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二度洗いされるアメルーミラ


 一方、アンジュリーンは、アメルーミラの髪の毛に石鹸を付けて洗い出すと、随分と髪の毛を洗ってないことに気がつき、2度洗いをする気になったのだ。


 この子が、どんな生活をしていたのか、ここまで来るまでの苦労を思いつつ、髪の毛を丁寧に石鹸で洗う。


(初めて石鹸で、髪の毛を洗われたのね。)


 先程、目を開いてしまってとても痛がったので、両脇から背中や腕を洗っていたシュレイノリアとアリアリーシャに手首を抑えてもらって目を擦らせない様にしたので、石鹸を知らないのだと認識する。


 いつも髪の毛を洗っている自分達なら、直ぐに泡立つ石鹸が、この子の髪の毛では起こらない。


 何日も髪の毛を洗う事は無かったのだろう。


 灰色の綺麗なストレートの髪が頭皮の皮脂と土埃に塗れて濁ってしまっている。


 女の子が、綺麗な自分の髪を活かせないで、着の身着のままで、自分達を頼ってここまできた事を、不憫に思いつつ、アンジュリーンは、2度目のアメルーミラの髪を洗う。




 金糸雀亭の入り口で、初めて会った時にも、少し汗の酸っぱい匂いがしていたので、体も念入りに2人に洗ってもらっている。


 2人は左右からアメルーミラを挟み込む様に座って、それぞれがアメルーミラの半身を担当している。


 アンジュリーンが、入念に髪の毛や頭皮を洗っていると、2人は、腕から背中、そして胸やお腹を丁寧にタオルに石鹸を付けて洗っている。


 時々、タオルに石鹸を追加して体を洗っているのだ。


 髪の毛を見れば、体の方も大した事はしていなかった事が分かる。


 2人も、かなり丁寧にアメルーミラの体を洗っている。




 アメルーミラは見た目はアンジュリーンと変わらないので、年齢は10代半ばだとアンジュリーンは思っている。


(せめて、自分達と一緒の時だけでも、思春期の少女の様にしてあげたいわね。)


 アンジュリーンは思うのだった。


 とりあえず、髪の毛と頭皮の表面の汚れは落としたので、もう一度石鹸で洗う事にする。


 体を洗っている2人も首から爪先まで洗ったのだが、どうも納得できないという顔をしている。


 この子の苦労が、体に付着しているのだと思うので、もう一度念入りに洗おうと思っているのだ。




 シャワーで体に付いた石鹸を流す。


 頭から爪先までを丁寧にシャワーで流す。


 髪についた石鹸を洗い流す時に、また、目に石鹸が入らないか心配しつつ流すが、先程の様に目を痛がる事は無い。


 洗い流すと、アンジュリーンは、アメルーミラに声をかける。


「じゃあ、もう一度石鹸をつけるから、目はまだ閉じていてね。」


 そう言って、もう一度石鹸を付けて髪の毛を洗い出す。


 シュレイノリアもアリアリーシャも、タオルに石鹸を付けると、先程と同じ様にアメルーミラの体を洗い始める。




 長年手入れをしていない髪の毛なので、先端の方が捩れたりして手櫛が通らないところは、丁寧にほつれを直していく。


 どおしてもダメなところも有るので、後で軽く髪の毛の先端を切って整えてあげようと考えつつ、2回目の髪の毛を洗う。


 流石に2度目には石鹸の泡は、土色には変色しなかったが、髪の毛も地肌も丁寧に洗う。


 体を洗っている2人を見ると、先程と同じ様に、上から順番に爪先まで丁寧に洗ってあげている。


 石鹸も、いつも自分達が洗っている様な泡立ちをしている。


 2人も洗っていると、自分の思った様な肌になったと、満足気にしている様に思える。


 アンジュリーンも、この子の髪にできる限りの事ができたと思い、最後にシャワーで髪の毛と体の泡を落とす。




 ただ、1カ所を除いて綺麗に出来たと思うと、アンジュリーンは、アメルーミラに話をする。


「もう、良いわよ。 石鹸は洗い流したから、目を開けて構わないわ。」


 アメルーミラは、ゆっくりと目を開ける。


 丁寧に、頭や体を洗ってもらえて、とても気持ちが良いのだ。


 生まれて初めて、大量のお湯を使った湯あみに、満足した表情をしている。


「じゃあ、私達も体を洗っちゃうからね。 それと、1箇所だけは洗えてないの。 ああ、デリケートな部分は自分で洗ってね。」


 アメルーミラは、あまりの気持ちよさに、体全部を洗ってもらえたとおもていた様だが、洗ってもらえなかったところが有ると、アンジュリーンが言うので、どこなのかと思っている様だ。


 アンジュリーンは、そのアメルーミラが、わかってなさそうだったので、仕方なさそうな顔をすると、アメルーミラの股間を指差す。


 ハッとなって下を見ると、椅子に座って伸ばされた足は、左右に大きく開かれていた。


 左右から、首から爪先まで丁寧に洗ってもらい、時々、ツボの様な所を押してもらったので、とても気持ちが良かったので、自分がどんな格好をしているのか忘れてしまっていたのだ。


 その自分の足を見て、慌てて足を閉じて顔を赤くする。


「流石に同性でも、他人の、その部分に手を当てるわけには行かないので、そこは自分で綺麗にしてね。」


 人に体を洗ってもらうなんてことが無かった事と、とても気持ち良かったので、されるがままに体を開かれていたのだ。


 とても恥ずかしいと思うが、3人の温かな心を感じて、ポッとする様な感覚に襲われているのが、その表情を見れば理解できる。


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