一階の食堂にむかう。




