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アメルーミラの替えの下着


 アリアリーシャは、我関せずと、自分の下着を着けていた。


 アリアリーシャは、大きな胸をその大きさに合わせた下着で、丁寧に形を整えるようにして下着をつける。


 そろそろ、お手入れに気を付ける年頃になってくると思っているのだろう、胸が重力の影響を受け始める前から、手入れはおろそかにしてないのだ。


 上が付け終わって、下を履き始めて、両足に下着を通したところで、アリアリーシャは、異変に気がつく。


 アリアリーシャは、気になる方に自分の視線を向けると、そこには、シュレイノリアとアンジュリーンが見つめる視線があった。


 その視線に気がついて、アリアリーシャは、シュレイノリアの手に、自分の下着の下を持って広げているのを見る。


 それを見たアリアリーシャは、全てを悟った様だ。


 嫌そうな顔をする。


 どうしようかと思ったのだろう、助けを求める様にアンジュリーンを見ても、その顔は、お前の出番だと言っている様に、アンジュリーンもアリアリーシャを見ている。


 アリアリーシャは、その視線が痛く感じるのだろう、嫌そうな顔で、2人を見るのだが、その視線に耐えきれなくなる。


「わかりました! 下着は、私のを使ってもらいます。 シュレ、収納魔法! 」


「いや、もう出してある。」


 アリアリーシャは、シュレイノリアの手際に、若干イラついた様子で、履いていた下着を腰まで上げると、お尻の穴から自分の尻尾を出して、その位置を指で上手く動かしたりしながら、シュレイノリアの出してくれたラックの方に移動する。


 ただ、下を履いただけの格好で、少し機嫌の悪そうに移動するので、大きな胸が大きく上下に揺れていた。


 アリアリーシャが、ハンガーラックの前に来ると、アメルミーラを見てニヤリとする。


「私のだから、デザインとかに文句はつけないでね。」


 そう言われて、アメルミーラは、何気にアリアリーシャの下着を確認すると、顔から血の気が引いたようだ。


 遠目で見ていたのと、肌の白さから、気が付かなかったのだが、アリアリーシャの付けていた白の下着なのだが、よく見ると、かなり縦に食い込む様なデザインで、なおかつ、レースになっている部分が多く、肌が、かなり透けて肌が見えているのだ。


 肌の白さと下着の白さで分からなかったのだが、セクシーなデザインなので、アメルーミラが、今まで付けていた物と明らかに異なるものだった。


 アメルーミラの肌の色は、濃いとは言わないが、一般的な肌色なので、白のレースであれば、中の肌の色が透けて見える事になる。


 そのアリアリーシャの下着を見て、かなり驚いた様子になっている。




 アリアリーシャは、自分の下着の中から、ベージュの物を一つ取ると、それをアメルーミラに渡す。


「はい、これはいて。 私のコレクションの中で、あなたに似合いそうなのはこれかしら。」


 アメルーミラは、受け取った下着を確認する。


 前と後ろは、布で覆われているのだが、布の高さはほとんど無く、大半がベージュのレースになっているのだ。


 横と、ヘソの下、後ろも尻尾より上は、レースになっていて肌が見える。


 それと、前も後ろもかなり細く縦長なデザインになっており、辛うじて隠せる程度のものなのだが、後ろから見たら、お尻の割れ目の半分は、レースから確認できてしまう程なのだ。


 アメルーミラが、使っていたものとは、明らかにデザインが異なることに、戸惑ってしまい、顔を赤くしている。


「あのー。 もっと地味なデザインのものは無いのですか? 」


 アメルーミラは、恐る恐るアリアリーシャに確認するが、アリアリーシャは即答する。


「無い。」


 アメルーミラは、アリアリーシャに渡された下着を見て、かなり際どいデザインなのを気にしているのだが、そんなアメルーミラの思いなど気にせずに、アリアリーシャは続ける。


「ああ、それ、あなたにあげるわ。 ちゃんと洗濯してあるから、大丈夫よ。」


 いつもの語尾を伸ばす口調ではなく、アリアリーシャは答えた。


 困った顔をしているのを見て、アンジュリーンは、自分も下着をつけながら話かける。


「ねえ。 下着なんて、見せるものじゃ無いから、今日はそれをつけていて、それと、シュレ、下着の上は、あんたのを一つ渡してあげて、見た感じ、あなたのカップ数と、そう変わらなそうだから、使わせてあげて、私と姉さんのだとちょっと難しそうだから、お願いね。」


 それを聞いてシュレの顔が曇る。


「アンジュ。 それは、私の胸が、お前より、小さいと言いたいのか! 」


 それを聞いて、アンジュリーンは、地雷を踏んだことを察した。


(あちゃー! 小さいって言わなかったのに、シュレったら反応しちゃったわ。)


 アンジュリーン自身も、それほど大きいとは言えないが、シュレイノリアよりは大きのだ。


 ただ、アリアリーシャに比べると、はるかに2人は小さいのだが、シュレイノリアは、3人の中で一番小さい事にコンプレックスを持っていたのだ。




 そんな時、アンジュリーンの脳裏に、シャワーを使う前に、服を脱いだ後の事が思い当たったのだ。


(あの時、シュレは、彼女の胸を見て、“勝った。” って、言ってたわね。 大した差じゃ無いのだけど。 あーっ、気を使ったつもりだけど、まだ、足りなかったのかぁ。)


 アンジュリーンも、気がつけばよかったのだろうが、着替えに夢中になっていたせいなのか、思わず何も気にせずに言ってしまった様だ。


「そう言う訳じゃないのだけどぉ。 あなたのサイズが一番近いかなぁ〜って、つい。」


 そのアンジュリーンの言い訳を、シュレイノリアはジーッと見ている。


「ごめん。 本当に、ごめん。 だから、彼女に下着の上を貸してあげて。 ねっ。」


 そう言って、口の前で両掌を合わせて懇願する。


「それに、上を付けないと、上着の上から、先端の形が分かってしまうじゃない。 今日は、ジュネスがメインで話をすることになるのよ。 そんな時に上に服を着ていても、胸の形が現れてしまったら、シュレも嫌でしょ。」


 そう言われても、アンジュリーンから視線を外そうとしない。


 ただ、アンジュリーンは、困った表情で懇願するような態度を示している。


「ふん。」


 シュレイノリアは、鼻を鳴らす様な態度を取ると、自分の予備の下着の上をアメルーミラに渡す。


「ありがとう。 シュレ、本当に助かったわ。 ありがとうね。」


 シュレイノリアは、そのまま、自分の下着をつけ始めるのを見て、アンジュリーンは、ため息を吐く。




 ただ、アメルーミラは、アリアリーシャの下着の下と、シュレイノリアの下着の上のアンバランスさに戸惑いを覚えた様だ。


 大人っぽい下と、子供っぽい上の下着を着た時の自分の姿を思い浮かべたのだろう。


 なんとも微妙な姿になると思った様子を頭の中に浮かべた様だ。


 ただ、救いなのは、アンジュリーンが服を貸してくるといってくれたので、服を着たなら、服の上から下着が透けて見えない限り、着けている下着が見えなくなるなら、アンバランスな下着は他に見られることも無いと考えられることが救いだった様だ。


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